日本銀行

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日本政府・日銀に半国有化されていく日本企業

  • 8 October 2016
  • のぶやん

先日、日銀が国債・株式を大量保有しているという記事を書きましたが、日銀は、既に国債・株式を大量買いしており、日本銀行が高値でいくらでも買い取ってくれるので、市中銀行が日銀に対して国債・株式を大量に売却しています。海外勢もこの機会に乗じて日本株を売りまくっていて、日銀・公的年金が日本企業の株式を買い支えている姿が明らかになってきました。

東京証券取引所が2016年10月6日発表した東京・名古屋2市場の投資家別株式売買状況によると、外国人投資家は1〜9月に6兆1870億円売り越した。これまではブラックマンデーが10月に起きるなど市場が不安定だった1987年の約4兆1000億円が最大の売り越し額だった。 (毎日新聞10/8)

日本銀行が『TOPIXに連動するETF』などを買う事で市場を支えるとしていますが、企業業績を無視した大量買い付けというのは、市場経済を歪める要因になる可能性が高いです。既に日本銀行がETF市場の60%ほども保有しているという事です。

日銀はヤマハ株を実質5.91%保有、保有率5.49%で筆頭株主のブラックロックを上回った。日銀以外の株主の比率が現状のままと仮定すれば、現時点で実質保有率が5.31%のセコムや4.55%のカシオは年内、来年3月までにはエーザイや電通、安川電機、ニチレイなどでも日銀が筆頭株主化する。17年末にファナックや京セラ、テルモ、ダイキン工業、TDK、住友不動産、オリンパス、アドバンテスト、三越伊勢丹ホールディングスも加わると、日経平均構成銘柄の4分の1を占め、18年末には82銘柄と全体の3分の1を上回る見込みだ。(ブルームバーグ8/14)


https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-08-14/OBMQHN6KLVRU01

日経平均株価225社の9割で日銀が大株主

日銀が日経平均株価225社の9割で上位10社の大株主になってしまっています。政府・日銀が上場企業に対して発言力を強めているという事でもあります。こんなに日銀が市場の企業株を購入して、出口をどうするのかという事になります。これほど大規模に日銀が保有してしまうと、日銀が売り始めると、株価が暴落する危険があります。



日本の国全体が少子高齢化していくなかで、収益性が高いものに投資していかなければならないのですが、最も収益性が高いとみるべきは『企業ではなくて個人の子供』です。子供に投資をしておけば、人口増加に伴って消費が活発化して経済が好循環になります。今のように『既存の業績が悪い企業まで全部救済する』ような手法というのは、企業の淘汰が進まなくなってしまうので、将来的にヤバい企業が生き残ってしまう事になります。旧ソ連の国有企業のような状況になってしまう訳です。

企業業績が良くなるところに投資するのは悪いとは思わないですが、ETFのように『何でもいいから株価を釣り上げる』という手法をとっていくのは、市場経済にとって好ましくありません。日銀から投資されたお金は、赤字補てんに充てられるか、従業員の給料に消えてしまう企業も多い事でしょう。本来は潰れている企業が潰れなかったり、従業員の給料が課題になってしまうなど、企業経営に甘さが出てしまう可能性があります。
 

お金をばら撒く効果がない

株式を保有している人にとって、株価が大きく上昇して利益を出すことが出来るので、今回の金融緩和は支持されるでしょう。銀行・証券会社、そして自分たちの株式を高値で買ってくれる上場企業の全てに支持される事でしょう。上場企業に入っていれば、この株価が高い事によって、従業員の『持ち株会社』の持ち株の高値に喜ぶかもしれませんし、ボーナスで少し分けて貰えるかもしれないので、それなりの支持が得られるでしょう。

金融緩和というのは、ヘリコプターマネーと同じでお金をばら撒く行為であって、株式を保有しない個人であったり、年金生活者、派遣社員労働者などに全く恩恵がない話なのです。本来、お金を得なければならない人たちにお金が行きわたらず、お金を持った人にお金をばら撒いても、景気が良くなるはずがありません。それどころか、ばら撒いたお金を後で帳尻を合わせる為に、増税などが行われて、税金で搾取が行われる可能性すらあるのです。

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日本銀行が国債の大量保有!株式市場でも買い支えているけど大丈夫か

  • 6 October 2016
  • のぶやん

日本銀行が債券市場で大暴れしている

日本銀行が毎年80兆円ペースで国債を買い入れると宣言している事によって、国債の金利水準が低下して、その分だけ価格が上がって銀行が利益を出す為に国債を手放す動きを強めています。日本の民間銀行の国債残高は、100兆円を割り込んでしまいました。市中銀行としては、国債を売却した資金をそのまま日本銀行の口座に眠らせておくという状況が起こってきています。

日銀の黒田東彦総裁が2013年4月に『異次元の金融緩和』を言い出してからは、日本銀行は、『金融緩和』の名目でどんどん国債を市場から買い集めていますが、国債は民間銀行から高値で日銀に売却されただけで、多くのお金が銀行に送り出されただけで終わっています。これが暗示するところは、『日銀が国債を直接引き受け』などをすると、国債の大暴落が起こるという事です。日銀が市場から国債を吸収できるので、日本の国債は現在の価格を保っていけると考えて良いでしょう。


https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-06-05/-100


日銀の国債保有残高の膨張

2007年と状況が違っているのは、国債を日銀が大量に保有しすぎているという点です。日銀の国債保有残高は、年間80兆円という巨額の買い入れを行った事で、2010年頃まで5%~10%の間で推移していたのに対して、今では35%に達しています。このような状況というのは、円高と無縁ではありません。日銀がいくらでも国債を買いますと表明しているので、海外の投資家も日本国債を安心して購入できるという訳です。

アメリカの国債保有残高と言えば、米国国の中央銀行にあたる米連邦準備理事会(FRB)の米国債保有残高は3月末時点で2.4兆ドル(270兆円程度)。残高全体に対する割合は「日銀の資金循環統計に近い枠組みで計算すると12.8%」という事です。日銀は、明らかに国債を買いすぎの水準であり、『国債バブル』を引き起こしている状況と言えるでしょう。


http://www.nikkei.com/article/DGXLASGF17H0N_X10C16A6EE8000/

日銀が株式市場にも積極的に投資

日銀が動いているのは債券市場だけではありません。日銀は、株式市場にも大きく投資を行っていて、225社の9割で上位10位の大株主になっています。


https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-04-24/O5VD5Q6KLVR401

お金を動かさないのが一番いい

今の日本の経済状況では、下手に経済活動を行ったら負けてしまうというのが見えています。簡単に言えば、不動産を購入しても入居者が誰もいないので、不動産を購入せずにお金をそのままにしておいた方がマシという状況です。

こういった状況を引き起こしているのは、単に少子高齢化だけの影響ではなくて、東京電力福島第一原発事故による汚染処理事業などの高額すぎる費用(8兆円と発表されているが、実際にそれ以上かかる可能性が高い)なども暗い影を落としています。人々の生活を豊かにするという事にお金をつぎ込むと、費用対効果が高い事になりますが、東京電力の原発事故処理というのは、原状復帰を目指すもので、国民生活を全く豊かにしないものになります。

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