ハード資産からソフト資産への移行

  • 1 March 2014
  • のぶやん

日露戦争のあたりから、第二次世界大戦の始まる頃(1900年頃から1930年ごろ)までは、航空機が発達していなかった事もあって、巨大戦艦を主力にした「大艦巨砲主義」となっていました。1922年に行われたワシントン軍縮会議によって各国の軍艦に制限が加えられていきましたが、この頃になると既に各国が戦艦だけ巨大化する戦いに限度があると気が付いていたように思われます。

しかしながら、当初は航空機の戦力が弱かったことから、航空機だけで大型戦艦の撃沈は無理だとされてきました。航空機の搭載能力が低くて、大きな戦艦を破壊するほどの爆弾を積み込めなかったからです。そこが改善されると、航空機が数機だけで戦艦を破壊できるようになってきました。

[scald=46:sdl_editor_representation]
戦艦

展開のスピードと建造費の安さ

第二次世界大戦が開始された頃には、戦艦よりも航空機が確実に優位性を持つようになっていました。航空機が展開できるスピードと、その数の力が戦艦を凌ぐようになってきました。戦艦を1隻作る為には、莫大な建設費用が必要になり、その費用をかければ航空機を沢山作る事ができたのです。

ポイントとなるのは、スピードが速くて戦局に寄与する航空機をいかに安価で大量に生産できるかという工業生産力の問題になってきていました。ドイツの場合にも、工業力を活用して戦車を作る事には長けていましたが、肝心の航空技術というものがイギリスに比べて弱かったので、制空権・制海権を取られてしまって、それが戦争の第二次世界大戦の敗北に結びついていく事になります。

工場を保有しない巨大企業

IT企業などの多くは、インターネットの巨大データセンターを持っていますが、工場などを保有している企業はほとんどありません。アップルなどは、iPhoneブランドで販売を行っていますが、工場は外部委託であり、自社で工場を保有している訳ではありません。自社で工場を保有したシャープが経営危機に陥っているように、自社で技術にこだわって工場を保有するメリットは、以前と比べても非常に薄くなってきています。

外観を左右するハードウェアで工場を充実させるのに比べると、ソフトウェアで世界の市場を支配していくのが非常に安価で素早くできるという事が証明されてきているわけです。ソフトウェアの世界では、通信に乗せてスピードを持って展開できるので、ハードにこだわる企業よりも有利に展開できます。先駆的企業が行うべきなのは、ハード面を切り捨ててでもソフトウェアに集中投資していくことなのかもしれません。

ボタンのないスマートフォン

スマートフォンは、ボタンがないという特徴で、ほとんど全ての機能を根幹部分であるハードディスク(メモリ)の中に格納するというスタイルになっています。こうした方が故障などに対処しやすくて、部品の数も少なくできて、アップデートも容易に行う事ができるというメリットがあります。2000年代は、ソフトウェアの発達によって、ハードからソフトに大きく変化が起きていました。

タッチパネルというのは、以前から研究されてきた技術ではありましたが、iPhoneはタッチパネルだけでキーボードも操作するという事を「当たり前」にしてしまったところが凄かったとされています。現在のパソコンは、マウスで操作して、キーボードでタイプするというのが普通ですが、こうした傾向も10年後には変化しているかもしれません。

部品が不要な電気自動車

日本は、電気自動車の開発が世界一進んだ国ともされていて、電気自動車が少しずつ普及を見せています。電気自動車の分野においては、ソフトウェアの制御が更に進んでいるので、従来のハード面での部品が極端に少ない事で知られています。つまり、電気自動車の方が明らかに将来性があって効率が良いと言われているのです。しかし、電気自動車に完全移行しないのは、移行する事によって自動車会社が自らの首を絞めるのを嫌っているからとされています。

電気自動車は、100キロほどしか走行距離がないので、電気スタンドを見つけて30分-3時間ほどの充電をしなくてはいけません。その為に電気自動車は、長期の旅行などには不向きであるとされています。しかしながら、10年後にはスタンドも整備されて、電気自動車がますます一般化すると見られており、そうなると日本国内の工場の半分が生き残っていけないと見られています。

カテゴリ: 
タグ: 

Plain text

  • No HTML tags allowed.
  • Web page addresses and e-mail addresses turn into links automatically.
To prevent automated spam submissions leave this field empty.
CAPTCHA
スパム防止用です。記号をクリックして下さい。
Target Image

アドセンス広告

関連記事