無料の情報経済では、資本投入しても情報の質が上がらない!アクセスが集まるコンテンツが必要

  • 16 August 2017
  • のぶやん

日本のテレビ局は、特に中央のキー局と呼ばれるテレビ局が非常に大きな影響力を持っていましたが、インターネットが中心になってチャンネルが多様化する中で、テレビ局の存在意義というのは、毎年のように落ちてきています。脅威的な視聴率を出すような国民的な番組もなくなり、紅白歌合戦の視聴率も取れなくなってきています。

価値観が多様化する中で、『誰もが楽しめるような番組作り』というのは難しくなってきているのです。ある程度のターゲットを絞り込んで、コンテンツを大量に生成する人たちに勝てなくなってきています。以前と違ってコンテンツの質とか面白さを判断するのは、あくまで視聴者の側になってきていて、多種多様な視聴者の需要に応えるのは、コンテンツの大量生成が必要になってきているからです。

個人が無料の情報を発信する

資本を投入しても、アクセスを大量に集める面白いコンテンツが出来るとは限らなくなってきています。その一方で、面白い個人が大量に無料で情報を発信しています。そのような個人の情報の大量発信は、ほんとうに低コストで作成されています。

このような場所において、個人にチャンスを提供するのは誰か?と言えば、芸能事務所などではなくて、ユーチューブというプラットフォームを提供しているGoogle社です。言いかえれば、個人にチャンスを与えるのが全く日本から離れたサーバーを大量に確保している外国企業という事になってきている訳です。『チャンスは自分で作りだすもの』と思っている主に10代~30代の世代でユーチューバーが活躍しています。

資本の使い方が変化

Googleが行っている資本投下は、主にサーバーに対して行われていて、資本の使い方が時代に応じて変化している事が分かります。テレビ局などは、サーバーにお金をかけていないので、タレント事務所と癒着していますが、個人が自分の意思のみでチャンスを生み出す仕事をしていません。多くの場合は、芸能事務所であったり、メディアとのコネが必要になります。

NAVERまとめのコンテンツに対する収益分配にしても、サーバーを提供した上で個人にチャンスを生み出すという新しい形のメディアスタイルを取っています。これをプラットフォームという訳ですけど、日本の会社は、どうしても自社コンテンツにこだわるので、プラットフォーマ―になかなかなれません。プラットフォーマ―は難しさもありますが、自社でコンテンツを生成するのは、コスト面からどうしても非効率になってしまいます。

ユーチューバー激安コンテンツ

ユーチューバーは、基本的に1人で撮影を行って、編集・動画公開までを行います。その撮影コストは、ほぼ1人の人件費のみとなっていて、それで1本当たり100万View以上を集めるというのは、非常にコストが安く作られた番組を多くの人が視聴しているという事になります。

テレビの視聴率が1%で100万人見ると言われていますので、テレビ1%視聴率を3万円~10万円で取れるのです。簡単に言えば、10%の視聴率を30万~100万円で取れる事になり、このように動画で視聴率が取られると、高額の番組を制作するテレビのビジネスモデルが成立しないという事になります。

個人にかかる市場リスク

ユーチューバーなどで活躍する個人がいる一方で、個人にかかる市場リスクというのも非常に大きなものがあります。ユーチューバーは、人気の人であったとしても、トップ級にならない限り大きく稼ぐ事ができません。例えば、1回の動画で10~20万Viewをあげて、100万人のフォロワーを抱えているバイリンガールの吉田ちかさんの場合には、ユーチューブ広告からの推定収入が20万円~50万円ほどと予想できます。ユーチューブの広告収入で稼ぐのは、それだけ大変です。ユーチューブ動画の視聴数を材料にして、事務所に所属して広告主を付ける取り組みが行われています。

20代の時にタレント並に活躍できたユーチューバーであったとしても、それ以降に同じように活躍できるようになるとは限りません。

テレビのビジネスは崩壊してる

テレビのビジネスモデルが崩壊するのは、流せる情報が限られているからです。テレビのビジネスモデルでは、高コストでアクセスが取れないコンテンツを作るようになってきているのです。高いコストをかけたとしても、コンテンツが良質になるとは限らなくなっているという事です。

日本の10代~30代では、『テレビを全く見ない』という世代も沢山いて、そのような世代に対してテレビは全くアプローチの力を持ちません。むしろインターネットで話題のユーチューバーが力を持ったりしています。広告効果を持つタレントも、インスタ、ツィッターなどで影響力を持つ人に変化してきています。インスタ、ツィッターで話題にならないと、広告価値も低くなってしまいます。

戦艦と空母の関係に似ている

以前は大きい戦艦に大量の乗組員を抱えて、戦艦同士で打ち合うようなスタイルでした。しかし、航空機が登場してくると、強力な航空機を遠方から飛ばして、空母を撃退するというスタイルに変化していきました。戦艦の役割は大砲をぷっぱなす事でしたが、それは航空機に対して威力を発揮せず、航空機が戦艦を狙うと撃沈される事態が発生しました。航空機は、1人~2名で乗り込み戦艦をやっつけるので、非常に効率が良かったのです。

現在では、海上戦闘の主力は空母になっていて、戦闘の主力が航空機になっています。かつてのようなアウトレンジ先方などではなくて、敵を探索するレーダーと衛生を駆使したコンピューター満載の航空機で相手を特定して攻撃していきます。このような状況で、大型の戦艦を運用しても役に立たず、強力な個人を囲い込む必要が出てきます。

アクセス集まるコンテンツが必要

アクセスが集まるコンテンツが社会を動かすようになってきています。いくらサーバーを大量に設置したところで、アクセスが得られなければ単なるコスト高になってしまいます。いくら製作費をかけた番組を作ったところで、アクセスが集まらなければコスト高になります。アクセスを効率的に集めるには、人気のあるアクセスが取れる人を効率的に取り込む必要があります。

アベマTVのようにコンテンツを自社制作する場合には、アクセスが集まるアニメコンテンツなどは採算が良い状況になりますが、アクセスが集まらないコンテンツでは慢性的な赤字になるので、アクセスが集まらないコンテンツをどう扱うかという事が大きな課題になってきます。

成功するユーチューバーの例

大食いユーチューバーの木下さんは、既に10億PVほど保有しており、それなりにユーチューブで稼いでいる事が分かります。毎日18時にアップロードするという凄い作業をずっと続けてきた結果、チャンネル登録者が300万人に及んでいて、1回の動画あたりの視聴者が30万~100万Viewを記録するという『成功しているユーチューバー』という名前にふさわしい記録となっています。このユーチューブ視聴者数は、この2年ぐらいで動画環境がスマートフォンから整った事によって、特に伸びています。

木下さんは、もともとタレント志望だったという事ですが、今では毎日30万人以上が視聴する人気チャンネルとなっている事で『夢をかなえた』と言えるでしょう。この大食いの凄さは誰も真似できるものではなくて、人々が驚くほど食べるので、チャンネルの人気は不動のものと言えるでしょう。このようにテーマを絞り込んで動画を量産されると、テレビ局は彼女に太刀打ちできません。

人の真似事をしたようなコンテンツは、明らかに面白くありません。例えば、ユーチューバーが以前に盛んにやっていたガチャ企画とか、もう多くのユーザーが飽きるほど見ているので、今さらやっても受けません。『この人しかできねー』という企画であったり、桐崎栄二みたいにぶっ飛んでいたりするのがウケがいいです。

個人のコンテンツ分散

ユーチューバーのような個人が自己防衛する必要としては、ユーチューブと同時にFacebook、ツィッター、インスタグラムなど複数のチャンネルでアカウントを作成しておく事です。ツィッターなどである程度のアクセスを集めておけば、ユーチューブなどで稼げなくなったとしても、ツィッターなどで稼ぐ方法を作りだせる事があります。特に人気ユーチューバーになってくると、ツィッターのフォロワー数も100万単位になり、テレビに出演する人気芸能人なみに影響力が強くなります。

個人がこうして影響力を強める一方で、いかに影響力のある個人を囲い込めるかというのも課題になってきています。影響力のある個人に対してお金を配ったりする企業も増えてきています。C CHANNELのようにユーチューブに流すには短すぎるショート動画を大量に作成して特にFacebookで大きな影響力を持つ企業も出てきています。ただ、これもインスタグラムが動画を始めた中において、クッキング動画が人気の中心になるなど、形態が変化してきています。そしてこのクッキング動画は、今度はクックパッドを食い始めているという話もあります。

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