日本においてサービスの質を向上させていかないとお金を得られなくなる競争時代!既得権益とのギャップが拡大

  • 25 June 2017
  • のぶやん

日本においては、デフレの中でサービスの過当競争が行われるようになっていて、とにかく過剰サービスぐらいサービスをしないとお金が得られなくなってきています。例えば、不動産は日本全国で空室だらけであり、はっきり言ってタダでも住んでほしいほど余っているのです。もちろん、タダで住ませる訳にはいかないので、地方では2万円以下の価格が付いているアパートも沢山あります。

コンビニ店員に求められるサービス

コンビニの店員が百貨店のサービスを求められているという事は、今ではギャグではなくなりました。コンビニ業界では、ますます競争が激化していて、店員の態度などにも気を使うコンビニが増えてきました。このような中で、労働力のアルバイトに求められる要求がどんどん高くなってきている実態があります。ほとんどのアルバイトは、このような要求に応えられずに辞めてしまうので、コンビニでは人材不足が起こっています。

コンビニの店員は、時給制で時給800円ぐらいという固定給でインセンティブが皆無な中で、求められるサービスが高いので能力値が高い人ほど働きたがりません。結果として、コンビニの店員は『誰でもいいから採用するしかない』という状況に陥っていて、あまり日本語が得意でない外国人が採用されたりしています。

要求されるサービスの質が高まる

インターネット上でも要求されるサービスの質は毎年のように高まっています。例えば、以前であれば、ツィッターに文字を書くだけで共有されましたが、最近では画像を入れないと共有されなくなってきています。話題にして貰うには、良い画像を入れて分かりやすい解説が求められているのです。それだけ手間がかかるようになってきているので、工夫する必要がでてきています。

多くの人が気軽に始める事ができるツィッターもインスタグラムと同じようにアカウント自体の価値を求められる時代になってきていて、アカウント価値を考えながら投稿をしていく事がフォロワーを増やしたり、共有数を増やす上で重要になってきています。

年金支給などが変わらない

行政サービスであったり、年金支給額などは、ほとんど変更がされない中において、市場原理の競争激化で市場でお金を稼ぐ事はどんどん大変になってきています。既得権益で受け取れるお金と、市場で稼ぎだせるお金のギャップがますます拡大しているのが今日の日本であると言えるでしょう。

最終的には、常に競争して変化している人が勝ち残るというのが世の常なので、このギャップに耐えられなくなった時に既得権益が崩壊していくという事になります。例えば、インターネットではアクセスの熾烈な奪い合いが起こっていて、画像から動画にシフトしてきていますが、動画がインターネット上で大量に流れる事によって、電波の既得権益を持っているテレビの視聴時間を食い始めています。

先進国で起こっている問題

既得権益にしがみついているのは、日本だけではありません。スペインが2013年に若者の失業率が60%に達して大問題になっていました。若者が失業する背景としては、スペインは非正規雇用は簡単に首を切られるので、非正規のような労働形態で働いたとしても、いらなくなったらすぐに辞めさせられるという事があります。一方で、正規労働者は手厚く保護されているので、高給の正規労働者が辞める事はありません。この結果、2007年に8%まで低下していた失業率は、2013年に20%台まで跳ね上がったわけです。若年失業率は50%~60%とも言われます。

このような失業率が高い状況において、仕事のない若者が自宅でニートとして過ごす姿も当たり前のように見られていて、両親の年金にぶら下がる形になっています。EU各国でも財政危機と言われる国では、若者の失業率がどこでも高い状況になっています。日本でもそうした姿が見られますが、日本においては、移民受け入れを行っていないので、『若者が安い労働力としての受け皿』としての機能を果たしていて、失業率は高くありません。

技術が衰退した国が悲惨

スペインは、ドイツのように強い技術を持った製造業がある訳ではなくて、観光業など不安定な産業が中心となっています。スペインでは有期雇用と無期雇用の契約があり、無期雇用の場合に辞める人はいないので既得権益化していくのです。こうした労働形態の結果として、国際競争力を持った新規の産業が発展しないという事があります。国内で競争を行わないで、無期雇用のような形態で過保護を行っていった結果として、国内企業が国際競争力を完全に失ってしまう事態となったのです。そして、国際競争力をいちど失うと、どうしようもない状況になってしまいます。

それでも2007年までは、移民を受け入れる人口増加によって、住宅バブルを生み出す事に成功していましたが、それがリーマンショックによってオワリました。住宅バブルで生み出された価値は、人口増加に依存するところが大きくて、その人口の急増を長続きさせるだけの国力はスペインにはなかったのです。実際には、技術力を磨いて他の人に勝って貰う製品を作るなど、コツコツと製造業を行った国が勝ち残る事は明らかでしょう。

日本では、重工業・製造業が残っている訳ですけど、日本も技術力の低下は否定できない事実になってきています。工場が海外移転しているだけではなくて、東芝、シャープのように失敗して潰れる企業も出てきました。既得権益で国から仕事を受注するようなやり方の中で、自分たちでも気が付かないうちに国際競争力が明らかに弱くなっていたのです。

勝ち組と負け組の国家

日本においても、勝ち組家庭、負け組家庭と家庭の格差が拡大していますが、教育水準、考え方、所得など様々な面において、『価値組』と『負け組』の差がでてきています。スペインのように若者の失業率が高い状況になってくると、国自体に活力が失われる事になり、今後の国の将来も暗いものになってしまいます。ただし、日本のように就職したからといって、若者が海外で移民労働者が行うような単純作業でブラックに使い捨てられるのも問題です。

いずれの先進国においても、能力が高い訳でもない社員が高給を貰っていて、サービスの質は高くない、国際競争力がどんどん落ちるという状況は深刻さを増しています。この状況は、今後は更に加速して、あと10年~20年で先進国での負け組が更に負けていく状況が出来上がるでしょう。こうした状況を打破するには、既得権益を持った労働者を排除するしかないのですが、実際には企業が倒産するまでそれは行わません。

イタリアでは、モンテ・パスキという歴史ある銀行が破綻の危機にさらされています。

技術力を持った人材の厚さ

国に技術力を持った人材が多ければ多いほど、国家は発展する余地があると言えるでしょう。そうした意味では、単純消費者ばかりになる日本は、お先真っ暗と言わざるえません。インターネットで新しい産業を生み出すのとは違って、今の既存のテレビ局などは、高給取りの社員がいるだけで、技術力は高くありません。こうした非効率な企業に社会のリソースが回っているようだと、スペインのようになる日は遠くないでしょう。

技術からお金をいかに生み出していくかを考えるには、技術を磨く労働力が必要です。アルバイトのような単純作業の人は沢山いても、技術力に結び付く事はありません。日本においては、団塊の世代が引退して技術関与しなくなって、新卒は使いものにならず、主力となる30~50代の世代も技術力を磨いている人は多くありません。このような現実を見ると、国際社会の中で競争して日本人が勝つ要素が見当たらなくなってしまいます。

ヤバい企業は東芝だけじゃない

技術力をほとんど失ってヤバい状況に陥っている企業は東芝だけではありません。次にヤバそうな筆頭格としてあげられるのが三菱重工です。大型客船の造船に大失敗して数千億円単位の大損失を出した上、次に開発しようとしているMRJは何度も遅れて話にもなりません。MRJに関しては、既に延期を何度も繰り返して、完成しても販売ができるかどうか微妙になってきています。完成したとしても、性能などが他社に及ばなければ、赤字で販売する事になるからです。

三菱重工の子会社としてMRJを開発している三菱航空機は、既に債務超過の状態にあって、三菱重工本体のお金を食い始めている状態です。三菱重工自体は、原発事業が完全に手詰まりで、会社を維持する為に新しい事業を行う必要性に迫られていますが、今まで技術開発を行わずに国から得た事業で楽して稼いできた企業が簡単に技術開発を行えるはずがありません。

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