登山で道に迷ってしまったらどうすればいいのか。遭難事故を防ぐ方法を考える
登山で道に迷うという事を想定して綿密な準備をしておくと、自然について考える機会となり、サバイバル能力が高まります。
登山前に装備を確認すること
低い山だからという事で、あまりに軽装備でくるような人と一緒に登山をしない方が良いでしょう。道に迷って一泊するなどとなれば、お世話をしなくてはいけなくなってしまうからです。高尾山ぐらいの場所であれば、舗装された場所を上がるだけなのでスポーツの格好をしていれば良いという事になりますが、大山ぐらいからは、山の中に1泊しても問題ないような準備だけは整えておくのが良いでしょう。具体的には、ツェルト、そしてシュラフ、100円ショップで買う断熱材などが有効です。
装備の量が多ければ多いほど、精神的に余裕が生まれて、道に迷った時にも動揺せずに状況を判断する事が出来るようになります。必ず持っていくものとして重要なのは、野営できる装備、そして地図、コンパス。どんなに低い山に登る時でも、夜になって1泊ぐらい山の中で過ごせないと大変な惨事につながりかねません。山の中で1泊ぐらいする装備は、どんな時にもほしいものです。
登る時間が遅いと危険
登り始める時間帯が遅いと、下ってきたら夜中になってしまって危険という事が良くあります。私も、降りてきた途中で薄暗くなって、山を下りきったら真っ暗だったという事もありました。山の暗さというのは凄まじいもので、あたり一面が何も見えなくなり、本当に『行動不能』になります。目が慣れたぐらいで行動できないほどに真っ暗なのです。明かりがないと何もできない状況になり、朝まで行動不能の状況に陥ります。
登山に行く時には、できる限り朝早くの行動が遭難を防ぐ最大のキーポイントになります。特に都心から山に登る時には、早めに待ち合わせするという事が大事になるでしょう。電車を1本逃して30分~1時間ずつ遅れる事が命取りになる事もあります。頂上には、必ず昼前に到着している事が大切です。
水分・食料がないと終わる
山の中で迷った時には、水分・食料がないと体力の消耗がかなり激しくなります。特に水分がないと脱水症状になりやすくなって、動き回る事すらできなくなります。また、水分があれば、その場でじっとして救助を待つという事もできますが、水分がなければ、そんな事すらできなくなってしまいます。
脱水症状になると、思考力・判断力が鈍って、冷静な判断が出来なくなってしまいます。脱水症状になると、幻覚・錯覚・錯乱などを起こすようになるとされています。そうすると、山の中で更に迷い込むような事になりかねません。登山の時には、十分すぎるほどに更に重ねて水分を持っていくようにすべきでしょう。荷物が水分の分だけ重くなってしまうのは、仕方がありません。
日程に余裕を持って登ること
例えば、『明日、仕事がある』と考えただけで、山の中に一泊しづらくなってしまって、行動に焦りが見られてしまいます。明日も休みとあれば、『山の中で1泊してから考えよう』という事もできるでしょうが、焦った人というのは、むやみに動き回る事になります。むやみに動き回らない為には、
天候の変化に敏感になる
山登りで最も危険な事は、雨が降ってくる事だそうです。雨が降ってくると、体温が奪われて判断力が鈍りますし、疲れも出やすくなって判断力を大幅に低下させます。また、川が増水してくるので、沢の近くが危険地帯となり、鉄砲水などで流されたらおしまいです。
下る事はとにかく危険
道に迷ったり、迷いそうになったら、時間が押していたとしても『上る方が安全』とされています。登山は、上にいくほど面積が小さくなるので、元の道にでる可能性が高くなるからです。山頂などに出たらラッキーで、誰か人がくるまで待って、そこで人が来たら一緒に下山すれば良いだけです。とにかく沢などに入り込んだりすると、もう完全に遭難モードになってしまいます。沢を伝っていけばどこかに出られる・・・などという事はなくて、山奥に入り込んでヤバい方にいってしまう事が非常に多いのです。
雨が降ったらすぐに川から離れる
玄倉川水難事故を見て分かりますが、特に川の砂利などの周囲は、雨の日に流れが急激に早くなります。キャンプに絶好の位置だからと夜中にキャンプを張ると、鉄砲水で流される可能性が強まってしまいます。キャンプを取る場所は、水から少しでも離れて土砂崩れが少ない場所が良いでしょう。