日本の崩壊する町内会
日本の町内会の崩壊
日本では、町内会は既に崩壊しています。日本では、町内会は全国どこにでも見られるシステムであり、住民は「町内会に入ること」で行政サービスを受けられるとされてきました。しかし、最近では町内会がうまく機能しない場所が増えてきています。
引っ越してきて「町内会に入らない」という選択をする人も増えてきています。町内会長は、そのやりがいだけでは継続できないものになってきています。非常に強力的な住民がいて、何もしない住民がいた場合には、協力的な住民ほど損をすることになります。
協力的な住民だけが協力する体制
政治的に参加しない人が増加するようになると、参加している住民だけが「損をする」ということになります。この事態を避けるために、協力する住民同士は連携して利益を得て、ものごとを勝手に決めるようになっていきます。例えば、議員のなり手が少ない時、議員たち自ら議員報酬の引き上げなどがそれにあたるでしょう。
行政の末端を担う町内会
町内会は、町内会長が議員を通じて様々な要望を行う場所にもなってきました。議員は、地域に影響力がある町内会長と日頃から仲良くしておくことで、議員に再選を狙えるようになりますし、実績を作ることもできるようになります。
オンラインで繋がるサークル
2000年代からは、オンラインで繋がることが一般化してきています。日本の町内会が崩壊していくのと並行して、これらのコミュニティ活動が活発化してきました。しかし、オンラインコミュニティが発達してきた時代に使ってきたのは若者であり、そのような世代は町内会などを離れて、オンラインで繋がったコミュニティなどを重視するようになってきています。
アメリカのゲートコミュニティ
アメリカでは、高級住宅地を形成する「ゲートコミュニティ」が発生しています。2003年にNHKスペシャル「富の攻防 ゲートコミュニティ」で既に取り上げられていたのです。今から20年前に私はこの番組を見ました。
中間層は、ゲートコミュニティの中にプール、テニスコートなどの共有施設を作ることで、1戸、1戸では作ることが難しいようなものを実現しています。簡単に言ってしまえば、ゲートに囲われた会員制の施設みたいなものです。Private Govermentとも言われています。
日本の公共設備は安い
日本では、かなり良い公共設備を数百円で利用することが出来ます。それは、図書館に限ったことではなくて、市民プールであったり、スケートリンク、体育館、ジム、テニスコートなどを安い価格で利用することが出来ます。かつては、市民は無料みたいな所もありましたが、最近では数百円の料金を取る所がふえています。
このような日本の設備は、削減される傾向にあり、実際にスケートリンク(相模原市)など利用者が減少傾向にあるものは閉鎖される場所もありますが、あと10年、20年ぐらいは存続を続けるでしょう。
日本における住居群
日本では、タワマンみたいな共有設備が充実したものであったり、リゾートマンションみたいなものであったり、共有設備が充実したシェアハウスも存在しています。しかし、そこのコミュニティがうまく機能しているところは少なく、実際には住民同士が自治を行っているイメージとは程遠いものがあり、管理業者に任せきりです。
若い人なら歓迎される
20代で居場所を作るのは簡単なことであり、特に20代女性は、若いというだけでどこにいっても歓迎される存在となります。しかし、それは「若い女性だから」という理由であり、それが30代、40代にもなってくると変化が見られるようになっていきます。
それが30代、40代の中年男性にもなってくると、どこに歓迎されることもなくなります。「どこにも歓迎されない存在」になっていくのです。