金融市場がプロ同士の戦いから超プロAI同士の戦いに移行しつつある
金融というのは、もともとプロ同士の戦いでしたが、それが究極のプロであるコンピューター同士の戦いに変わってきています。
自動化されたトレーダー
ゴールドマンサックスのトレーダーは、2000年に600人もいましたけど、今ではすべてが綺麗にリストラされて、トレードが自動化されて2人しかいないという事は有名です。全ての取引が『自動株取引プログラム』に置き換わっており、最新のプログラムがトレードを行うようになってきています。かつて、ウォール街には、証券取引所に仲買人がいましたが、それも全てコンピューター化されて姿を消しており、今の証券取引所は、単にコンピューターが稼働する場所として機能しています。
かつての金融街の高所得者の花形であったトレーダーは姿を消しましたが、その代わりにコンピューターに精通した人であったり、マネジメントに精通した人が重宝されるようになってきました。結果として、1人あたりの所得はむしろ上昇する傾向にあります。
重宝されるエンジニア
証券会社で必要とされるのは、もはや人間よりもエンジニアになってきています。ゴールドマンサックスでは、3人に1人の従業員である9000人が既にエンジニアの職種にあり、可能な限りの自動化を進める事で、人件費をカットする事が求められるようになってきています。トレーダーは、莫大な利益をあげて成功報酬を得る一方で、投資銀行にとって大きなコストにもなりえます。コンピューター取引でコスト削減ができれば、投資銀行がさらに利益を拡大する事ができます。
近い将来的には、ウォール街にトップトレーダーがほとんどいなくなり、ほとんどすべてがAIトレードに置き換わるとされています。また、自動化されているのは、証券取引に限った事ではありません。例えば、クレジットカードの審査なども、既に自動化されてきています。
AIトレーダーに勝つ方法
AIトレーダーに勝つ方法は、出来る限りトレードを行わない事です。つまり、『買ったら放置』して、スワップ金利であったり、株式の配当だけを狙って放置しておくのが最も勝てる方法でもあります。金融商品でもなんでも、少額から少しずつ投資して放置しておけば、配当金・金利などで収益を期待できます。短期で売買していると、労力・コストがかかる割には、ゴールドマンサックスのAIの餌食になってしまいます。