自由報道協会

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自由報道協会とは、何だったんだろうか?活動が低下してきているジャーナリスト団体

  • 29 December 2016
  • のぶやん

自由報道協会とは、フリージャーナリストなどが中心となって、2011年1月27日に発足した団体であり、発足直後の2011年3月に福島原発事故が起こった事もあって活動が活発になりました。



自由報道協会のサイト
http://fpaj.jp/

数多くの記者会見を開催

自由報道教会は、2011年、2012年に年60回を超える記者会見(毎週のように開催)を開催していました。それが2013年頃から活動が鈍くなって、ほとんど記者会見が行われなくなりました。記者会見の実績を見ても、2011年から2012年にかけてのものがほとんどであり、2013年以降に活発な記者会見が行われた模様がありません。

また、2016年になると記者会見と言っても、都知事選挙の記者会見であったり、関係者である上杉隆氏の記者会見だけになってしまっています。このような状況になると、自由報道協会としては、既に記者会見を業務として行っておらず、何を行っているのか非常に分かりづらい団体となっています。

2011年から反原発の勢いがあった

2011年頃から2012年頃にかけては、反原発の勢いもあって、ジャーナリストに対する寄付なども集まりやすい状況にありました。また、フリージャーナリストなどは、自由報道協会という組織化する事で、集団としての力を期待したところもあるでしょう。しかし、実際に活動するとなると、個人のフリージャーナリストなどが個人で活動していくもので、そのサポートとなる事が出来ず、特にメリットがない会員などが脱会していく事になって、組織を維持できなくなっていました。

2013年3月末に自由報道協会が解体されるなどとメンバーがツイートしたり、2013年5月になると上杉隆氏が代表を辞任するなど混乱していました。上杉隆氏は、その後にNo Borderという会社を通じてYoutubeなどで情報発信を行っています。

公共性が薄い集団

結局のところは、自由報道協会の存在意義は、誰にとって良い物であったか?というものであったのだと思います。参加するジャーナリストにとって必要とされていたのか、市民にとって必要とされていたのかという事だと思います。参加するジャーナリストにとって必要な組織であれば、参加するジャーナリストがもっと協力的だったかもしれない。市民にとって必要とされているのであれば、支える市民が多くいた事でしょう。

誰にとって必要な組織であるか?というのは、非常に重要な問いかけであると思います。その情報を必要としている人が多くなければ、記者会見をいくら開催しても何の役にも立ちません。視聴者に取ってみると、いくらコストをかけたかとか、誰が放送しているかとかいう事は全く関係ない事です。その番組を視聴していて『面白い』と感じるか、『必要である』と感じるかどうかだけが重要です。

記者会見の度に赤字増加

記者会見をやる事には、会場費だけではなくて、講演者に対する『交通費(謝礼)』を支払う必要に迫られます。設立したばかりの団体がそうしたものをやればやるほど赤字になるのは当然で、実際に自由報道協会は、赤字が垂れ流し状態になっていた(山本一郎氏の苫米地英人さんへの2015年8月インタビュー)というのです。

記者会見が赤字の原因となっているのであれば、記者会見を辞めればいいだけの話で、本当に2013年からはほとんど記者会見が行われなくなっている訳ですけど、外から見ていると何をしているのか良く分からない団体になっていて、ジャーナリストの団体なのに、情報発信が足りなくないか?と思う訳です。情報発信が不足している団体に対して、寄付をしようという市民もいないでしょう。本当は市民がが望むものを届けるという事が本来の目的だったのに、いつの間にか『記者クラブに対抗する』という事が目的になっちゃっている。

報道する側が手間と費用をかけたから、それを視聴者が見るのではなくて、内容が面白ければYoutuberが1人で部屋で撮影した動画でも100万再生に達しています。根本的に問題になっているのは、そこだと思います。有名人にお金をかけて呼んでくる必要性があったのかということ。

出来る事をやればいい

記者クラブの問題点があったからと言って、それと同じ方法で対抗軸を作るのは無理があります。記者クラブと言うものは、新聞各社が加盟して政府から記者クラブ会館という利権の塊のような設備まで無償提供を受けていて、資金も豊富にあります。それに対して、資金力に乏しい自由報道協会が独自に記者会見を開催しまくるのでは、運営が長くもつはずもありません。

今では、テレビ、新聞以外にインターネットを通じて多くの市民が情報発信ができる時代になっています。このような時代において、ジャーナリストが組織立つことは、コスト面から言って効率が良い事ではありません。コスト面を考えると、できるだけコンパクトに組織運営をして、コンパクトに情報発信を進めていくのが一番なのです。そうした中で、市民の支持を得ながら少しずつ拡大していけば良かったのかなと思ったのでした。

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