人材獲得競争に打ち勝つための「能力による契約の差別化」

新卒1年目だからと言って、賃金が安くて、賃金が上がりづらい状況にあると、ほとんどの新卒は辞めてしまいます。

企業にとって使えないおじさん世代が辞めることは全く問題ありませんが、若い世代が辞めるほどダメージが大きくなります。活性化した企業で能力が高い30代が多く居るのに対して、沈んでいく企業には、新卒と50代以上ばかりがいるという状況になります。そして、新卒が次々と辞めていく一方でおじさんたちがしがみついているという構図があります。

優秀な人材が集まらない企業

優秀な人材が集まらない企業は、優秀な人材の待遇を改善する必要があります。企業が欲しい人材を明確にして、その人材にあった募集をピンポイントでかけることが大切になります。例えば、英語が抜群にできる人材、中国語が抜群にできる人材などのピンポイントで募集をかける企業も増えています。

企業が欲しいと思うような人材を集めることで、他の企業との差別化を明確に行うことができるようになります。従業員に選ばれない企業は、お客様からも選ばれることがありません。従業員が何故、その企業を選んでいるかというところをしっかりと聞き取ることが大切になります。他の企業と差別化した人材募集の戦略と、他の従業員と差別化した人材の戦略を組み立てることができれば、良い人材もきちんと応募してくれるようになるでしょう。

魅力が薄い日本企業

日本企業が魅力が薄い理由は非常に簡単で、50代以上のバブル世代は決して優秀とは言えないにも関わらず、命令をする幹部社員などになっているからです。年功序列で幹部社員になっている多くの人材は、今の時代に会わないスタイルになってきています。

社員としての働き方

社員として働くということは、1つの企業に対するコミットメントが高すぎることを意味しています。最近では、正社員の代わりとして、契約社員などをあてたりして、正社員の代替にしようとしています。1つの部署において、正社員が1人で、後は派遣社員、アルバイトというスタイルも珍しくなくなってきています。正社員を時給制の契約社員にすることで、ボーナスなどを大幅にカットしながら、現場の責任を押し付けることができるようになっています。

売るものがないと時間を売る

自分の能力値が低いと、それだけ時給が低くなるので、長時間労働で時間を売っていくことになります。能力を磨いていかない人というのは、高い給料を維持するために長時間労働、残業などが常態化していくことになります。能力値を磨いていく人と言うのは、余った時間を利用して勉強をしたりするので、さらに能力値が高くなり格差が拡大するようになっていきます。

低賃金労働者になればなるほど、賃金の低さを長時間労働でカバーしようとします。その結果、低賃金労働者は、進んで残業をするようになったり、場合によっては夜勤などの過酷労働をして稼ごうとするようになります。高賃金の労働者は、もともとの賃金が高いので、無理に残業をしようとはしません。むしろ、余暇を作って勉強したりしようとする傾向があります。

生産性を上げるための企業努力

生産性を上げるためには、社員の評価を変化させなくてはいけません。ダラダラと残業をする社員を評価するのではなくて、お客様の評価など、本来の仕事ができる社員を評価する必要があります。お客様の要望というのも、時代に応じて変化しているものなので、そのような変化に対応していける企業であり続けるには、質の良い社員を採用していく必要があるのです。

能力が低い人に対しては、安い給料で長時間の労働を強いることが企業にとってのメリットがあるのです。一方で、能力が高い人に対しては、給料を高く支払うことで、残業なども減らしてパフォーマンスを高めて貰う必要があります。企業が生産性を高めようとすると、このように二極化していくことが分かります。アルバイトは、賃金が高くなってきたと言えど、求められているのは「安い給料で長時間働くこと」であり、正社員に求められているのは、高いパフォーマンスであることが分かります。

優秀な人に高給で残業させない

優秀な人にきちんと項待遇（高給）を支払って、残業を全くさせないような働き方が理想になります。優秀な人は、短時間で稼げるということを重視している場合がほとんどなので、その働き方で満足させることができます。企業は、給与面を大幅に引き上げてでも、優秀な人を採用して、残業をさせないことで月額賃金を抑制することが大切です。その方が、企業にとっても、働く人の健康を考えても良いことなのです。