チェーン店居酒屋ワタミの経営危機に見る居酒屋のマネジメント経営

  • 17 November 2015
  • WEB情報屋

ワタミの経営状況が危ない

居酒屋ワタミの経営状況が一気に傾いた事が報道されています。ワタミは最終利益段階で、14年3月期には49億円、そして15年3月期には126億円の赤字を計上下という事で、それまで積み上げてきた現預金2015年3月31日時点で95億円ほどあった現預金は、6月30日に53億円となっていて、現預金が48億円しか残っていない状況になります。負債の330億円(短期・長期の借り入れの合計)を返済できる状況にはなくて、銀行から一括返済を迫られた時点で事業継続が不可能になると言う状況です。毎月、10億円もの赤字を出していたのでは、この53億円の預貯金もすぐになくなくなるのも時間の問題と見られていて、経営危機が表面化しています。

ワタミが急に経営危機に直面したのは、2014年4月に15%値上げを断行したのが失敗の原因とされています。このワタミが値上げした時期としては、2014年4月1日に消費税が5%→8%に上げられたのと時期が重なっていて、消費者としてワタミが20%近い大幅値上げを決行したという事になりました。言い換えれば、ワタミに行くと「ムチャクチャ高い会計になる」という印象を持つ人が多くなったのです。1回入店するだけで、5000円も支払っていたのでは、学生・サラリーマンは破綻してしまいます。最近の学生・サラリーマンが1回の飲み会で出せる金額は、2500円ぐらいで以前よりも更に金額が低くなっているのです。お客が想定している金額よりも1000円以上高い支払いが来るので、客足が遠のいて当然でしょう。

値上げしたのに商品レベル変わらず

ワタミが2014年4月に値上げしたのですが、その後の商品レベルというのは、良くなっていませんでした。ひと昔前と違うのは、客のレベルが格段に上がっているという事です。学生などは、インスタグラムなどで日頃から料理の写真を頻繁に見ており、食べログなどで日頃から「安くて美味しいお店」を検索しています。女子会などもオシャレに開催するのが常になっていて、合コンでワタミなんて絶対に選ばれる事はありません。食べログなどでは、チェーン店というだけで圧倒的に不利になるのです。食べログで、3.2以下のお店は、危険すぎるお店だから入らない方が良いお店なのですが、ワタミの多くのお店で3.01しか付けられていないのです。食べログ評価で3.01などというお店は、絶対に行くべきではないお店です。

お客さんは、スマートフォンで情報を即座に取得できる時代になっています。その点にチェーン店居酒屋がついて来れていないのです。特にワタミなど全国展開している大規模居酒屋では、値上げしてもお客さんは減らないという自信過剰な態度で挑んだ結果として、大幅に客足が離れて取り返しがつかない状況になっています。あれ?チェーン店なのに全然安くないし!何だか損した気分!というのが客の正直な感想でしょう。既に多くの人は、最初にお店を決めておく場合には、チェーン店など絶対に選ぶことはないでしょう。チェーン店を選ぶときは、行き当たりばったりで看板を見て決めた時ぐらいのものです。そもそも、唐揚げとかもともと食べたくないのに、居酒屋の唐揚げとか滅茶苦茶不味いし、刺身なんて居酒屋で注文するものじゃないと思うし。

飲み放題が流行らない

ワタミが提案している「飲み放題で3900円」というプランだって、最近では全く流行らなくなってきています。そもそも、最近の20代というのは、お酒を飲まない人も増えてきていて、飲んで1・2杯という人も多いのです。飲み放題で3900円と言ったところで、ほとんど飲まないので損した気分にしかなりません。しかも、出てくるお酒は薄くて水みたいな不味いお酒。料理と言えば、チェーン店特有の見飽きるような料理ばかりで新鮮味がゼロ。もちろん、チェーン店だからインスタグラムなどのSNSにも投稿できないので、リア充アピールをする事もできません。

ワタミの社長の話では、ワタミの客層が20代・30代が60%弱という事で、若い人をどうやって狙うかを社長自身も良く分かっていなかったように思います。基本的には、20代は「全くカネがない」状況なので、全くカネが無い人をひきつけるような安さの戦略というのは、当然ながら当然の事です。更に言えば、スマートフォンやSNS(特に写真SNS)を多用する世代であるので、ダサいものを提供する事に敏感で、ダサいところに寄り付きません。チェーン店に行くのはダサいから、もう少しオシャレに、個性的なお店を食べログで検索していきたいと言うのが若い人の考え方です。「ワタミはどこでもある」=いつでも行けるから、行く必要がないと判断されています。お金は大事に使わないといけないので、SNSにアップロードできる「オシャレなお店」に行く必要があるのです。

値上げを続けるユニクロとディズニーランド

値上げを続けているのは、ワタミだけに限った話ではありません。消費税の増税が言われる中で、ユニクロ・ディズニーランドなども値上げを続けていますが、これらの企業の業績は目先は絶好調です。ただ一つ言える事は、賢い消費者ほど、既にユニクロもディズニーランドも利用してはいないという事でしょう。ユニクロもディズニーランドも、値上げを繰り返して時代に合わなくなって高すぎるという点では一致しています。そこで消費を繰り返すという事は、貧困者が更に貧困になっていくようなものです。ユニクロは家電と同じで「展示場」ではありますが、購入する場所ではありません。ユニクロは、値下げ幅も小さくて、大幅に値下げした商品を店頭に並べるH&Mとは比較にならないのです。広告・CMのブランディングイメージで売っている会社で、そうしたイメージに騙された消費者が行く場所となっています。

ディズニーランドにしても、海外に本当に旅行に行った方が明らかに楽しいのに、東京からとても遠くて、あんな混雑した場所に大金を払って行くのは、本当に馬鹿げています。実際にディズニーランドに行った事はありますが、楽しさが分かりませんでした。乗り物に乗っても、買い物しても、やっぱり海外旅行の方が楽しいよね、と思う事ばかりだったのです。自ら進んでいきたい場所ではないという事だけは確かですね。テレビなどを良く見る賢くない消費者に向けて、広告をガンガン打ってブランディングさえ確立してしまえば、頭の悪い消費者は高くても買ってくれるだろうという経営判断は、確かに正しいと感じます。単にワタミの場合には、一気に15%も値上げしちゃったので、「消費者にばれちゃった」とうだけのことで、年に3%ずつジワジワ値上げすれば、消費者も気が付かなかったかもしれませんね。

東京ディズニーランドにおける外国人の比率は僅か3%ほどであり、東京に来た外国人が必ず立ち寄るスポットではありません。外国人向けのツアーに東京ディズニーランドを入れてしまうと、交通費・食費・エントランスフィーで1万円ほどかかってしまって、ツアー自体が高額になってしまうからです。また、外国人観光客も、東京に来てディズニーランドをそれほど望んではいません。ディズニーランドに喜んでいくのは、海外旅行にそれほど行く事ができない「夢があると勘違いしている層」という事ができると思います。少なくとも、私の周囲にいる海外に良く行く人は、ディズニーランドなど行こうという話題が出てきません。夢というのは、自分で作り出すものであって、ディズニーランドにカネを払って買うものではないからです。

貧乏であればあるほど、労働に忙しくなってしまって、情報に疎くなりがちです。自分の情報などが乏しくなって、テレビばかり見ていると、CMなどに影響される事が自然に増えてしまいます。言い換えれば、誰かにコントロールされる機会が増えてしまうという事で、ますます貧困に陥るという連鎖に陥ってしまうのです。
 

「カレーハウスCoCo壱番屋」のハウス食品への売却

先日、「カレーハウスCoCo壱番屋」に1年ぶりぐらいに行ってみたけど、メニューはどれも高いと感じました。1000円ぐらいだったかな、カレーの量もそんなにないのに、1000円ぐらいするココイチは、学生・サラリーマンが昼に気軽に入る所じゃないような気がします。創業者がハウス食品に売却したのはは、カレーを高い値段で売って利益が出ていたのを分かっていたのだと思います。松屋でカレーが330円ですけど、ココイチでは同じカレーが1000円もします。1000円のカレーの割には「凄くおいしい」と感じるわけでもなくて、食べた後に「ああ、高かったな」と感じるのです。いくらカレー専門店とは言っても、他の外食チェーンと比較すると、価格が高すぎると思うのです。ブランディングで売っているだけで、実際はそんなに客の満足度は高くないと思います。

松屋のカレーを褒めている訳ではないです、松屋のカレーは塩分が異常に多い事で不健康なようなので、松屋でカレーは注文しません。すき家のカレーに至っては、並450円で大盛りカレーみたいな具が入ったカレーが出てくるのですけど、これが不味いんです。どんな添加物を入れているか分からないですが、途中から不味くて具合が悪くなってくるんです。味の深みとか、そういう次元の問題ではなくて、「外見だけカレーぽく見えるように作られた何か」だと思うんですね。

ハウス食品としては、カレーの原材料を提供していたという事で、「内情を良く知っている」と思っているのかもしれませんが、経営の実態としてブランディング依存で高い価格を維持する戦略であり、こういったやり方は長続きしないのではないかなと思うのです。確かに目の前のココイチの業績は悪くないのですが、お客としてお店に行った肌感覚では、清潔感も今一つ、バイト1人が忙しそうで提供が遅い、挙句の果てに宣伝されているほどおいしくない、会計は高いというものでした。簡単に言ってしまえば、リピートしたいという気にならないですね。

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