クリエイティブの時代!短編映画のTokyo!の感想から

  • 7 October 2015
  • のぶやん

Youtube上で参考にするためにいろいろな自主映画作品を見ていた時に「シェイキング東京 (2008) オムニバス作品『TOKYO!』」という作品をたまたま見たのだけど、これが衝撃的に良かったです。シナリオ、解説の面白さ、カメラワークの良さ、ストーリーの自然さ、どれをとっても面白みが溢れる作品になっていました。監督はもちろん凄いと思いますけど、カメラ担当の福本淳さんのセンスも素晴らしいです。例えば、家から出てきて自転車を触ってから拡大して家を映し出すシーンの衝撃とか。映画としては、単なる「ひきこもり映画」なんですけど、その細かいところへのこだわりが、映画の世界を広げています。狭い家の中で迫力のあるアップのシーンが連続します。

カメラワークが解説とぴったりと一致していて、驚くべき効果を出しています。例えば、トイレから「テレビもみない」と言ったセリフが流れる時にテレビの方にカメラがそのまま動くんですね。普通は、ここをテレビに切り替えますが、そこをカメラを横に流してしまうあたりの工夫がすさまじいと感じました。更に言えば、竹中直人が登場してくるシーンで素足で上がってくるのですが、足が水に濡れたところを映し出すカメラワークなど。

香川照之さんの演技も絶妙で、いう事なしです。香川照之さんは、半沢で大和田常務をやった事でも有名ですが、「ひきこもり」から、銀行役員までこなせる幅の広さは、竹中直人のように凄い俳優です・・・と思ったら、竹中直人さんもこの短編映画に出演しているのです。そしてヒロインとして登場する蒼井優さん。無駄に音楽などが流れず、静かに小さな世界が展開されているわけですけど、その中でくっきりとした音声だけが流れていきます。これが映画かと思わせる作りです。唯一の欠点としては、香川照之さんに太陽が当たってしまうシーンでは、香川照之さんがいかに上手に演技をしてもひきこもりじゃなくて、体型と表情から「リア充」に見えてしまうことぐらいでしょうか。撮影側は、そこを意識して光を強めに当てたり、影を追いかけたりしています。

自分の作品を懸命に作りながら他の人の作品を見ると、全く別の視点から見ることができるなと思ったりします。あと、早起きして午前中にインターネットで遊んでいたから、良いものが見つけられたのかなと思ったりもします。



 

年収100万円時代とも言われていますが、目先のアルバイトなどをするよりは、何か「クリエイティブなものを1ヶ月かけて作りだす」という事に情熱を注ぎこめば、人との差別化ができていくのかもしれないですね。人との差別化というものが何よりも大事な視点であるような気がします。誰でもできるような事であれば、それはアルバイトが担う事で年収100万円の奴隷がやることですから。良いものに絞ってみていかないと、Yahoo!などで配信されるニュースとかばかり見ていると馬鹿になるなと思ったりします。

1ヶ月じゃあ難しいかもしれないけど、1年かかってやれば、ほとんどの事は出来るような気がします。自分で音楽を製作することだって、自主製作の映画を作ることだって、ファッションセンスを磨くことも、体を鍛え上げる事もできます。全力でそっちの方に取り組めるかどうかがキーポイントになるのだと思います。


Shaking Tokyo - シェイキング東京 - 흔들리는 도쿄 - (2008...


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