インターネットで情報のマッチングコストの大幅低下

  • 4 June 2012
  • のぶやん

移動を伴わない情報の獲得

情報が欲しいと思った時に都会に行かないとほしい本が見つからないといく事が良くありました。しかし、今では既にアマゾンなどのインターネットショップで専門書まで簡単に手に入れる事ができます。また、電化製品についてもオンラインで購入する事ができるようになりました。こうしたインターネットの流通に対抗して、家電量販店は大型化した上で日本全国に出店して、大きなショップが身近にある必要性に迫られました。しかし、本屋の場合には単価が家電ほど高くないので薄利多売も通用せず、地方の本屋は厳しい状況に立たされています。


昔であれば「映画館に行かなければ見れなかった映画」は、今ではビデオ屋に借りに行く事で見る事が出来る様になりました。また、楽天レンタルで借りる事によって、自宅に居ながらDVDをレンタルする事ができて、ビデオ屋に歩いていく必要すらなくなりました。近くて便利だったと言われたコンビニ業界は、今では「自宅配送サービス」というものを始めていて、自宅まで商品を持ってきてくれます。また、何かを郵送したい時には「ゆうパック」を使うと、自宅まで取りにきます。


情報作成のコスト低下

マッチングコストが低下した一方で、情報作成のコストも低下してきています。例えば、2ちゃんねるで大勢の人が書いた情報を転載するという「まとめサイト」は、大手のまとめサイトになると、アクセス数が1日数十万アクセスになり、広告収入だけで相当の収入になるようになっています。情報作成は、ニュースからの引用と、それに対する2ちゃんねるのコメントを抽出して転載してブログに貼り付けたという単純なものです。以前であれば、大手サイトのニュースなどを転載すると問題になったのですが、今ではURLさえ貼り付けておけば、ほとんど問題にされる事はなくなりました。

為替のマッチングコスト低下

コンピューターとインターネットの発達によって、外国為替取引が個人で簡単に行えるようになりました。外国為替取引は、ここ10年で数多くの会社が参入してきたので、外国為替のスプレッドが低下したり、手数料が低下したりしています。為替取引を行う時に障害となっていスプレッドや手数料の低下によって、誰でも簡単で気軽に為替取引が出来るようになり、ますます地球上がボーダレス化してきたと言えます。

一部の人だけ保有していた情報の共有

情報コストの低下は、一部の人だけが共有していた情報をオープンにする機能も果たします。例えば、タイタニック号で1等船室、2等船室、3等船室があって、3等船室の客室の人は、1等船室がどのような構造や作りになっているか全く想像できませんでした。しかし、今では1等船室の中もウェブサイトで公開されていますし、1等船室でどのように振舞えば良いかをウェブサイトで学習する事も可能です。情報がオープンになる事によって、自分の意欲さえあれば、情報を自分で仕入れて少しずつ学んで行くことも可能になっています。

大学のコストはむしろ上昇

これほど情報を得る事が容易になっている社会において、今でも低下していないのが学習コストです。アメリカの大学で教えているのは、実際には授業に出ないでビデオ学習でも良いはずなのですが、何故か授業が開催された上で単位を取得する事を求められています。更に言えば、授業料が異常に高いという問題点もあります。

学習する事の重要性よりは、そこで学ぶのはむしろ友人との共有する話題であったり、大学を出る人の常識など、授業とは別の「人との出会い」に価値を見出しているようです。確かに人との出会いはビデオ学習では実現する事が出来ず、大学というものは、何らかのフィルターにかけられた「出会いの場」「社交の場」であると考える事ができるでしょう。歴史的にそれが「人間の質」と見られたりするからです。

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