好きでないことを長続きさせられない理由
エベレストにチャレンジして亡くなった栗城史多さんは、国内登山をほとんど行っていませんでした。通常、エベレストに行くような人は、国内登山を含めて「自分を鍛える」行動を普段からしていなければいけません。そうしなければ、体力が付かないからです。
20代前半の体力
20代前半は、それほど訓練しなくても、それなりの体力があるのが普通です。それは、40代の鍛えている人と同じぐらいの体力を発揮できるのです。つまり、この時期に様々な「体力を使うチャレンジ」をすることは理にかなっていると言えるでしょう。それは30代、40代になってくると、自己管理を徹底することによって何とかやりくりしなければいけないことになります。
経験を積まなければ、高い山に行けないと言うのは嘘で、周りのサポートさえあれば「若ければ若いほどいい」のです。特に20代前半ぐらいの体力があった方が、高所で移動するには良いのでしょう。30歳ぐらいまでが体力ピークで、それ以上は「相当に鍛えないと」体力はどんどん低下します。体力が低下しない方法は、肉体労働者になることです。
人間は衰えていくもの
20代のうちは、体力があるので、あまり訓練しなくても「無謀な挑戦」に成功してしまうものなのです。しかし、それが30代になってきて、30代後半にもなれば、訓練による体力維持は確実に必要になります。そして、無理した訓練というのは長続きしないので、訓練それ自体を好きになる必要がでてきます。
実際、栗城史多さんの登山経歴の多くは、20代前半になしえたものであり、20代後半からは、ほとんど成功しなくなっています。彼は、20代前半の体力がある時期にこそ高所を成功させることができましたが、20代後半には既に体力が衰えていたのです。国内登山をほとんど行っていなかったというので、当然と言えるでしょう。
彼が好きなのは、登山ではなくて、周囲の人から目立つことだったということです。
体を鍛えると言うこと
ちなみに、スノボを上手にする人は、冬季の間はスキー場に休むことなく行きます。そうしないと、上達しないからです。他の人が練習していない時にも、自分自身が練習できないといけない。少しぐらい眠かったとしても、天候が悪かったとしても、とにかく休むことなくスキー場に行くことで上達する訳です。
後ろ向きな気持ちで起こる事故
自分の体力がなくなっていたり、集中力が落ちたりしているにも関わらず、難易度が高い山に挑もうとすると事故が起こることになります。
登山の後ろ向きな気持ちは、事故を誘発することになります。例えば、長谷川恒男氏は、いつもより出発が遅くなったところを雪崩で遭難死を遂げることになります。マッターホルンで遭難した相馬剛さんは、いつも一緒に行かない妻と子供とふもとまで一緒に行って、単独で入山します。こういう時には、人間は準備が甘くなるものなのです。
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