日本のホテル暴落による会員制ホテルの限界

  • 10 May 2021
  • のぶやん

会員制ホテルの限界

会員制ホテルは、基本的には「シェアホテル」と言えるようなものです。先ずは、高額な会員権が必要になり、その価格は、数百万円~数千万円にもなります。そして、維持・管理費に年間のコストがかかる上、宿泊する時にもお金がかかるシステムになっています。しかし、会員制ホテルの会員しか宿泊できないという安心感はあるわけです。

日本国内に都心を中心にビジネスホテルが乱立する中で、それにつられる形でシティホテル、高級ホテルの価格も値崩れを起こしています。会員制ホテルに宿泊するよりも、高級ホテルに宿泊した方が満足度が高くなっているのです。わざわざ会員制ホテルを選ぶ意味が薄れてきています。

建物の維持コストが膨大

田舎に巨大な離宮を建てていると、その維持・管理コストが膨大になります。さらに、サービス提供するとなると、利益をあげるのが難しいレベルになってきます。リゾートマンションですら維持するのに膨大なコストがかかるのに、それにサービスが付いたホテルとなると、もう桁違いのコストがかかってくることになります。

建物の維持コストを捻出するためには、会員に負担を求めるか、サービスを削るしかない状況になってしまいます。多くの会員制ホテルでは、建物を維持するために、会員に対するサービスをどんどん簡素化したり、提供するサービスの質を下げたりしています。

会員制ホテルエクシブの場合

会員制ホテルエクシブの場合には、会員は1室を14人で共有することになります。1室14人で共有するので、365÷14日=年間26泊できるということになります。エクシブが儲け続けるためには、とにかくホテルを新設して、その会員権をどんどん販売していく必要があります。しかしながら、日本国内の富裕層がそんなにいるのか?という話です。もうこんなビジネスは限界点まできているのです。

会員制エクシブは、外国人の観光客需要を取り込むようなスタイルではありません。国内の富裕層・企業をターゲットにしているので、外国人はターゲットになりません。そもそも日本にいない外国人がエクシブ会員権を買う意味はないからです。

社員からアルバイトへ

現在、ほとんどの会員制ホテルにおいて、社員を配置せずに、大量のアルバイトを起用するようになっています。酷い所になると、土日だけとか、GWの連休期間中だけ雇用するという雇用形態をとっています。このように短期のリゾバイターは、社員と違って大学生などが多くてまともな接客を期待する方が無理があるのです。

お金があまってどうしようもない人が税金対策も含めて「贅沢な空間」を味わうために利用するのが会員制ホテルですが、提供される従業員のサービスがそのレベルに見合わないものになっているのは間違いありません。また、アルバイトであれば、客の顔を覚えたりすることもほとんどありえません。

ビジネスホテルの接客レベル

ビジネスホテルで人気になっているスーパーホテルなどは、接客の質がどんどん上昇してきています。現在、東京・大阪などのホテルで朝食付き3000円プランがでてきていますが、スーパーホテルは5000円ぐらいの価格設定になっています。それでも人気になっているのは、従業員サービスの質が高いこと、きちんと食べられる朝食を提供していることです。

ビジネスホテルでこのレベルでサービスを提供されると、多くのシティホテルは顧客を奪われることになるでしょう。きちんとした朝食が食べられるのであれば、3000円のホテルを選ばず、スーパーホテルで5000円支払う気になります。

暴落する高級ホテル

日本の高級ホテルと言われるホテルでは、1泊2万円ぐらいで宿泊することができます。1人1万円ぐらいなので、庶民でも背伸びすれば手が届く価格になります。会員制ホテルは、この高級ホテルのサービスに打ち勝たなくては、その意味を失ってしまうことになります。外資系ラグジュアリーホテルは、1泊3万円からですが、半数が外国人宿泊客なのでコロナの影響を受けてかなり休業しています。

スーパーホテルの効率化

スーパーホテルは、徹底した効率化で知られています。先ず、ルームキーが存在しておらず、領収書に書かれた暗証番号を入力することで開錠するようになっています。これで「ルームキーを無くす心配」はなくなります。脚にとってルームキーがなくて便利なことはあっても、不便なことは特に何もありません。

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