スペースシャトル

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業務プロセスの改善でコスパを上げれば生き残れる宇宙船ソユーズの事例

  • 17 December 2017
  • のぶやん
スペースシャトルとソユーズ

旧ソ連は、重工業に金をかけていたけど、庶民の生活がボロボロで崩壊に至りました。それを表す1つの事件は、1976年に起こった『ベレンコ中尉亡命事件』だった訳ですけど、当時のソ連の最新鋭機MiG-25が日本の手からアメリカの手に渡って、それは詳細に調べられる事になりました。当時は、既にアメリカでは古いものとされていた真空管が使われているなど、ソ連の科学技術が遅れていることが明らかになった事件でした。

世界で唯一の飛行船ソユーズ

スペースシャトルの引退後は、世界で唯一の飛行船となったソユーズは、数多くの有人飛行を成功させて非常に信頼性の高い宇宙船となっています。その仕組みは非常に古いものではありますが、数々の改良を重ねた結果、かなり信頼性の高いものになっているのです。非常に高額の維持費がかかるスペースシャトルが全て引退した今でも、有人宇宙船としてソユーズが活躍しています。1980年代に建造されたスペースシャトル4機のうち2機が事故により乗員ともども木っ端みじんになり、スペースシャトル計画は中止されました。

ソユーズ自体は、スペースシャトルに比べると乗員が乗り込むスペースは小さなものであり、とても夢のある宇宙飛行といったものではありません。しかし、その分だけコストが安く建造できるので、飛ばす回数を増やすことができるというメリットがありました。このメリットは、ロシアが何度も宇宙船を飛ばすことに成功する事に繋がります。

スペースシャトルとソユーズ

スペースシャトルは、その大きなボディ全体にに断熱タイルを貼っておかないと大気圏に突入することができませんが、断熱タイルが損傷する事故が起こって、スペースシャトルが引退するまでこの問題点を解決することができませんでした。

コストを下げることが大切

最終的にスペースシャトルが引退した後も生き残った宇宙船ソユーズは、旧ソ連がアメリカに勝った数少ない技術であると言えるでしょう。その勝因としてあげられるのが、コストが安かったという事です。アメリカは、スペースシャトルで宇宙を往復することを目指しましたが、実際にスペースシャトルの打ち上げにかかる維持コストは、莫大な金額となっており、コスパだけを考えるなら使い切りの方が安かったともされています。

スペースシャトル1機の建造で17~18億ドルのコストがかかり、僅か1回の飛行で4.5億ドルもかかったとされています。特にスペースシャトルでは、その大きな機体のままで大気圏に突入するので、耐熱タイルを機体の底に張り付けていますが、それが事故の原因にもなりました。そこで1個1個のタイルを点検するなど膨大な点検作業を行った結果、コストが膨れ上がりました。

開発できなかったソユーズの後継

旧ソ連、そしてロシアに至るまで、ソユーズの後継を開発しようとしていたことは確かです。しかし、今でもソユーズが使われているのを見ると分かる通り、ソユーズの後継の開発が実用化していません。ロシアにもスペースシャトル計画があり、ブラン (オービタ)が1988年に無人飛行を成功させています。しかし、これ以降にソ連の崩壊によって財政難となり、開発が継続される事はありませんでした。

新しく建造したほうが早い事例

三菱重工の開発しているMRJの試験飛行機は、敗戦の問題が出て設計を書き換える必要性が出ましたが、現在ある試験機を改造するよりも新しく建造した方が早いという事で新しく建造することになりました。従来ある場所は、すでにチェック項目が非常に多くなっており、それらを刷新して新しい機体を作り直した方が早く完成するという見通しです。


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