体験のマネタイズはどのレベルまで可能か

  • 14 August 2013
  • WEB情報屋

コンピューターが表現できない体験であったり、経験などがこれからの時代は重要になるという話を良く聞くようになりました。海に行って、太陽の光を浴びれば日焼けになり、筋肉を動かせば筋肉痛になって、誰かと会話した内容が印象に残ったりします。そうした人間の体験が記憶として繰り返されて、自分自身を形成していくとされています。

経験のマネタイズ

自分自身の経験をより有意義なものにしていく為には、経験をどのようにマネタイズするかを常に考えていく必要がでてきます。これはトヨタで言う「改善」とも言えるかもしれません。自分の経験を基にして、それをベースに考え方を常に最新のものに進化させ続けていきます。

経験というのは、つまりは人間の日々の行動から生まれるものとされています。人間が日々行動する中で、気がついた発見などを少しずつ書き留めて、それを共有していく過程があり、情報が有料で販売できるようになっているのです。経験というのは、人間の体に最適化されるべきで、それはコンピューターにはできない事です。例えば、コンピューターは海に行って泳いでも筋肉痛にならないので、「筋肉痛を改善する方法」という情報を必要としていません。

経験の集合体

経験の集合体とも言える方法がマネタイズに変化してきている例は沢山あります。例えば、食べログなどは、ユーザーが投稿した経験を集合させています。クックパッドなどもユーザーの経験を集合させている良い例です。多くの人は「これぐらいの記事はお金にならないだろう」と思って、自分の経験を少しずつ共有していて、それが数十億単位のビジネスになるところまで成長してきています。

主婦などが楽しんでクックパッドに投稿しているのは、レシピを自分の中に蓄積するという事で有意義な事ではあるのですが、直接的な現金収入にはなっていません。現代社会の会計学においては「Cash is King」と言われて直接的な現金収入は勝ちを持つとされていますので、こんな事では困るのです。レシピを投稿して多くの人に見て貰うという行為を「楽しいから」でやっていくのではなくて、商売としてマネタイズしていく人が勝ち残ります。

経験のマネタイズのハードル

例えば、自分が特別な経験をしたとして、それを書籍にしようとした時には、以前であれば出版社から声がかかるか、出版者の知り合いでもいなければ書籍出版は非常に難しいものでした。しかし、今では「ブログ」に広告を貼り付けたりする手法もありますし、「電子書籍」という手法で経験のマネタイズというものは以前に比べるとデジタルを使って非常に容易になってきたと言えます。

デジタルで誰もが自分の経験を簡単に発信できる社会になったという事は、逆に言えば何も情報を発信しない人はあっという間にデジタル社会で負け組みになってしまうという事を意味しています。何故ならば、人の生き方の経験から誰かが学んだという情報を購入する事に夢中になり(これは単純消費)、自分から情報を何ら発信しない(商品を持たない状況)という状況になるからです。

企業内部におけるマニュアル

日本企業は、数百年に及ぶ歴史を持つ企業が数多くある事で知られています。そのような企業が今まで伝統で受け継いできた技術・技能の一部は、最近になって映像などでマニュアル化されるようになってきてます。また、日本全国に広がったコンビニチェーンがマニュアルを使って従業員の行動を詳細なところまで決めているという事も有名です。企業は、一定の作業をマニュアル化する事によって、誰でもできる作業を増やして効率をあげようと頑張ります。誰でもできる作業=パート、アルバイトが行える作業となるので、マニュアルを使って働く人は低賃金となります。

グローバル化の中で、このようなマニュアル化された情報の共有が進むと、マニュアル化されたものの単価というのが大幅に下落していきます。今のデスクトップパソコンやノートパソコンが5万円で買えるようになったのも、簡単にマニュアル化された事で中国などでも生産が可能になったからでした。個人がこのマニュアル化の動きに対抗するには、自分が自分自身の体験をマネタイズするレベルに持ち込むしかないといえる時代になってきているかもしれません。

日本企業は体験マネタイズを活用すべき

現在の日本の多くの企業には、海外に留学しても採用しないで新卒採用にこだわったり、外部のフリーランスの人を部長職に据えたりなどと言った企業の外部で体験した人を内部に引き込もうという取り組みにかけてしまっているところがあります。そうしたやり方をしていると、いずれApple社やGoogle社に携帯市場を取られたように、全ての市場が強者によって取られてしまうと思うのですが、内部の人材の経験で何とかしてしまおうという考えが見て取れます。

そもそも、日本の大企業が優秀な人材をしっかり囲い込んでいるので、外部に優秀な人材など存在しないと考えるのも無理はありません。確かにそれなりに優秀な人材が大企業にいて、彼らの体験から最大限の企業に効果的なマネタイズを行おうとしているのですから。それでもなお、iPhoneもAndroidもLINEですら日本の大企業から出てこなかった所をみると、ユーザーとして利用していて不満な部分を少しずつ改善しようという目線はやっぱりなかったねという事が結論となっているわけです。

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