日本が豪華客船すらまともに作れない事実!オワコン化した日本の技術
三菱重工業は4月8日に長崎造船所(長崎市)で進む2隻の大型客船の建造が難航しているため、累計1336億円の損失を計上したと発表しています。設計と作り直しが相次いでいるという事で、長さ約300メートル、約3300人乗りで、三菱重工が11年ぶりに受注した客船という事ですが、まともに客船を作る技術がない事が露呈してしまいました。11年ぶりの受注なので、かなりノウハウなどを作り上げる為に赤字覚悟での受注をしたものと思われますが、それにしても大変な大赤字を出しています。
三菱重工業は、日本の防衛省から受注する艦船などを作る事を得意としていますが、それ以外にもリーマンショック前までは、バラ積み船やコンテナ船などの一般汎用商船というものを作っていましたが、こちらを中国、韓国などに奪われる形で撤退。それからは、大型客船の受注などを行う方針を示していました。しかし、大型客船は、劇場を付けたり、広いスィートルームを付けるなど、一般汎用商船よりも部屋の区切りなどが面倒で大型ホテルを積み込むようなものなのです。アメリカの最大手客船会社であるカーニバル社の子会社から損失覚悟で受注を行った訳ですが、それにしても1000億円規模の客船を作るのに1000億円の赤字を出すとは、経営陣にとっても予想以上の赤字だったでしょう。
さすがにここまで赤字が出てしまうと、次回の受注に繋げていくのは難しいと見られていて、三菱重工業の大型客船事業というのが凍結となってしまいました。しかしながら、今後は、中国や韓国などが一般の汎用商船よりも難易度が高いとされる大型客船を受注していく可能性が十分にありえます。特に韓国企業は、造船技術なども高めてきており、日本企業にとって大きな脅威になるものと思われます。
さすがの三菱重工業と言えども、赤字が1000億円ともなってしまうと、次から身動きが取りづらくなってしまいます。米カーニバル社傘下の欧州アイーダ・クルーズ社から11年秋に受注した客船2隻だけで1000億円超えの損失を出しているのだから、この客船の受注に対する戦略は、大きく異なっていた事になります。受注したのは、この2隻の大型客船は、12万4500総トンというとてつもなく巨大な船で、日本で作られる客船としてはあり得ないほどの巨大さです。つまり、経験もなければ、いくらぐらいかかるかの算出も甘かったという事でしょう。とにかく受注を優先した結果が、こんな悲惨な結果を生み出したという事で、経営者の責任は非常に重いです。
日本に豪華客船の市場がない
日本では、豪華客船の市場は、アメリカや欧州ほど発達していません。海に囲まれている日本が豪華客船の市場が無かった理由というものが奇妙なのですが、恐らくはバブル崩壊後の日本においては、豪華客船を作る余裕が無かったのでしょう。そこで世界の潮流というのは、超大型の豪華客船がどんどん作られる時代になっていて、日本の三菱重工業は、大きく遅れを取る形になりました。そして、今回もこんな悲惨な結果となっています。
日本では、日本で最大級の飛鳥クラスでも僅か5万トンの大きさであり、ぱしふぃっくびぃなす、にっぽん丸に至っては、大型客船と言えど、3万トン以下のクラスしかないので、12万トンクラスの超大型客船を作る難易度とは比べ物になりません。また、日本の市場では、客船に乗るという文化が発達しておらず、造船しても市場が開拓できるかが未知数という事で、客船が就航しない状況になっています。その理由の1つとして、カジノが解禁されていないという事があります。