DeNAのWELQ問題でクラウドワークスの業績にも悪影響がありそう

  • 9 December 2016
  • のぶやん

DeNAのWELQ問題で、クラウドワークスの業績に悪影響が出る可能性が出てきました。DeNAがWELQなどのサイト外注先として使っていたのは、ランサーズであったり、クラウドワークスなど、新興のクラウドソーシング企業だったからです。こうした企業では、DeNA以外にも大手からの受注があったとみられていますが、質を無視して量産していた手法に使われていた『リライト』という手法が著作権違反だという批判などもあって、クラウドワークスに発注する大手は減少するとみられています。

クラウドワークスの株価

http://crowdsourcing.yahoo.co.jp/

赤字のクラウドワークス

クラウドワークスの事業は、2016年9月決算資料によると、ワーカーが100万人を突破しています。2015年から見ると、一気に2倍に急増した事になり、クラウドワークスの知名度が高まっている事が見て取れます。一方で、稼げている人がほんどいないという現実があり、登録者数が増えていても、実際に稼げている人がほとんどいない(20万円超えた人が111人)事が公開された資料からも分かります。

クラウドワークスは、大量に記事発注を請け負ったとしても、その単価が激安であれば、仲介手数料で受け取れる金額などごくわずかなものです。例えば、DeNAが2000円で100記事の記事を発注したとしても、その金額は20万円にしかなりません。クラウドワークスがたとえ、そこから20%のマージンを受け取ったとしても4万円なのです。4万円×30日=120万円(月額)であり、DeNAレベルの大量発注でこのレベルしか稼げないようなモデルであれば、クラウドワークスが赤字なのも理解できます。

自分だったらクラウドワークスを通じてブラック企業と一緒に働きたくないなーと思うので、私が外注先としても選ぶことはありません。こういう会社とはお付き合いをしないのが一番なんです。優秀なライターが登録して活躍しているようにはとても見えないのです。

誰も幸福にしないビジネス

クラウドワークスで誰でも出来る仕事が『ライター業務』です。大学生などでもライター業務ならできて、お小遣い稼ぎを出来るというのがクラウドワークスになっています。しかし、実態としてはDeNAのWELQが示したように非常に低品質の記事を発展途上国も顔負けの1文字0.5円(2000文字で1000円)などという金額で請け負う事になるので、完成した記事が良質な記事とは程遠いものになっていました。このような状況では、クラウドワーカーとして働く人たちは、不幸な状況に置かれていたと言えるでしょう。

クラウドワークスは、低賃金労働者を大量に働かせるビジネスモデルでは、赤字を解消する事が厳しいと考えられます。100万人の登録者がいるにも関わらず赤字というのは相当に深刻です。その理由としては、回る金額が非常に安い案件ばかりになっているので、クラウドワークス自体の取り分が非常に少なくなっている為です。激安ライターから更に手数料を搾り取ろうとしても、搾り取れるお金なんて知れてます。

搾取ビジネスに慣れ過ぎたDeNA

DeNAは、ゲーム事業の収益率が以上に高かった事もあって、世の中のビジネスの収益率を安易に見積もり過ぎていたのかもしれません。実際には、世の中にゲーム事業ほどに儲かる事業は皆無でしょう。ゲーム事業が不振になったからと言って、同じように収益があがる事業を求めるというのは、それ自体が無理があったのでした。もっと足元を良く見て、じっくりと成長分野を自社で育てていこうとする気持ちがDeNAにかけていたのでしょう。

通話アプリCommなどにしても、成功していたLINE社などを真似していただけで、自分たちの事業として事業に対する愛着などありませんでした。その愛着がないと、事業に対する態度がユーザーに伝わってしまって、それで事業が失敗する羽目になるのだと考えられます。

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