江戸時代と同じ構図で、商家が幅を効かせる時代

  • 28 May 2017
  • のぶやん

江戸時代の後半になってくると、政府が商家から借金をするようになってきて、商家がどんどん強くなっていきます。商家は、幕府にお金を貸しだして、幕府は武士を養う為に財政がどんどん苦しくなって、最終的に薩長を中心とした明治政府に乗っ取られる形で江戸幕府が終焉します。当時は、一石=2.5俵(150キロ・工作面積が約1反・300坪)ぐらいだったという事です。

江戸の後半になってくると、武士の武道よりは、学問が重視されるように変化していきます。読み書きなどが徹底されて、武士の識字率が100%となります。また、田畑を持たない商人たちの活躍の場が増えていく事になります。江戸時代後期の下級武士たちは、給料が低くて農民にも劣るような困窮生活となり、副業を行う事でようやく生計が立てられていました。

日本の中間層が完全に没落

日本の中間層は、海外に工場が移転した事によって完全に没落してしまいました。かつて、日本の国際的立場というのは、戦前にアジアの中で最も早く西洋からの知識を輸入して、工業化した事で地理的優位性を活かして大量の工業製品を作ることで発展してきました。しかし、日本にあった工場が海外移転してから、日本の中間層は非常に厳しい状況になっています。

日本の普通のサラリーマンが高所得を取れる時代ではくなると同時に、派遣社員、フリーターなどが増加して、年収400~500万円の中間層が減って、年収100万円~200万円で生活する人が増えてきました。1人で生活するには、年収200万円あればギリギリの生活を過ごすことはできますが、家族を持つには足る年収ではありません。

サラリーマンは召使い

商家というのは、株式を持って事業を行っている人の事を指していて、その大小に関わらず事業を行っている人の事です。事業を行っている商家は、成功していれば江戸時代でもそれなりの資産化になっていました。今では、株式会社という名前で、大きな会社になると何万人も社員がいますが、1つの商家が中心になっている会社もあります。特に株式を上場していない中小企業の場合には、1つの家が株式を支配している事が多いのは事実です。

日本人は、戦後にサラリーマンとなって一生懸命に働いてれば、それなりの所得が得られて中間層になれました。学歴が高卒であったとしても、会社に入ってそれなりの地位に出世する事ができました。そういった中間層の時代は、日本の経済成長が停滞して既に過去のものになっています。労働者の可処分所得は、毎年のように落ちており、年収800万円でも手取りが600万円ほどしかなくなっています。

生産手段を持たないサラリーマン

サラリーマン中間層が没落するのは、労働者であるサラリーマンが『コスト』として扱われているからです。コストとして扱われているサラリーマンが株式を持って、利益の分配を受けるようにすれば、サラリーマンはコストではなくなります。しかし、入社したサラリーマンにストックオプションのような形で株式の分配を与えると、今度はサラリーマンがお金をゲットしたら会社の事などお構いなしに退社してしまうというジレンマが生じてしまいます。

海外に生産手段である工場が移転してしまうと、日本に生産手段がなくなり、それを動かすサラリーマンが必要ではなくなってしまいます。まさに、今は日本は生産手段を海外移転によって失った状況で、それを保有する資本だけが日本企業が出資ているお金として残っている状況になっています。資本を保有している人は海外からの収益を得る事ができますが、労働力に依存するサラリーマンは、必要性が薄れているのです。

その一方で、かつて出来なかった海外に対する投資は、誰でもインターネット証券で簡単に行えるようになっています。ファンドを通じた間接投資であれば、個人でも行えるようになっていますが、直接投資になるとグローバル企業でないと難しいという状況があります。

どんどん貧しくなる日本人

日本企業のほとんどがグローバル化に対応してないドメスティックの日本企業なので、日本人の内需に依存しているので、日本が格差社会で貧困が広がっていくと、潰れる中小企業が増えて、日本人は貧しくなっていくでしょう。安倍政権で日銀のETFの買い付けと、大規模金融緩和による円安誘導で、短期的に好景気のように見えますが、日本人の中間層が貧しくなっている事は歌がいようもない事実です。

今の大学生は容易に就職できますが、サラリーマン自体が中流階級を維持する事はできないでしょう。日本政府及び国民は、日本経済に横たわる根本的な問題を解決しようとしておらず、少子高齢化、国民の教育問題などに手が付けられないままの状態になっています。

少子・高齢化によって、日本に労働力が不足する一方で、高齢者が全く働かないで年金受給者となる事で日本に蓄えた資源をどんどん消化していく事になります。行きつく先は、リン鉱山が枯渇したナウルと同じ状況になる事は明白でしょう。結局、働かない高齢者というのは、ナウルでニート生活を過ごす国民と全く同じ状況であるからです。投資家らの収益だけでは、大勢の高齢者を支える事はできません。

近代的教育が必要

日本の高度経済成長期には、労働力が足りなくなっていた事もあって、高校を卒業してから集団で就職して、企業が教育訓練をするスタイルが定着していました。しかし、企業が賃金が安い海外に工場を移転するに伴って、日本国内で工場を動かすのにそれほど多くの人材を必要としなくなりました。必要となったのは、日本国内の技術を維持するだけの社員さえいれば良いという事になり、単純作業は派遣社員・アルバイトに任されるようになたのです。

海外に工場が移転した事で、企業が教育を行わなくなった事に伴って、日本人の多くが実務的な教育を受ける機会を失う事になりました。大学を卒業すると、就職に困らないほど数多くの企業が採用しますが、それは技術を学んでほしいと言いながら、どちらかと言えば派遣社員・アルバイトなどと同じ『安い労働力として若者を使える』という需要が高い事を意味しているのでした。

資本が他国に移動し始めた中国

中国では、日本のように国内に資本を蓄積する前に、既に人件費が上がり始めていて、工場が海外に移転するようになっています。工場が海外に移転するようになると、国内が空洞化して日本と同じような状況が発生するでしょう。中国では、ホワイトカラー職業に就職するのが難しい一方で、工場労働者のような職種は、賃金が高くないと労働者が集まらない状況になっています。このような状況で賃金が高止まりしているので、工場が中国から海外移転し始めているのです。

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