東芝赤字5500億円で国内1万人のリストラ!「粉飾決算」した東芝の行く末

  • 22 December 2015
  • のぶやん

粉飾決算を行っていたとされる東芝は、2015年12月21日に2016年3月期の業績予想が営業損失は3400億円、純損失は5500億円になると発表した。営業損失は、本業で出している損失で3400億円というのは、継続的にこれからも赤字が出る可能性が強くあり、非常に深刻な状態です。一時的に出た赤字なら埋め合わせできますが、これだけの赤字が継続的に出ると、会社は数年もたないかもしれません。大幅なリストラ、事業縮小などを行うのはいいですけど、利益が出る場所がない状態で事業再生する事は厳しいでしょう。

2009年3月期に7873億円と過去最大の最終赤字を計上した日立製作所は、その後に立ち直って2015年3月期の営業利益は6000億円と過去最高を記録してはいますが、日立製作所の時はリーマンショックで株価が暴落したという事で、他社の業績も相当に悪かったのです。今回の東芝の場合には、市場と関係なく巨額の赤字幅が出ており、しかも本業で出た赤字という事で非常に深刻です。

半導体メモリー事業が悪化

半導体メモリー事業は、今では凄い成長分野でもありますが、競争が非常に激しい分野です。日本は、DRAM専業メーカー・エルピーダメモリが破綻、ルネサスが買収されるなど、リーマンショックの後で半導体事業をやっている会社が利益を上げることが難しくなりました。ルネサスは、大幅なリストラをおこなって、全従業員数が2万人まで減少しています。官民出資の産業革新機構というものが身を乗り出してきて、銀行の代りにルネサスを救済すると言う社会主義みたいな事をやって、潰れるべき会社を潰さないで存続させました。この背景としては、ルネサスの主要取引先であるトヨタなどが重要な部品供給源であるルネサスとの取引を継続したいと考えている事が背景にありますが、やってる事はめちゃくちゃです。

半導体の価格を考えるには、デジタルカメラで使うメモリを考えると簡単です。デジタルカメラで使うメモリは、2014年1月頃に64GBで1万円だったものが、今では128GBで1万円と1年間で半額ほどに下落しています。1年で価格が半分になる事を繰り返していくと、数年後にメモリが1万円で1TBが出てくるのが時間の問題という事になります。こういった速度でメモリが安くなると、利益を出すのは至難の業という事になってきます。少しでも高いと売れないのです。売れば売るほど赤字という事になります。

東芝の事業セクター

東芝の事業セクターの中で、特にヤバいのがパソコン・テレビなどのライフスタイル部門であると言われています。一般消費者を相手にしたものですけど、東芝全体の20%を占める重要部門ですが、東芝の足を引っ張っています。東芝でまともに利益が出せているのは、売り上げの30%を占める「電力・社会インフラ部門」と言われていた訳ですけど、ここが原発の停止などで全く利益がでないどころか、粉飾していた事も明らかになって会社が傾くところまでいってます。

部門別の売り上げ(2013年発表の粉飾決算の状況にて)
https://www.toshiba.co.jp/about/ir/jp/private/fin_sales.htm

 

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