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インターネットの事業でラーメン代を稼ぐ重要性とは?「Ramen Profitable」低成長時代の起業

  • 7 October 2016
  • のぶやん

ラーメン代を稼ぐという事が起業家に良く言われる事ですけど、簡単に言ってしまえば、『自分で全く稼げもしないのに人から安易にカネを出して貰おうとするな』という事でしょう。自分でラーメン代を稼いで事業者としてやっていれば、それが立派な事だと評価してカネを出してくれる人もいるかもしれないし、カネを稼ぐ大変さも分かるという事です。他人からポンと出して貰ったカネでは、人が本当のカネの価値を分かるとは思えません。

数億円の投資を受けて”経営”しているベンチャー企業の経営者は、もしかしたラーメン代を稼ぐ為に一生懸命になっているベンチャー企業を笑うかもしれない。『私たちが目指しているのは、そんな零細事業ではない』と思うかもしれない。しかしながら、世の中の大きな事業をしようとしているベンチャー企業の9割以上が途中で資金がショートして倒産している現実があるという事も忘れてはいけないでしょう。

『自分らしくありたくて、自己実現と社会貢献を実現する為に起業する』という起業家は多いのですが、自分らしくある為には、カネが必要です。自営業と言ってもいろいろありますけど、人に雇わずに自分で事業家としてやっていくのであれば、カネを何とかできるぐらいの稼ぎは軽くあげておきたいものですね。

インターネット事業で稼ぐ難しさ

私が事業をやっていると、インターネットで稼ぎたいという社長から相談を受けることがあります。それまで書籍の販売などをやってきたけれども、今度はインターネットに事業を拡大して稼ぎたいという相談です。インターネットに詳しくない人がインターネットの事業をやろうとするのは無理です。20代前半の大卒で、新卒で勉強させて下さいという事であれば、インターネットに詳しくないけど稼ぎたいと言い始めるのもいいでしょうけど、オッサンがそういう事を言ってるようでは誰も相手にしてくれません。

あのインターネット広告を支配しているとされるYoutubeでさえ、Youtube事業で黒字がほとんど出ないで10年も投資を続けている状況です。また、ツィッター社に至っては、上場してから全く黒字になっておらず、慢性的な赤字に苦しんでいる状況です。このように米国で上場している大手企業でさえ利益が出せないのに、零細ベンチャー企業が簡単に利益を出せるはずがありません。インターネットで稼ぐというのは難しい事です。

稼いでいる人は、私は稼いでます!なんて言わないですし、こっそりとやっているものです。

コストを極限まで削減する

ベンチャー企業にとって何よりも重要なのは、コストを極限まで削減するという事でしょう。特に投資を全く受けてない段階において、自分の人件費を含めてコストをかけるという事は、そのまま会社のコストを増大させて倒産してしまいます。自分の人件費を削減するという点では、例えば『家賃が激安のところに住む』という事であったり、交通費を削減する為に事務所の近くに住むなど、徹底したコストカットが必要になるでしょう。

日本のベンチャー企業の予算は、最初から大きく出来るほど投資してくれる会社がほとんどありません。最初のうちは、チーム数人で開始する場合がほとんどですが、最初からコスト面を大幅にカットして、投資家から投資して貰った全てのお金を事業を成長させることにつぎ込めるように準備しておけるようにするのが良いでしょう。何故、ベンチャー企業の人に若い人が多いかと言えば、その方が生活コストが安いからと言うそれだけでしょう。

最悪なのは、事業の途中で資金がショートして、そのまま会社を解散させるという事で、この場合には投資家が投資した金額の多くが返ってきませんし、それまで社長だ・副社長だと顔だけ威張ってた零細ベンチャー企業の経営者というのは、どこかに就職して借金を返さないと新しい事業資金を貯めないと再起不能になってしまいます。

ベンチャー企業を黒字にすると強い

黒字企業というのは、投資家を必要としなかったり、自分たちのサービスで収益があげられているという安心感があります。ベンチャー企業というのは、少人数で食べていける分(ラーメン代)ほどを持っていれば、2年~3年ぐらい生き延びることができるので、その間にサービスをいくつか試してみて成功していくという事ができるのです。

特に今まで事業をあまりやってこなかった『経験が浅い人』が揃うような場合には、サービスを立ち上げてからマーケティングするまでに時間がかかりすぎると、それだけ余分なコストを使ってしまって、サービス開始からすぐにヒットしていかないと、資金がショートしてしまう事も良くあります。収益源を特に持っていないベンチャー企業の資金がショートしてしまうと、ベンチャー企業が新しいサービス開発どころではなくなってしまいます。

ブログで稼ぐとか無理ですよ

零細ベンチャー企業の中には、稼ぐ事業が見当たらないから『とりあえずブログで稼ぐ』とか訳わからない事を言っている人がいますが、それはスマートフォンが主力になる前の2010年ぐらいまでだったら何とかなったかもしれませんけど、最近は広告もクリックされることが少ないですし、ブログでベンチャー企業のラーメン代を稼ぐというのは、非常に難しいと思います。不可能ではないと思いますが、記事を書いてアフィリエイトなどを展開するよりは、自動化の技術を磨いた方が良いでしょう。それは、自身がプログラマーであるべきという事です。

アフィリエイトをやるのであれば、記事を大量に生成して儲けるのは、競争が激しい2chまとめブログであったり、NAVERまとめでお小遣いを稼ぐぐらいのものです。本格的に儲けたいと思えば、APIを使った自動化でアフィリエイトを行うなど、極力作業を自動化&高度化していく事が求められます。

全く稼げないベンチャー企業

何も稼いだ実績がないのにアイディアに投資してくれる投資家というのは確かに存在しています。1年間の資金として3000万円ぐらい投資してくれる人もいれば、1億円~3億円の調達ができる企業もあります。多くの企業がサービスを半年ぐらいで完成させてマーケティングに入るのですが、思うようにうまくいかずに事業資金を食い減らして、1年ぐらいたつと別の事業を模索し始めたりするのです。

お金が無くなってから『お金が稼げそうな別事業』を模索するぐらいであれば、最初から短期的にお金が稼げそうな別事業を並行して取り組んで、サービスの注力と一緒に仕上げていくというのがリスク分散にも良い方法だと思います。

ラーメン代が稼げれば事業拡大できる

ラーメン代でうまく会社の事業資金が手に入ったり、もしくは少しずつ稼ぎながら時間に余裕が出来たりしてくると、今度は別の事業を試したりすることが出来るようになります。会社にとって『稼げる』ということが最も重要であり、その収入源がどのようなものであるかというのは、関係ありません。例えば、ミクシィだって、最初はSNSとして稼いでいたカネで上場を果たして、今ではアプリの会社に変貌しています。

Youtuberが一生懸命になって生活費を稼いでいますけど、彼らはYoutubeの編集・配信を毎日のようにやっていますが、自分が好きな時間にやれるというメリットがあります。お昼に出かけたりする事もできますし、別の事業に時間を使ったりするという普通のサラリーマンにはできないメリットがあります。このようにYoutuberのような稼ぎ方であれば、更に事業として拡大していく事もできるでしょう。

低成長の時代だからラーメン代が大事

日本のように『低成長の時代』というのは、簡単に物が売れないですし、物価が上昇しないのでお金を稼ぐのが非常に大変です。お金を稼ぐのが大変だからこそ、生活できるぐらいのお金を稼ぐことが強みになっていくのです。日本の経済成長の時代であれば、お金の回転が非常に良い状態になっているので、お金を借りて(リスクを背負って)事業を行ったとしても、成功したらすぐに返済する事ができます。

これと逆に経済成長がないデフレおいては、お金を稼ぐこと自体が難しくなっているので、『何もしない方がいい』という判断をする人が多いのです。何か事業を始めることによってお金を投資したとしても、それが更にお金を生み出すという事が少ないという事です。『ラーメン代を稼ぐ』という事は、こうした状況を良く理解する事で大切になります。お金を自分たちで稼いで、そして使うという良い練習になるのです。この練習と言うのは、必ず事業を大きくする時に役立つ事でしょう。

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スタートアップの起業家を訪ねて歩いて思ったこと。利益が出ない企業に存在価値はない

  • 20 January 2016
  • のぶやん

ちょうど1年ほど前になるのですが、定期でやっていた仕事がスポンサーの関係で終了して、時間を作る事ができたので、それまで気になっていたスタートアップ起業家の何人かに会ってみる事にしました。だいたいベンチャー企業の社長であったり、個人事業主というのは、いろいろな場所で会う事があって、まだ会っていない人には、こちらから連絡をすれば、気軽に応じてくれる人も多いです。

ベンチャー企業といっても、様々な形態があって、1人で開始するものから複数人で開始するものまであったり、資金も10万から始めるものから、最初から億単位を調達するものまで様々です。いずれにしても、何よりも重要になってくるのは、『数年後にどうやって利益を出す企業に育て上げるか』という事であり、利益が出ない企業が存在する価値はないと言えるでしょう。

全く稼いでない企業もかなりの数

日本で会社を作るのは非常に簡単であり、20万円ほどのお金を用意して、所定の手続きを行えば誰でも簡単に『起業』する事ができます。しかしながら、1人で事業として起こしても、利益が全くでないような人はかなりの数になると考えられます。1人で事業を行う場合には、フリーランスである程度の事業が成立している人が「法人成り」となる以外は難しいのではないかと思います。

1人ではなくて複数の人数で始めるのがベンチャー企業としては普通かもしれませんが、その場合に最初に創業者として関与する人の生活を支えるだけの資本が必要になったり、最初の資本割合を調整したりする事が必要になります。1年目に収益が出るかどうか分からない時点では、役員報酬をゼロにするなどの節約が求められるので、役員が非常に厳しい生活をしている場合も多いです。

キャッシュを稼ぎ出す事の重要性

近年になってキャッシュフロー計算書がますます重視されるようになってきたのは、企業においてキャッシュというものが何よりも重要になります。このことは、多くの企業が認識している事であり、「優秀な人材」=キャッシュを稼げる人材というようになっています。しかし、そこには落とし穴も存在していて、ブランド価値を食い物にしてキャッシュを稼いでいる可能性を考慮する必要があります。例えば、マクドナルドなどは、他社よりも安い商品を出して広告で「上手に見せる事によって」客を集めていましたが、食べ物としては粗悪なものを提供していました。他社が顧客のニーズに答えようとして健康志向などを強めていくと、あっという間に負け組になってしまいました。

良最近のベンチャーの中には、出資者から集めた出資金をとにかく使いまくって、2-3年で使い果たしてベンチャー企業をたたむか、他の企業から出資金を得るというベンチャー企業もあります。私の知り合いの経営していた会社は、3000万円ほどを個人の出資者から調達して、六本木にオフィスを構えていましたが、1年ほどで3000万円を使い果たしました。お金の使いみちのほとんどは、人件費、オフィス代であり、サービスがお金をほとんど生み出さなければ、3000万円なんてあっという間になくなって、継続的な出資者が現れなければ、事業継続自体が困難になります。

利益をどのように生み出すかが大事

どんな経済活動を行っていたとしても、経済活動では利益を生み出さなければ、事業を継続していくことができません。シャープが1兆円もの負債を抱えていますが、既に主力事業の液晶事業での敗北は明らかになっていて、利益を生み出す事業を全く保有しておらず、1兆円もの負債を返せる見込みはありません。シャープの金利だけで、年間数百億円に及んでおり、現在のシャープの状態で金利を返す事すらほとんど不可能なのです。

シャープには、連結で5万人ほどの従業員がいて、雇用を維持するだけでも相当の固定費がかかってきます。現在の利益が出ていないシャープは、利益が出ないにも関わらず、借金から従業員にお金を支払っているような状況が続いています。既に液晶におけるシャープの強みは完全に失われており、『シャープでなければいけない』という会社・個人ともに存在していません。液晶パネルなどの価格が大幅に下落して、1つの商品を売っても利益が数千円という商品が珍しくなくなってきています。大量に販売しないと従業員の維持すら難しいのです。

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