普通の賢者を目指せば、らっとレースから抜け出せない
皆が言うような「普通」に生きていたのでは、ラットレースで競争することになってしまいます。
誰もが正しい戦略で勝てない
戦略的に相手に勝とうと思うのであれば、誰もが正しいとされる戦略を取らないことが大切になります。一見すると正しい戦略は、長期的に見るとマイナスになっていく可能性があるからです。
資本の力で真似される
ベンチャー企業が戦略的に誰もが考えるような戦略をとったとしても、それは「資本の力」に真似をされることになるので、長期的には駆逐されることになります。つまり、合理的な戦略というのは、お金で簡単に駆逐されてしまうのです。真似が難しいサービスを考える必要があります。
例えば、お金を使えば、膨大なコンテンツを出すことができます。それで初期に大幅にアクセスを伸ばすことができたとしても、多くの人が動画で参入してくると、アクセスを伸ばすことが難しくなっていきます。アクセスが伸ばせないということは、広告収益も限定されるので、動画コンテンツに時間をかけることが難しくなっていきます。
大塚家具の戦略
大塚家具は、会員制を取り入れて、特に「結婚後のまとめ買い」などで成長しながら、富裕層からも信頼を得てきました。しかし、大塚家具の娘さん(大塚久美子氏)は優秀だったがために、「不用意な接客は、客足を遠のかせる」と判断して、積極的な接客を控えることで、一時的な業績は好転したかのように見えました。しかし、親子の確執が強まって、内部抗争の果てに業績は低迷していきます。
この背景にあったことを単純に表現すれば、競合他社に真似た時代に合ったスタイルにしたいと思った大塚久美子社長と、自社のスタイルを貫き通そうとした創業者の争いでした。結局、この騒動によって「内部から優秀な人材が去ってしまう」という事態を招いてしまい社員の離職で会社は弱体化してしまいました。目に見えない資産(社員)を軽視しすぎました。
お客様の支持を得る
世の中の全ての客の支持を得ようとすることは、合理的ではありますが、それを目指すことは「大手と競合すること」になります。ベンチャー企業は、大手企業が資本で入らない「隙間」を目指す必要があります。競争相手と違いがなければ、商品の価格差で大手に勝てる訳がなくなってしまいます。簡単に真似できないことを考えなくてはいけないということです。
正当性の罠にはまる
誰もが正当だと主張することは、社会一般的に正しいという「思いこみ」がなされていることであり、本当に正しいとは限りません。商品の製造でも、誰もが思いつくような商品を作ったところで、その商品には「競合他社」が溢れているので、勝ち目がないわけです。他の戦略を構築していく必要が出てきます。
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