賃金

デジタル経済に変貌していく過程で実店舗の経済が縮小する

  • 31 October 2016
  • のぶやん
証券取引所

かつての証券取引所では、『立会人』というものがいて、証券売買を手で請け負っていました。この証券取引所の立会人は、1987年オリバー・ストーン監督の映画『ウォール街』にも登場します。その後に1999年には、日本の東証で株券売買立会場の閉場して、インターネットで注文を受け付けるようになっていきました。

それまで立会人として仕事して居た人は、その仕事を失って各証券会社などで営業マンとして働くなど、別の業務をこなす事になっていくのでした。今では、個人がインターネットで発注する事が一般的になっており、証券会社による手数料もかなり安くなっています。それに伴って『対面営業』『電話営業』などの証券会社の仕事も近い将来には、ほとんどなくなるとも言われています。


(東証のサイトより引用)

競争が激化する小売業界

実際にデジタル化していく産業というのは、沢山あります。特にオンラインで購入した方が圧倒的に安いとされているのが『家電』です。ヨドバシカメラでは、店舗を保有しながらオンライン販売に力を注ぎこんでいて、全品配送無料にするなど、アマゾンに対抗した措置をとって高い顧客満足度となっています。既に日本のオンライン小売業界の競争が激しくて、アマゾン、楽天、ヨドバシ、ヤフーなどと乱立状態になっています。オンライン販売の売り上げが少しずつ鈍化する中で、限られたパイを奪い合う戦国時代となっています。

ヨドバシカメラは、最初は家電だけを販売していたのですが、今では家電だけでなくて、食品・お菓子・日用品なども取り扱うようになって、取り扱いの幅を広げています。ヨドバシカメラがアマゾンより強いのは、実際に店舗を持っているので、『店舗で見てネットで買ってください』と言っているところです。ヨドバシカメラの店舗は、倉庫&展示場のような役割を果たしているのです。

2016年9月15日には、『ヨドバシエクストリーム』というものを開始して、都内であれば調味料・加工食品などを最短で2時間半で届けてくれるサービスを行っています。アマゾンの「プライムナウ(Prime Now)」に対抗したサービスとみられています。ヨドバシカメラの強みは、全国に店舗を展開して、既に商品を全国に配送するためのノウハウなどを持っているという事です。全てヨドバシカメラが発送するので、楽天のように店舗ごとにばらつきがないという安心感があります。

デジタル化に伴う実店舗の縮小

オンライン上で競争が激化していく事は、実体経済に大きな影響を及ぼす事になっていきます。インターネット上でアマゾンなどが提示する価格というのは、メーカーから大量買い付けで安く仕入れているので、仕入れ値に限りなく近い価格が付けられています。この為に実際の店舗で価格競争しようとしても、全く太刀打ちにならないのです。このような状況の中では、実店舗の人件費などを落とすしかないので、店長以外は、派遣社員・アルバイトというお店も少なくありません。

オンライン販売に対抗していく為には、実店舗のコストを削って安くしていく必要性があります。実際の店舗を縮小・廃止したり、人件費を削る動きは、小売業界に見られるようになってきました。オンライン販売が伸びている分だけ、実店舗の売り上げが減少しているからです。予備校なども高額なお金を出していく場所ではなくなっており、『オンライン学習で済まされる』場合が多くなっていて、将来的に大学の授業などもオンラインに置き換わる可能性が高いでしょう。

個人がデジタル化に対応できない可能性

企業であれば、資本の一部をデジタル化に傾けたり、デジタル化に大幅に舵を切って成功するようなヨドバシカメラの例もありますが、個人が急にデジタル化していく事は、容易な事ではありません。簡単に言ってしまえば、それまで大学の講師をして所得を得ていた人は、オンライン学習が始まると必要なくなってリストラされてしまうので、同じスキルで生きようと思ったら『限界まで低価格で採用される』もしくは『Youtuberとして学生を自分で集めて食っていく』ぐらいの選択肢しかないという事になってしまいます。

新聞記者のような職業は、新聞の購読者数が激減しているので、大幅に給与カットされていくなどして、年収400万円ほどまで給与が下落するとされています。また、インターネット上の新聞で今までほど稼ぐのは不可能と見られているので、新聞社が人員削減を進めるのは避けられないと見られています。実際、市民が配信する記事が沢山読まれていたりするなどして、記者が専門的な職業とは見られなくなってきています。経済規模がほとんど変化しないような日本のような社会において、こうしてオンライン経済が発展してくると、オフライン経済に従事している人は、どんどん賃金を失っていく事になる可能性があるでしょう。

専門家と言われた人の賃金も低下

会計の専門家と言われた『会計士』などの職業も、今では専門のソフトがあれば、素人でも簡単なものであれば、自分でできるようになってきています。資格などの多くが形骸化してしまって、資格をとっても企業で採用されなかったり、企業に採用されたとしても低賃金で思ったような収入が得られなかったりという事が起こってきています。最近では、弁護士・税理士など今まで高度と見られていた職業においても、仕事を見つけられないという事が起こってきています。

20代・30代まで労働力として企業の採用も活発に行われますが、40代以上の年齢になると、専門性がないと採用されません。今では、何らかの専門性があったとしても、高い賃金が得られるとは限らないという事です。例えば、『証券アナリスト』などがそれにあたります。専門性が高そうに見える職業ですが、実際に40代で失業するのは至難の業と言えるでしょう。

デジタル経済が国境を超える

ビットコインなどの仮想通貨は、今までの『国を基準とした通貨』と異なって、『国が管理・運営する通貨』ではなくなっています。この新しい形態の通貨は、既に普及し始めていて、実際の店舗で使えるというお店まで出てきました。ビットコインを国がコントロールできないという事は、国が保証する事もありませんが、『預金封鎖』などが起こらないという事を意味しています。

例えば、ウェブコンテンツを作った人に対してお金をあげる事は、現在では国内では簡単ですが海外の人に少額のお金をあげる事は簡単ではありません。それがビットコインを使えば、国境を越えて少額のお金のやり取りが可能になり、クレジットカードで高い手数料・為替手数料を支払わなくて良くなります。

ビットコインが値上がりするという事は、実際に『国単位で使われている通貨』の下落を意味する可能性があります。現在、人民元が下落すると、その分のお金がビットコインに流れてくると言われています。国が大量の借金を抱え込んでどうしようもなくなっている中で、グローバル企業が1つの国以上の価値・お金を持つようになっています。そうした中において、国だけがお金を保証するという事に無理が出てきており、グローバル企業がグローバルで通用する独自通貨を保有したいと考えるのでしょう。

ビットコインの価値というのは、グローバル企業などが『私のところで使えます』という事によって価値が生み出されていると考える事もできるでしょう。例えば、楽天が『私のところで楽天ポイントを使えます』と宣言して、実際に楽天ポイントを使った場合には、楽天がポイント分の現金を店舗に支払う事になります。ビットコインは、『私の所でビットコインが利用できます』としている店舗によって、その価値を担保されていると言い換える事も出来ます。 

Bitcoinの場合には、Expadiaなどが決済で使えるようにしているので、それで『使えるものに需要が生まれる』という事で、ビットコインの価値が生まれています。

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クラウドを制するものが世界を制する!時価総額の上位がクラウド企業ばかり!個人もネットで稼ぐ時代

  • 19 February 2014
  • のぶやん

現在、インターネットの巨大企業と言われる企業の時価総額は、30兆円-40兆円にまで拡大しており、クラウドを制するものが世界を制すると言っても過言でない状況になってきています。インターネット企業のアップル、グーグル、マイクロソフトなどの巨大企業は、既に1カ国の国家予算を凌ぐほどの規模のお金を動かせるだけの時価総額になっている訳です。

金融街
1位、Apple 446.8 アメリカ (約44兆円)
2位、Exxon Mobil 402.6 アメリカ (約40兆円)
3位、Google 394.5 アメリカ (約39兆円)
4位、Microsoft 314.1 アメリカ (約31兆円)
5位、Berkshire Hathaway 279.2 アメリカ (約27兆円)
28位、Toyota 181.8 (約18兆円)
48位、Tencent 127 (約12兆円)

個人もクラウドを使えるようになるべき

個人でも出来る限りクラウドを使って生産を生み出さなければ、これからはやっていけない時代となってきています。その理由としては、クラウドを使ったIT企業があまりに巨大化しすぎてしまったからにほかなりません。これほどITのグローバル企業が巨大化したのは、言うまでもなくパソコンが個人に浸透して、インターネットが個人に普及して、その上でスマートフォンが登場したからです。

日本企業は、パソコンを作る事には長けていて、インターネットも国内に普及させることには成功しました。問題はその後に起こってしまって、スマートフォンのハード分野、ソフト分野ともに乗り遅れてしまった事です。要因としては、高齢化した日本社会に合わせた製品を作ると、国際化に対応できなかったという事が大きかったと思います。最初から大きな市場で戦うアメリカと、国内、海外部門で開発がバラバラになる日本企業では太刀打ちにならなかったのです。

滅び行く日本の家電企業

以前であれば、家庭における「三種の仁義」と言われていたのは、洗濯機、冷蔵庫、テレビといわれてきました。これを手始めにして、日本でも家庭に多くの家電製品があって多くの電化製品を扱っている巨大企業が成長してきました。しかしながら、こうしたハードの時代が少しずつ終焉してきており、最近ではソフトがより重要な地位を占めるようになってきています。

時価総額1位のアップルであれば、iPhoneなどのハードも作っていますが、Googleやマイクロソフトの主力製品はソフトウェアです。中国の香港市場に上場されているテンセントについても、完全にソフトウェア企業です。日本では、ソフトバンクが時価総額10兆円を超えて躍進するなかで、ソニーやパナソニックなどの家電業界が苦しい状況に立たされています。

クラウドで出来る個人防衛

IT技術が進化する中において、それを使いこなせないでいるならば、単純労働者(パートタイムなど年収100万円)になる事は明らかです。日本の会社は、IT化に対応していく中で、多くの人員を必要としなくなってきています。ほとんどのものがインターネット上で取引される中において、社内に高い労働者を抱えておく必要が全くなくなってしまっているのです。社内には必要最小限の人員だけを置いて、必要があれば外部から調達(派遣と言ったりもする)すれば十分です。

米国の状況を見ると、日本がこれから陥る状況と言うのは明らか(ただし日本は米国より悲惨になる可能性は十分にありますけど)で、社内に残るスーパー社員になる(年収1000万超えて外車乗る)か、パートタイマーで年収100万円に甘んじるかという事です。もしくは、自分で能力があれば、別に会社の中で働かなくても自営業をしたり、会社を作るという方法もあるでしょう。インターネットを使って稼ぐ方法も沢山あり、インターネット上の資産というのは、今の所は誰でも簡単に持つ事ができるようになっています。インターネット上に記事を書いておけば、それはとりあえずは自分の資産として機能します。

先ず、最初の稼ぐ手段としてランサーズなどのライターから始めてみるのも良いでしょう。クラウドで稼ぐ練習をしたら、ライブドアブログなどに自分のブログを開設して、少しずつ記事を書きながら広告を掲載するなどして、インターネットで稼ぐ手法を少しずつ身に付けましょう。

大学を出てアルバイトする人材

日本でも、アメリカにおいても、大学を出てもまともな賃金をくれる就職先がなくてアルバイトする人も少なくありません。先進国においては、発展途上国など海外との競争もあって、大学を出た人材でも安く使いたいという需要があります。イトーヨーカドーなどでは、パートの割合が8割ほどに達しているということで、店舗にいる多くの人がパートで働いているという事になります。

クラウドを使いこなせない=ネット上に全く資産を持たない単純消費者というのは、今後は今よりも更に厳しい状況に置かれる事は間違いなさそうです。

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