賃金労働者は、ロボットと競争して勝てるか

  • 23 December 2012
  • WEB情報屋

ポール・クルーグマン(Paul Robin Krugman)のお話の一部が現代ビジネスのサイトに出ていて、最近の労働賃金格差の動きを2つの点であらわしています。

(1)テクノロジーが労働者不利に
(2)独占が急速に増大した

テクノロジーが労働者を振りにした事については、電子部品などがロボットによって生産されるようになり、中国のように大量の人材を雇用する必要が薄れて、高度ロボットとインフラを使える米国内に回帰する動きが広がっているという事です。コンピューターが高度に発達すると、人間のやってきた仕事をコンピューターに置き換えた方が生産性が高くなるという事です。ロボットに休憩は必要ないですし、ロボットは同じ作業を嫌がりもせずに引き受けます。

ロボット


ソーシャルゲームのロボット

ソーシャルゲームは、基本的には同じ作業を繰り返す事になります。例えば、草が枯れそうになったら水をあげたり、肥料をあげたりして「育てる」の農業ゲームなどは、コンピュータにも可能です。そこで、プログラムのBOTを使って農業ゲームをやらせれば、自分が画面の前にいなくても、簡単に育成する事が可能になります。普通に農業ゲームに取り組んでいる人と、BOTを使ってゲームをやっている人では、差がでてしまうのです。

BOTを使ってゲームをしている人は、他の人が一生懸命になってプレーしている時間には、別の事をしていればいいのです。そして、たまに画面を確認して、BOTが育てたキャラクターや野菜などを見て、優越感を感じていれば良いでしょう。しかも、BOTを使って育成ゲームをするのは、単に楽しいだけではなくて、そこで貯めたポイントを販売できる事もわかっています。BOTを使って自動的に金儲けして、それを売りさばく事をやって儲けているのは、ソーシャルゲーム提供する会社自身です。

・画面の中で人は負ける

このソーシャルゲームを見てわかる様に、多くの分野でコンピューターとまともに競争すると、人間は負けるのです。同じことが金融業界でも言えて、画面に向かって人間が一生懸命にクリックしたとしても、プログラミングされたコンピュータに勝てないという事が起こってきます。これで、金融業界はプログラマーを雇う事で多くの人からお金を集める事ができます。

プログラムに対抗するには?

現代社会においては、どのような形にせよ、いかに自分がプログラム(テクノロジー)を使って、他の人を動かすかというのが非常に重要になってきます。ロボットのみを使って生産したものを人に売りつけたり、データーで出来た素材などを数多くの人に売りつける事ができれば、それだけ利益は高くなるという事ができます。

売り物が単に自分の労働力という人は、まともにロボットやコンピューターと対戦する事を強いられる事になって、搾取される側に立つことは明らかです。それは、BOTに対抗してゲームを行うような事をしているのと一緒です。コンピュータに対して戦うには、こちらもコンピューター(テクノロジー)を使っていくしかありません。それができなければ、どんどん所得を落としてしまうのです。

・人を動かす側に立つ方法

(1)コンピューターで多くの人に対応して動かす
(2)人を動かす側に立つ上級職になる

(1)については、コンピューターを駆使した会社などが優位に立っている事は明らかで、最近の会社で、最も利益率が高いのはソーシャルゲーム会社である事も明らかです。(2)については、人間が世襲、学歴社会などを自ら規定しており、それらの条件が十分に整っていなければ、上級職に簡単になるのは無理でしょう。

先進国は安い賃金とプログラムの板ばさみ

以前であれば、海外の「安い賃金」だけに集中した経済を考えていれば良かったのです。しかし、最近になってプログラム(テクノロジー)の発達を考える必要が出てくるようになりました。テクノロジーの発展に伴って、国内の労働力は、海外の賃金以上にテクノロジーとの競争という面を持つようになってきたという事です。



・現在の労働者に求められる事

現在の労働者に求められている事は、このプログラムに対抗する労働時間を確保するという事です。しかしながら、先進国ではプログラムに対抗するはずの労働時間は、逆に減少傾向にあります。本来は、テクノロジーに対抗して上昇するはずの労働時間ですが、法律などによって規制されているので、労働時間の減少と新規雇用の減少を招く形になっていきます。

お隣の国の韓国などに関して言えば、労働時間を減少させずに、働きまくってテクノロジーに対抗するという姿勢をとり続けています。それは、現段階では有効に機能しており、韓国の一部の企業が世界シェアを急激に拡大する手助けとなっているわけです。

・携帯電話会社

携帯電話会社は、以前であれば通話料金に応じて大きな金銭を得る事ができました。しかし、現在ではインターネットそのものの使い方がテクノロジーで大きく変化しました。月額3000円で家の電話はつなぎ放題で、携帯電話があるので特に電話番号が必要ない人が増えてきました。また、携帯電話もスマートフォンで繋ぎ放題となっており、月額5000円ほどに固定されるような使い方が広まってきました。

この携帯電話の料金は、もっと下がっていく事でしょう。携帯電話会社のビジネスモデルは、既に通話を中心としたものから、インターネットのスマートフォンの「アプリケーション」のビジネスに大きく転換していこうとしています。

・原発のコスト

原発もテクノロジーの発展によって脅かされた産業のひとつと言えるでしょう。以前であれば、日本の人件費が安かったので、人を大量に使って安全を確保するという事が可能でした。しかしながら、現在の状況は変化しており、原発の稼動にそれほど多くの人材をつぎ込んでいたのでは、コスト面で見合わなくなってしまいます。そこで人件費を減らそうにも、安全面が障害となって人を減少させられないというジレンマを抱えています。

日本国内において電気料金が高いままで据え置かれてしまうと、産業が競争力を失ってしまいます。原発は、発電としてはコストが安いかもしれませんが、リスク管理のコストが膨大であり、そこを無視して考える事はできません。各家庭に1つずつ太陽電池を取り付けるようなやり方を行えば、発電コストが多少高かったとしても、リスク管理の面で全体のコストとして安上がりになるでしょう。

無料の物を買う人々

・デジタルで安く大量に

消費者に消費させる為には、安くて大量にというモデルが不可欠になってきているようです。つまり、いかに安い価格で製品を作って、ある程度の価格で売りつけるかという事です。それは、音楽などコンテンツ分野で特に顕著にでていて、安く作った曲を大量に売りさばくモデルというのが出来上がっています。基本的には、2ちゃんねるの「コピペブログ」も安く大量にという点では一緒です。

ToyStoryのようにデジタルに人が感動できるとすれば、下手をすれば1人で製作した映画が、ハリウッドで数億円で製作しただけの映画と同じだけの収益を得られる可能性だってあります。1人が書いたブログよりも、2ちゃんねるからペタペタ貼り付けられたブログと大量の画像の方が面白かったという事でしょう。

・マクドナルドのモデル

食料品に金がかけられなくなったら、イギリスで言えばテスコ、そしてアメリカで言えばウォールマートのような場所に行く事になりましょう。質が非常に悪くて無料に近いものを安価で購入するのです。マクドナルドで売られているようなものは、ゴミ同然のものなのですが、それをお構いなしに食べるようになりましょう。

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