VPSは競争が激しくて儲からない?KDDIのCLOUD COREのVPS終了に見るVPS市場の難しさ

  • 15 November 2017
  • のぶやん
Cloudcore

格安でRoot権限を利用する事ができるVPSサーバーというのが2010年頃からジワジワで初めて、最近では提供するホスティング会社も急増しています。最近では、時間課金、スケールアップに対応した柔軟なプランも出るようになってきており、自由度が非常に高くなってきています。

ウェブサービスは、10年前と比べると、画像・動画が主流のリッチコンテンツ化していて、このような状況に対応するには、レンタルサーバーでは何もできないので、VPSのような自由度の高い物を使わないと競争にならない状況になっています。レンタルサーバーは、ユーザーのアクセスに耐えうる程度に作られているので、バックアップなどの保守・運用をほとんど想定していない為に各社が提供するバックアッププランなどを使うと料金が高額化します。

VPSを使うユーザーは限られる

VPSというのは、レンタルサーバーに比較すると技術的な難易度が上がる(少なくとも少しコマンドを触れないといけない)ので、利用しているのは主に法人と技術者という事になります。一部で、個人でも熱心に運用する人が使ったりしていますが、レンタルサーバーほど一般化しているとは言い難いでしょう。目的にもよりますが、Wordpressでブログをやる程度であれば、1ヶ月500円~1000円の格安レンタルサーバ-でも十分であり、多くの人がそのぐらいの事をしたいと思っているのです。

レンタルサーバーであれば、1週間ぐらい簡単に学習すればWordpressを触る事ができるようになりますが、VPSを利用するとなると、トラブルを起こさずに運用するには、やはり1ヶ月以上の学習時間を作った方が良いでしょう。技術力と言うのは、アクセス量が増えてくれば増えてくるほど、課題になってきます。

国際化が遅れている日本

日本のサーバー会社は、ほとんどの会社が長く続かないかもしれません。それは、世界の巨大サーバー会社に対して、あまりに規模が小さすぎるからです。さくらのVPSは、日本でも珍しい大型の『石狩データセンター』を建設して、サーバー事業を拡大させていますが、ほとんどが日本国内の顧客で、海外企業まで広がりがありません。日本人の顧客は、住所確認がしやすいので、管理・運営しやすいので都合が良いのです。

アメリカであれば、アメリカ人が3億人ほどいる以外に、カナダ人がいて、更に世界中から英語を使うユーザー利用者がいる事がサービスの最初から想定されている場合がほとんどです。この為に5億人以上のマーケットを抱えていける事になります。また、EU圏も5億人のマーケットを抱えているので、大型化したデータセンターの需要もあり、多くの会社が競い合っています。日本は、規模の面で大きく遅れています。

競争が激化しているVPSの市場

2000年頃からは、個人がレンタルサーバーを借りてブログを運用するのが行われてきました。しかし、今ではライブドアブログなどが『容量無制限で無料』などというサービスを展開するようになってきており、個人がわざわざレンタルサーバーを借りてウェブサイトを運用する必要性が薄れてきています。また、個人が小規模のアフィリエイトサイトなどを運用しようとしても、アクセスを集めるのが難しくて、サーバー費用を回収するのも難しい状況になってきています。どのサイトの情報量も増えて、大規模サービス化してきているからです。

レンタルサーバー各社では、このような状況合わせて、顧客の奪い合いと価格競争も激しくなってきています。簡単に割引きやスケールアップを行う訳にはいかないので、多くのサーバー会社が長期プランを設定して、長期契約を安くするような設定にしています。サーバー会社からすると、将来にメモリ価格などが安くなる事を見こして、その分だけ長期割引をするのですが、利益が出づらい構造になってきているのです。

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国内サーバーを選ぶ理由少ない

国内でVPSサーバーを選ぶ理由は、以前にも増して少なくなってきており、国内外の技術者の中には、海外サーバーを選ぶ人も増えています。それでも、日本企業の多くが国内サーバーを選ぶ理由としては、万一の時に連絡が付かないと困るというような事情からです。しかし、ファーストサーバーのようにデーターを完全に消去してから連絡を付けたところで、多少の保証を受けられる程度で全く意味がありません。結局、サーバー会社を信頼せず、大事なデーターは別サーバーにきっちりと保管しておくというのは、どこにデーターがあっても変わりありません。

もう1つ企業にとって重要なことは、サーバーに保管しておく個人情報の管理です。海外サーバーに個人情報を置いておくと、確かに盗まれる可能性が出てきます。ユーザーログイン程度の事であれば、どこのサーバーを使っても問題ありませんが、ショッピングカートなどであれば、やはり国内サーバーの方が安心・安全と考えてしまいます。

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