楽天市場がヤフー出店手数料の無料化で窮地!インターネット店舗型ビジネスの限界

  • 23 September 2016
  • のぶやん

楽天市場の検索がヤバいとか、楽天市場で買いたいものが探しづらいとかいう事は、以前から言われてきましたが、全く改善されていません。購入者として楽天市場を見ると、アマゾンと違って見劣りする事が多いです。特に頻繁に購入するようなものであったり、同じような商品が沢山あるような場合には、アマゾンで購入した方が圧倒的に安く、早く到着する事が多くて、楽天で探す事は、単に手間のかかる作業になってしまっています。

楽天市場が購入者を向いていない

こうしたユーザーインターフェイスを改善しない理由を考えると、楽天市場が『購入者側に集中しきれていない』と言う実態が見えてきます。楽天にとって本当にお客様と思っているのは、楽天市場で購入する人ではなくて、何も売れなくてもお金を支払ってくれる出店者なのでしょう。楽天市場は、電話などで楽天市場に出店する店舗に対してのサポートを熱心に行っていますが、購入者に対してのサポートを熱心に行わずに『店舗任せ』にしてしまっています。こうした態度が楽天市場の購入者離れを引き起こしているのでしょう。

楽天市場は店舗に対して手厚いサポートを行う事によって、楽天市場を充実させてきたという事は事実でしょう。出店店舗から料金を徴収する代わりに店舗に対して電話サポートなどを行って満足度を高めて、出典店舗数を伸ばしてきました。しかし、出店店舗が本当に望んでいた事は、手厚いサポートではなくて、店舗を維持するだけでかかってしまう高い手数料を取らないという事だったようです。そのシステムをヤフーショッピングが実現していく事になります。

Yahooの出店手数料が無料化

Yahoo!Japanは、2013年10月に『Yahooショッピングの出店手数料を完全に無料にする』という誰もが驚くような発表を行いました。Yahoo!ショッピングのストア出店料(初期費用2万1000円、月額費用2万5000円)と売り上げロイヤルティ(売り上げの1.7~6.0%)を完全に無料化。ヤフオク!の出店料(月額1万8900円)も無料にしたのです。

通常では、会社が今までビジネスモデルで多額の収益を計上してきたビジネスを手放すという事はあり得ないのですが、Yahoo!Japanを運営するソフトバンクのビジネスモデルが広告中心であったり、モバイル中心になって、Yahoo!ショッピングを無料化するという決断をしています。ヤフーに気軽に出店できるので、出店数が凄まじい勢いで増えました。ビジネスというのは、皆で分かち合うからうまくいくのだろうと思わせてくれます。楽天が店舗からお金を徴収して、楽天だけ儲けるビジネスモデルでは、店舗側が悲鳴を上げしまって、その悲鳴が購入者の不満に繋がってしまうのです。



このヤフーの出品手数料の無料化によって、店舗数が一気に急増しました。誰でも簡単に店舗を持てるという事があって、中小企業から、大企業まで、様々な企業から出店が殺到したのです。


15年9月末までに、Yahoo!ショッピングの出店数は34万店。楽天市場は4.2万店。実に8倍の大差がついたのです。出店店舗を持っているという事は、販売している商品が多彩であるという事で、購入者から見ても魅力的です。

Yahoo!ショッピングの手数料が無料化した事に伴って、楽天市場がそれまで続けてきた高い成長(年15%)という成長はストップして、15年頃に楽天市場の成長が横ばいになってしまいました。楽天トラベルの方は、流通量が20%も伸びているそうなのですが、Yahoo!ショッピングの方が全く伸びないでいることで、楽天がかなり危機感を持っていると報じられています。
 

三木谷さんがビジネスに飽きたのかも

楽天の代表をしている三木谷さんは、IT企業などで構成される新経済連盟代表理事であったり、政治に対する提言などを行うようになってきており、経営に集中しきれていないのではないかとも言われています。楽天のグローバル化を推進しようとして、KOBOを買収したり、様々な国にショッピングモールの出店をしたりしましたが、どれもうまくいっていません。楽天でうまくいったのは、楽天トラベルと、国内の楽天カードなどの金融事業でした。

楽天市場は、モバイルの分野でも大幅に遅れを取っています。楽天市場がモバイルアプリを推進したにも関わらず、ダウンロード数が伸びておらず、モバイルはアマゾンに完敗している状況です。

 

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