アウトプットを重視した情報戦略
小説家になりたいという知り合いがいて、一緒に食事をしたのです。小説家になりたい彼がやっている事といえば、自宅にひきこもって、インターネットの閲覧をしたりという生活です。何かアウトプットがないかと何度も尋ねたのですが、特になさそうでした。小説家になりたいというのはよいですが、アウトプットが全くないとなれば、小説家になるのはまだまだ先のように思います。突然、良い文章がひらめくなんていうことは、ほとんどありえないでしょう。
日本の教育システムは、自分を表明するという事を抑え込む傾向があり、小さな頃からクラスで目立たない事を強制してくる傾向があります。そうした中で、自分の意見を表明したりする機会が少ないのです。ちょっと変わった人だというだけでいじめの対象になったり、先生からダメ出しされたりと、個性を破壊するような教育がなされており、アウトプットの訓練がしずらい状況になっています。
アウトプットなき教育の行く末
アウトプットがなされない教育の行く末というのは、良い大学を出たけど、インプットしかしていない=自分の意見を持てない・持たない人を量産するという学生や労働者の量産になっています。学習、情報のインプットは非常に大事で、それが生産性を高める事は確実な事実なのでしょうけど、アウトプットするものが単純化してくると、単純ホワイトカラーの労働者程度にしかなれず、グローバル化の中でそれでは世界に通用しない人材になってしまうという事です。
情報インプットを中心に学習するということは、いわゆる「言われたことだけしっかりこなす」という労働者としては優秀になるのかもしれないですけど、それは「言われた事しかできない労働者」と言いかえる事もできます。自分で新しい可能性を模索したり、会社という枠を超えた労働者に成長していく為には、自分でアウトプットを増やして、社会を変えていこうとする意気込みを持った人材が必要になるでしょう。
存在しない情報は拡散されない
ブログであれ、サイトであれ、情報がウェブ上に存在しなければ、それが認知される事も拡散される事もありません。ウェブ上に存在している情報をGoogle社が全てサーバーに納めて拾い上げるということを行っており、NAVERまとめにおいては手動でまとめる(キュレーションという)事を行っています。このような状況で、ウェブ上に上がっていった情報で面白そうな情報は、次々と取り上げられるチャンスがあるようになってきています。
どのような情報であれ、情報が存在しないよりは価値があります。また、それを見やすい形で世の中に送りなおすと、その情報価値というものを更に上昇させる事ができるようになります。Googleは単に世界中にある情報を拾い集めるだけですけど、NAVERまとめのように埋もれた情報をリフォームのように再構築して価値を高めるというのも十分にあっても良いでしょう。NAVERまとめのような事を個人や小さい企業でやったらすぐに訴えられたり、削除要請が連発して管理できませんが、LINE社がやればLivedoorのノウハウも活用しながら上手な運用ができるというところでしょう。
情報をウェブ上に存在させる為の個人・企業における戦略が何よりも重要になります。
アウトプットのプラットフォーム
インターネットが普及したことによって、誰でも非常に手軽に情報発信を行うことが可能になりました。それによって、一般の人が大きな会社を通さずにインターネット上で力を持つことも可能になりました。例えば、インターネットのブログを利用して有名になっている人として「イケダハヤト」であったり「はあちゅう」などをあげる人もいるでしょう。また、有名な芸能人であっても、辻希美さんのようにブログで生計を立てられるぐらいに有名になっている人もいます。
インターネットにパソコンの常時接続が当たり前になった2000年以降にブログが活発化して情報を個人で発信する人が増えました。その後に2008年頃からスマートフォンが普及して、一部の情報アウトプットがスマートフォンから可能になりました。芸能人などは、写真をスマートフォンからアウトプットする人が多いです。情報をアウトプットする作業が容易になり、それを閲覧するのも容易になってきて、情報コミュニケーションが発展してきています。
貧困に陥るアウトプットできない人たち
学歴が高い人が貧困に陥るパターンなども増えてきています。今までインプットした知識を企業の資本を使って、労働者としてアウトプットしようとしても、そのアウトプットする労働の価値が低下すると、特定の企業を通じたアウトプットだけでは貧困に陥るという事になります。自分と社会との接点を多く見つけてマネタイズを行うという事がとても重要になってくるのです。
大学の非常勤講師の貧困問題が話題になっていますが、大学の非常勤講師は、大学というプラットフォームを通じて学生に授業を教えるという自分の知識アウトプットという方法しかマネタイズの方法がないのでしょうか?それは違っていて、能力がある大学講師であれば、テレビに出演したり、本を出版して稼ぐことができるかもしれない。そういった新しい努力をせず、過去に得た大学の学歴にすがって講師しかやらないというのであれば、稼げないで貧困化してしまうのは、いたしかたないとも言えるでしょう。
自己主張を強めていくこと
インターネットのアラサー女性として有名となっている「はあちゅう」は、アウトプットの数が多いですが、「炎上のプロ」と呼ばれています。個人でフリーランスとして活動するのであれば、これぐらいの自己主張がないと生きていけない時代なのだろうなと思います。周囲に同調するということは、「周囲が自分の足を引っ張る」という可能性を認識しておかなくてはいけません。
アメリカにおいても、中国においても、個人主義というものが非常に強くて、自己主張が強い人が多いです。アメリカ、中国でそうだという事は、世界中のほとんどの国が自己主張が強い人が多くて、日本が特殊と考えた方が良いでしょう。周囲にあわせる事ばかりを考えていると、自分の能力を伸ばす事に不利になってしまう可能性があるという事です。