ウェブ上のサイト規制をどう考えるか
NAVERまとめについて語ったり、Mixiについて語ったり、偉そうに語ってきたが、いざ自分がサービスを幾つも運営するとなると似たような問題に直面してしまうものです。
どういう形でウェブコンテンツの公開が良くて、どういう形で公開が駄目だというのを明確に決めるのが難しいのです。
サイトの規制はどうあるべきか
しばらく以前にNAVERまとめがアカウント停止の発表をした時にメールしてみると、丁寧な答えで帰ってきました。その時にNAVERまとめ側が言っていたのが「あまり規制しすぎるとコンテンツ作成者がやる気を損なう」という事でした。運営側としては、コンテンツ投稿者のヤル気を出して投稿者の期待感に応えるだけではなくて、閲覧ユーザー側の期待にも同時に答えなくてはいけません。
また、例えばNAVERまとめでインセンティブ目的のまとめばかりをアップロードしている投稿者を見れば、別の投稿者はやる気をなくす事でしょう。「ああ、私もインセンティブ目的で投稿しようかな」という気になるかもしれないのを避けなければいけません。
つまり、真面目に頑張ったユーザーを同列に扱わず、真面目なユーザーをいかに「目立たせるか」という事が非常に重要になります。
(1)コンテンツ投稿者(作成者)の期待にいかに応じるか
(2)閲覧ユーザーの期待にいかに応じるか
(3)一部のコンテンツ投稿者の行為を認めてしまうと、別のコンテンツ投稿者のやる気を殺ぐ行為とならないか
2ちゃんねるやニコニコ動画の人気は、自由度が非常に高い事にあります。この自由度が高い事を活かして、若者が様々な表現を行う場としています。ただし、その2ちゃんねるでも、他人を脅迫したという事で逮捕者が出てしまったり、ニコニコ動画でもお札を刷った所を撮影して逮捕者が出てしまったりしています。ニコニコ動画では、裸になったという事でアカウント停止されるという事まで発生しています。自由となると、そのルールをどこに設定するのかは、サイト運営者の悩ましいところであるはずです。
悪意あるユーザーをどうするか
・最初にシステムで出来る限りの努力をする
システムでかなりの段階にまで迫る技術力が必要になり、これがサイト運営側にかなりの負担になります。例えば、最初に登録ユーザーがスパマーの可能性を排除しなければいけません。また、スパムのような投稿を繰り返すユーザーをどうするか?という問題の為に投稿にLimitを付ける必要が出てくるかもしれない。一般コンテンツとアダルトコンテンツをカテゴリ分けしなければいけないかもしれないなど、非常に細かい所で次々とやらなければいけない作業がふってきます。
ただし、規制を作れば作るほど、投稿者の側が「その文面」に恐縮して、何も活動を行いたがらなくなる可能性があります。特にインターネットの場合には、無報酬、もしくは少ない報酬で動く場合も多く、投稿者がすぐに離れていってしまう可能性も十分に考慮しなければいけないからです。
エースを作り出す重要性
・悪いのを追い出すという発想ではなくて「良いのを目立たせる」発想
以前もこのサイトで書いたように、沢山の投稿を行ってくれる(或いはニコニコ動画で沢山の放送を行ってくれる)サイトのエースを沢山作り出せば、それだけで自然にサイトのPVというものを稼ぎ出す事ができるでしょう。何度もサイトに訪問してくれて、長期のスパンで活躍できるユーザーを沢山抱え込む事がサイト運営にとって非常に重要になってきます。そういったユーザーは、サイトにとって「協力者」であり、パートナーサイトと言う事ができるでしょう。
サイトに積極的に協力して、YoutubeやNAVERまとめで大きなお金を得るユーザーもいれば、ニコニコ動画で放送して、有名人になって芸能界に入ろうとする人もいるかもしれません。また、Pixivでイラストを描く行為を繰り返す事によって、もしかしたら本当の絵描きになれるかもしれないという可能性もあるわけです。インターネットで活躍して、そこから幅を広げて自分の職業に繋げるという例は増えてきました。
・ユーザーと一緒に成長する
以前のインターネットのビジネスモデルは、完全にユーザーから搾取するというモデルが主流でした。しかし、ユーザー側が賢くなるにつれて、そうしたビジネスモデルが通用しづらくなってきています。ユーザー側は、自分に優位なサービスに簡単に乗り換えるようになってきたからです。サービスの乗換えを防ぐ為には、ユーザーと一緒にいかに成長できるかのモデルを作っていく必要があるでしょう。
表現とは何なのか?
ピカソの絵を見て、それがいかに洗練された絵だとはいえ、一般的に理解するのは難しいでしょう。しかし、ピカソが高値で取引されるのは、彼が画家としてその絵に込めた魂があるからです。マクドナルドみたいにマニュアル化した時点において、表現は表現ではなくなるという事でしょう。規制を敷く事は混乱を避けるという意味では非常に良いことで、ユーザーも時にそれを求めています。しかし、それが新しい表現を阻害していく事になると、多様性が失われてしまって、サービスの発展を阻害する可能性もあります。
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