日本の大学が悲惨な状況に置かれている現実!研究費が年間数十万円

  • 26 October 2017
  • のぶやん
京都大学iPS細胞研究所

日本では、大学の教員の置かれている環境が毎年のように厳しいものになってきています。国立大学では、研究費の削減が進んでいて、公募などに申請をして研究費をゲットしないと研究が続けられない状況になってきています。また、若手研究者に対する採用条件が上がっていますが、それに通ったとしても、非正規雇用で厳しい研究を行っていかないといけない状況になっています。

研究を維持するだけでも難しい

大学では、研究を維持するだけで難しい状況になっています。研究費用を申請して継続的に得ていないと、研究を行う事が厳しい状況になっているのです。国立大学では、研究費の6割が50万円未満となっており、何と5割が30万円未満となっています。何も補助金などを申請しない場合には、1ヶ月当たりにすると数万円しか研究に使えない事になってしまいます。

マウスを使って精神疾患の解明に取り組む東工大宮川教授「研究室のスタッフ全員で科研費の研究計画書を書いて、合計17件申請をしました。研究費が途絶えると研究が途絶えてしまうので必死でした。申請書類を作るのに忙しく、研究どころではありませんでした」

京都大学iPS細胞研究所が資金不足で9割非正規雇用になっている事も話題になりました。国立大学では、多くの高学歴研究者が非正規雇用の非常に不安定で低賃金で働いています。また、私立大学などにおいても、採用条件は大学院の博士課程を卒業していることなど、高学歴で厳しい条件が課されますが、それで採用されたとしても非正規雇用で厳しい環境に置かれるという現実があります。
京都大学iPS細胞研究所

研究成果があがらない

日本では、世界の潮流の中で研究成果がどんどん上がりづらい状況になっているとされています。山中先生が訴えているように働いている人の9割が非正規雇用の状況では、期限付きの非常に不安定な状況の中で、貧困状況にある中で研究に没頭できないという状況です。

研究というのは、誰も教えてくれるというものではなくて、最先端のものを自分たちで作りだしていかなければいけません。その為に基礎的な研究から開始して、応用して社会的に役立つところまで持ち込む為には、5年~10年の長期的な研究が必要になるのが普通です。短期的にすぐに成果を出すものばかりを求められても、研究成果がすぐに出る事はありません。

日本企業の競争力低下に直結

日本の大学の競争力の低下は、日本企業の競争力低下に直結してきます。この10年で日本企業の競争力が大幅に落ちた背景には、企業、大学の研究力の低下が指摘されています。企業においても利益に重点が置かれて研究を行う人材が少なく、大学でも予算不足などでなかなか研究が進みませんでした。日本企業の多くが目先の利益ばかりを追及して、長期的な視点で研究を進めてこなかったので、国際的な競争力がジワジワと低下しています。

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