中流階級

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アメリカの中産階級が貧困層に転落!日本にも押し寄せる貧困化

  • 31 December 2017
  • のぶやん

2016年大統領選挙では、トランプを当選させたのが『中産階級から転落した人たち』と言われています。アメリカにおいては、既に中流階級のかなりの割合が下級階層に転落しています。日本もアメリカの後を追って中産階級がジワジワと消滅しており、日本で大学に進学するのに『高額の学生ローン』を必要とする人が半数以上になっています。

アメリカが貧困化している状況は、堤未果氏が書いた著書ルポ貧困大国アメリカに詳しく書いてあります。

日米の中産階級が転落

アメリカでは、戦後の50年代~70年代頃まで大企業の工場などで働いていた中産階級は、70年代以降に日本の台頭でジワジワと収入を落としていきました。70年代~80年代にかけて、日本で団塊の世代が働き盛りで中流階級を形成して、家と子供も手に入れましたが、その中流階級がバブル崩壊後に中国に工場が移転するなどして失われて行く事になります。

工場が中国に移転しているので、日米の工場に働き口があったとしても、それは『激安の労働報酬』となっています。アメリカにおける工場労働者の賃金は安くて、国民健康保険も用意されていない最悪の状況です。更に仕事をリストラされるなどすれば、次の仕事を見つける事すら容易ではありません。

日本で派遣・アルバイトが急増

日本では、正社員それ自体の給料が下がっているだけではなくて、派遣社員・アルバイトが増加しています。派遣社員・アルバイトの多くが年収200万円以下なので、働いても貧困層に陥っている状況です。

日本国内においては、既に退職して働いていない高齢者が増加しているので、失業率が低い人員不足の状況にあります。人員が不足しているにも関わらず、働く側がグローバル市場に対応できるほど高度な能力を持ち合わせていない事もあって、労働者の手取りが増えるどころか負担増もあって減少しています。

日米が貧困者だらけの現実

アメリカ国民の約6人に1人が貧困状態となっており、現在アメリカの貧困者が5000万人を超えています。そして、その貧困が連鎖されており、アメリカの子供1600万人以上が貧困状態にあります。日本でも、貧困を抱える家庭の子供が増えて、子供食堂が開設される事になっています。

過去に中流階級を形成していた北部に多い白人家庭が貧困に陥ろうとしています。今、大学で学生ローンを使って進学したり、米国の下級兵士として日本に赴任してくる兵士の多くが白人層となっています。

中国本土の労働供給

中国の大学は、年間600万人もの卒業生を排出しており、1年で60万人以下である日本の10倍以上も大卒者を出しています。世界中の需要に応じるだけの豊富で若い、優秀な労働力が溢れており、中国が世界の工場としての地位を揺るぎないものにしています。更には、中国のホワイトカラーの人材も充実しており、中間所得層を形成しています。

アメリカ人、日本人の労働者は、意識する・しないに関わらず、中国の労働者と競争する事になっています。そして、賃金レベルが同じような賃金になると、生活費が高い先進国に住んでいるだけ苦しい状況になてつぃまいます。

かつての中流が貧困化

かつての中流階級と言えば、車、家、そして旅行にも行く余裕がありました。現在では、貧困化しているので、今月の支払いにも困るような状況になっており、もちろん貯蓄などほどんとありません。1人で無理して旅行に出かけてインスタグラムにアップロードする事はできますが、下手をすればクレジットカードのローンを抱えている人も沢山います。

日本で公務員の給料もジワジワ下げられており、地方自治体によって給与水準が厳しい場所も出てきています。例えば、炭鉱の町が廃れて破綻した北海道・夕張市では、市の職員の給与もカットされて、手取り17万円ほどになっています。中流階級崩壊という事は、榊原英資さんが2015年に書いた中流崩壊 日本のサラリーマンが下層化していくでも指摘されています

資格で最低賃金を稼げない

NHKスペシャル『アメリカの冬の時代』という特集では、資格を持ったアメリカ人・黒人の女性が『私は医療系の資格を持っています。資格を持っているのに稼げないなんて。今は廃品回収をしてしのいでいる』と嘆いています。1日8時間働いても最低賃金を下回ると言ってますが、仕事がないので仕方がないという事です。

先進国に必要なのは、非常に賃金が低いサービス産業を支える奴隷のような労働になっています。日本では、高齢者の介護サービスなどが非常に厳しい上に低賃金で問題になっています。かつての高卒・工場労働者というアメリカ人の一般的な中流家庭は、今では完全に貧困家庭の代名詞となっています。

再分配が必要な社会

アメリカでは、富の再分配を行うシステムが確立されておらず、国民健康保険すら未整備になっています。アメリカでは、貧困に陥った時に食べ物と交換できる『フードスタンプ』というものを提供され、州によって多少の支援金がありますが、貧困から脱却する事は日本以上に困難です。

日本でも、アメリカでも、今の貧困層がコツコツ働いたところで、貧困層から抜け出すことは非常に困難です。最低賃金でアルバイトをしても、その日暮らしでお金が貯まる事はありません。そして、何らかの事情で働けなくなった瞬間にホームレスになって食にも困る状態になってしまいます。高度な技能がなければ、最低賃金で働くしかありません。

アメリカでは、広い国土を利用してどんどん移民を受け入れてきて、先に移民で入った人が豊かになってきました。しかし、中国・メキシコに工場が移動するグローバル化によって国内の賃金は中国・メキシコに合わせて下落して、アメリカの工業が空白地域となってしまっています。

低所得者が税金を負担

アメリカでは、80年代以降に高所得者がほとんど税金を負担せず、低所得者が税金を負担するようなシステムに変わってきました。日本でも、アベノミクスと称した金融緩和で日銀が株価を釣り上げて富裕層の優遇政策を強めました。法人税が減税されて、消費税の増税など庶民・サラリーマンに対する増税が行われています。

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先進国の中流階級は、グローバル化に対応できずに完全に崩壊!サラリーマンの貧困化が加速する

  • 26 May 2017
  • のぶやん

今では、会社で働く人の半分以上が派遣社員で占められているという会社は珍しくなくなりました。

企業のグローバル化

企業は国境を超えてどんどんグローバル化して、為替の取引であったり、国際的な脱税行為でどんどんその資産を伸ばしました。もちろん、その企業に『最初から』投資を行っていた個人もグローバル化の並に乗ってぼろ儲けする事に成功したでしょう。一部の企業の株式を持っていた人が大金持ちになる一方で、多くの国民がグローバル化で自分たちの賃金が安くなるばかりで恩恵を得られませんでした。

グローバル化できない個人

企業がグローバル化する一方で、個人はグローバル化に取り残されました。個人の場合には、海外における直接投資は容易ではなくて、海外との取引も少ないでしょう。個人が出来る事は、生活防衛とか無駄な出費をしないぐらいの事であり、国内に対応するのも難しい現状でグロール化どころではないでしょう。

企業でもグローバル化に対応する事が難しい時代に、個人がグローバル化に対応するのは簡単な事ではありません。海外に渡航して、事業をしたりするのは容易ではありません。こういう時代になると、自分の考え方に沿って、自分で人生をコントロールする感覚を持たないと、会社に頼ったところで、会社がかつての日本企業のように正社員にして良いポジションと給料を与えてくれるなどという事はあり得ません。そもそも、アメリカでは使えない奴はすぐにクビを切られてしまうのですからね。

アジアの時代に日本企業は積極的にアジアのインフラ・不動産に投資して利益を出していますが、日本人で海外に個人もしくは零細企業として投資できる人はごく僅かです。ほとんどの人は、成長する見込みもない国内の不動産などを騙されて購入して思ったよりも儲からずに手放すなど、無駄に学習だけを増やしています。

中流暮らしに必要な高所得

先進国において税金などが上がっている事を考えると、中流階級のレベルの暮らしをしようと思ったら、上流階級とも言える高所得が必要になるでしょう。例えば、大学教授などの収入が手取りで800万円ほどであると京都大学の教授が明細表を公表して話題になりました。

一発逆転のチャンスはほとんどないアメリカですが、医療費、交通事故などで、一発破産の危機はあります。多額の現金を持ち合わせていないので、数十万円という大きな出費をクレジットカードで支出して、その支払いに困ってリボ払いなどを始めて、それで生活が行き詰っていく人が増えています。それでも、高所得なら何とかなるんですけど、収入が低ければ、返済はどうしようもありません。

サラリーマンが貧困化

日本でも『一億総中流』と言われた時代が過去のものになって、サラリーマン正社員が減少して、派遣社員・アルバイトだらけになっています。失業すると『失業保険』というものが出たりしますが、基本的に失業した場合には収入源を失う事になってしまいます。日本は、どんどんアメリカ化してきていますが、唯一の国民健康保険が維持されているので、国民健康保険を支払っていれば病気で破産する事はないでしょう。アメリカは、失業は日常的で、更に医療費用が高いので、中流の維持には上流階級並の所得が必要になります。

日本においては、転職せずに10年以上も会社に勤務する事が常識になっているので、堅実に働いてコツコツ貯蓄していれば、それなりにお金を貯める事ができます。その一方で、アメリカのように転職しようとした時に年齢が35歳以上だと、仕事を見つけるのはアメリカ以上に難しいとも言えるでしょう。

日本国内が成長しない危機

日本では、高齢者などに支払う年金の枯渇が確実視されていて、大幅な年金の削減が考えられています。企業は海外に進出して儲けるとして、資産を増やしていない個人が大きなダメージを受ける事になってしまいます。かつてのサラリーマンとして蓄財できるような生き方というのは、日本においても難しくなってきている事は確かです。非正規労働者、派遣社員、アルバイトなどが急増していて、正社員であったとしても、老後の資産を蓄えるのは至難の業となっています。

蓄財を行う為には、エリートサラリーマンになって稼ぎながら自分で投資を行ったりするか、自分でビジネスを行って成長していくしかないという事になるでしょう。国内が成長していない状況では、海外投資をいかに上手に行えるかという事が特にポイントになります。

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