大江戸温泉物語でさえ経営が厳しい状況

  • 16 January 2022
  • のぶやん

大江戸温泉物語は、2015年に米投資ファンドのベインキャピタルが500億円で株式を前の経営陣から取得していましたが、全株式を米投資ファンドのローン・スターグループに売却することがニュースになっています。コロナで集客状況が落ち込んでいたということえす。

大江戸温泉物語のビジネスモデル

大江戸温泉物語は、地方の大型旅館・ホテルを買収して、そこを改修、集客することを得意としてきました。地方の温泉ホテルを再生する手法として注目を集めてきました。温泉旅館などに団体客が来なくなり、個人客が増える中で、かつての大きなホテル・旅館はビジネスモデルを転換できずに次々と破綻しました。その一部を買い取って再生させるビジネスモデルなのです。

大江戸温泉物語は、2003年にお台場から始まりましたが、今では全国に展開を広げて、仙台に近い鳴子温泉から熊本まで、全国に39店舗も展開しています。

個人顧客本位の優れたサービス

今の個人顧客が求める安くてそこそこのサービスを受けられるだけではなくて、食事で満足させたり、ゲームセンターがあったり、温泉、卓球ができるなど、大型施設で完結させることができます。1万円ぐらいの格安で利用しやすい料金で、朝食・夕食・温泉・レジャーを提供しているのです。往復バスが利用できる場合もあり、交通費も安く済ますことができたりします。

温泉地の救世主となるはずが

大江戸温泉物語であったり、湯快リゾートなどのビジネスモデルは、老朽化した旅館・ホテルを安値で買収して、それを再生させて客を呼び込むものでした。どんな形であれ、地元からは「廃墟になるよりありがたい」と歓迎されました。競合となる旅館・ホテルでさえ、廃墟が増えるより、隣の旅館・ホテルでも儲かってくれた方が将来的にいいと考えて歓迎されたのです。

巨大設備はすぐに破綻する

バブル期に建てられた巨大ホテルは、維持コストが半端ではないので、すぐに負債が膨れ上がって、負債10~20億円にも達すると金融機関がそれ以上の融資を断るようになります。金融機関から融資を断られるようになると、もう選択肢は多くなくなり、多くのホテル・旅館が経営破たんを選択することになっていきます。

固定客ファンを持たないホテルは破綻する

結婚式、冠婚葬祭などは、いちどに落とすお金の金額は大きいですが、それ1回きりです。そうではなくて、地域の人が温泉に来てくれたり、カフェに来たり、お祝い事の都度レストランに足を運んでくれるのは意外と回数が増えればお金になるものなのです。そういったリピーターを軽視するホテルは、お客が付かなくなってしまいます。

顧客をオンラインでばかり募集しようとすれば、オンラインの中抜き、旅行会社に搾取されて儲からないのです。そうではなくて、地域の繋がりを大事にして、地域の人たちにサービス券を配って歩くなど、きちんと地元との付き合いを大切にできないと、地元の人から評判が悪くなってしまいます。そうなると、もう利用されなくなってしまいます。

クルーズ客船と客の奪い合い

日本では、クルーズ客船が流行していませんが、今後は欧米と同じようにクルーズ客船が日本国内でも流行していく可能性があります。そうなると、大江戸温泉物語の大衆・ファミリーを狙ったビジネスモデルは、クルーズ客船と競合する可能性があるのです。客の奪い合いになることは間違いないでしょう。しかも、クルーズ船は移動が可能です。

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