コスト

シェアリングエコノミーのシェアするコスト!タクシーUberが30億ドルの赤字!意外と儲からないシェアビジネスの実態が明らかに。

  • 18 January 2017
  • のぶやん

アメリカで次々と立ちあがったシェアリングエコノミーの企業ですが、その企業の中に既に倒産してしまった企業などが見られ始めています。その要因とされているのがシェアリングエコノミーのコストの高さです。スマートフォンなどの近代テクノロジーを利用してマッチングするのは良いのですが、実際にピザの宅配であったり、寿司の宅配注文のようなインターネット注文は既に実現されているもので、シェアリングエコノミーでシェアする必要などありません。

意外とかかるビジネスコスト

実際にやってみると、そのコストに驚くというのは、ビジネスでも良くある事です。例えば、不動産の運営などについても、利回り10%と書かれた物件があったとして、修繕管理費、空室を埋める為のマーケティング費用などを考えると、手元に全くお金が残らないという事は良くある事です。紹介された物件の表面利回りに騙されず、自分で考えてコストを計算しておかなくてはいけないという事になります。

シェアリング・エコノミーだからと言って、ユーザーに任せきりにさせないで行うビジネスモデルは、従来のビジネスモデルとあまり変わるところがなくて、そのコストが大幅にかかってくると説明されています。

オンデマンドサービスの多くは「シェアリングサービス」とも呼ばれ、タクシーとか家事代行みたいなちょっとした贅沢をシェアすることでコストも分け合うことができ、良いものが低コストで手に入るイメージがありました。でも実際やってみたら、待機時間の人件費とか、余分な食材とか、複数ユーザーの家を回るための最適ルート計算ソフトの開発費とか、規模を確保するためのマーケティング費などなど、不特定多数の気まぐれな利用に対応するためのコストがかさんで、シェアしきれなかったんです。
http://www.gizmodo.jp/2017/01/why-on-demand-service-are-flopping-like-crazy.html

ウェブサイトを運用するコスト

ウェブサイトを運用したことがない人は、ウェブサイトを運用するコストに驚くかもしれません。オンラインで情報を提供する為には、誰かが更新しなければいけないので、人件費だけで凄まじいコストがかかってきます。人件費に比べれば少ないですが、サーバー代金であったり、ドメイン代金もかかってくる事になります。それでいて、ウェブサイトでお金を稼ぐというのはかなり大変です。

ウェブサイトは、毎日ように大量に作られていますが、アクセスがないサイトがほとんどです。コンテンツを準備するのにコストがかかりすぎて、多くの会社がそのコストを負担したくないという理由で、積極的にオンラインで情報公開を渋っています。また、コンテンツを準備したとしても、そのコンテンツを見てくれる人に対して何らかのアプローチが必要になり、SNSなどで情報を広げないと、訪問者を得られません。

家事代行にかかる交通費

特に都心部において需要があると思われる『家事代行の事業』では、必ず交通費がかかってきて、近くの家の人を雇わないと交通費だけで大変な事になるという問題があります。単純に考えて、雇用主が負担しなければいけない費用というのは、『削減できない交通費+労働に対する対価+シェアリングエコノミーの会社を支える手数料』となる訳です。交通費は、近くの人を採用する事で削減できますが、それにはかなりの規模が必要になります。また、労働に対する対価を下げると、誰も働かなくなってしまいます。

安く見えるように見えるものは、意外と高くついているという事は、世の中で良くある事です。コストを必要以上に削ると、今度は働いている人が誰も真面目に働かなくなり、企業の業績が悪化する事に繋がっていくでしょう。奴隷労働者が工業科された賃金労働者に負けたように、意欲を持った労働者であるほど、長期的に見て企業業績が上向いていくようになるのは当然です。

企業で働く労働者のコスト

企業で働く労働者のコストは、企業が負担しなければ労働者負担となってしまいます。日本の企業は、バブル崩壊後に労働者のコストを削減して、派遣社員などを採用する事で福利厚生(家賃補助など)を削ってきました。そうなると、多くの労働者が負担するお金が増えて、労働者環境が悪化します。労働者は、企業から受け取る賃金がほとんど変わらないにも関わらず、使えるお金(いわゆる可処分所得)が減少して、労働に集中する事ができなくなっていくのです。消費税増税などで、可処分所得の中から更に収入が削り取られます。

日本の多くの企業は、バブル崩壊後に労働者のコストをどんどん削減する事で、何とかその企業体を保ってきました。そうした事は『経営努力』などと評価される事もありましたが、実態としては、労働者が技術開発などを積極的に行わなくなった事で企業の競争力が大幅に低下したと考えるべきでしょう。その競争力の低下は、三菱重工の造船などに見て取る事ができます。労働者が適当に働いて金を貰っておけばいいやと考え始めると、企業として成長する事が出来なくなってしまうのです。結果、新しい技術開発などがほとんど行われなくなり、世界で競争力を失っていく事になります。

Uber30億ドルの赤字

タクシーの仲介を手掛けているUberが2016年に30億ドルの赤字を出したと報じられています。30億ドル(=日本円で約3500億円)と言えば、サービスを世界中でプロモーションするのに十分すぎるほどの費用です。世界的に有名になったサービスではありますが、赤字幅が非常に大きいので、投資化が引き上げればいつ潰れてもおかしくないとさえ言われています。ただ、収入も55億ドルほど確保できているところを見ると、将来の黒字化を見越してUberに投資する人はまだいるとみられています。



Uberは、これほどの赤字を出していながらも、地図ナビゲーションなどの研究・開発を行っているそうで、アメリカ企業は本当にそういう所が競争力の強さを示しています。タクシー代行サービスの競争力を維持する為には、研究・開発を継続していくしかないと分かっていて、研究・開発予算を投じているとみられています。

儲からないシェアビジネス

シェアビジネスが意外と儲からない事が明らかになってきています。その要因を考えると、今まで単価が高かったものを安く引き受けるというような『労働搾取』の側面が強く働いているからです。簡単に言ってしまえば、Airbnbのような民泊などを見ても、ほとんどのサービスを個人レベルに落とし込むことで、旅館・ホテルなどより価格を安くして提供するという価格勝負を挑んでいく訳です。その代償として、安全性が担保されないなどの不利益がありますが、ホテル・旅館とて安い所だと安全性が保障される訳ではありません。

クラウドワークスなどのオンライン外注は、300円、500円といった低賃金のもので、低単価すぎてクラウドワークス自体も儲からないという事態に陥っています。こうしたシェアリングエコノミーというのは、便利である一方で、安価すぎる労働力が問題になったり、相当の数をこなさないと会社すら儲からない(=マーケティング費用がかかる)という問題が生じます。

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インターネットで情報のマッチングコストの大幅低下

  • 4 June 2012
  • のぶやん

移動を伴わない情報の獲得

情報が欲しいと思った時に都会に行かないとほしい本が見つからないといく事が良くありました。しかし、今では既にアマゾンなどのインターネットショップで専門書まで簡単に手に入れる事ができます。また、電化製品についてもオンラインで購入する事ができるようになりました。こうしたインターネットの流通に対抗して、家電量販店は大型化した上で日本全国に出店して、大きなショップが身近にある必要性に迫られました。しかし、本屋の場合には単価が家電ほど高くないので薄利多売も通用せず、地方の本屋は厳しい状況に立たされています。


昔であれば「映画館に行かなければ見れなかった映画」は、今ではビデオ屋に借りに行く事で見る事が出来る様になりました。また、楽天レンタルで借りる事によって、自宅に居ながらDVDをレンタルする事ができて、ビデオ屋に歩いていく必要すらなくなりました。近くて便利だったと言われたコンビニ業界は、今では「自宅配送サービス」というものを始めていて、自宅まで商品を持ってきてくれます。また、何かを郵送したい時には「ゆうパック」を使うと、自宅まで取りにきます。


情報作成のコスト低下

マッチングコストが低下した一方で、情報作成のコストも低下してきています。例えば、2ちゃんねるで大勢の人が書いた情報を転載するという「まとめサイト」は、大手のまとめサイトになると、アクセス数が1日数十万アクセスになり、広告収入だけで相当の収入になるようになっています。情報作成は、ニュースからの引用と、それに対する2ちゃんねるのコメントを抽出して転載してブログに貼り付けたという単純なものです。以前であれば、大手サイトのニュースなどを転載すると問題になったのですが、今ではURLさえ貼り付けておけば、ほとんど問題にされる事はなくなりました。

為替のマッチングコスト低下

コンピューターとインターネットの発達によって、外国為替取引が個人で簡単に行えるようになりました。外国為替取引は、ここ10年で数多くの会社が参入してきたので、外国為替のスプレッドが低下したり、手数料が低下したりしています。為替取引を行う時に障害となっていスプレッドや手数料の低下によって、誰でも簡単で気軽に為替取引が出来るようになり、ますます地球上がボーダレス化してきたと言えます。

一部の人だけ保有していた情報の共有

情報コストの低下は、一部の人だけが共有していた情報をオープンにする機能も果たします。例えば、タイタニック号で1等船室、2等船室、3等船室があって、3等船室の客室の人は、1等船室がどのような構造や作りになっているか全く想像できませんでした。しかし、今では1等船室の中もウェブサイトで公開されていますし、1等船室でどのように振舞えば良いかをウェブサイトで学習する事も可能です。情報がオープンになる事によって、自分の意欲さえあれば、情報を自分で仕入れて少しずつ学んで行くことも可能になっています。

大学のコストはむしろ上昇

これほど情報を得る事が容易になっている社会において、今でも低下していないのが学習コストです。アメリカの大学で教えているのは、実際には授業に出ないでビデオ学習でも良いはずなのですが、何故か授業が開催された上で単位を取得する事を求められています。更に言えば、授業料が異常に高いという問題点もあります。

学習する事の重要性よりは、そこで学ぶのはむしろ友人との共有する話題であったり、大学を出る人の常識など、授業とは別の「人との出会い」に価値を見出しているようです。確かに人との出会いはビデオ学習では実現する事が出来ず、大学というものは、何らかのフィルターにかけられた「出会いの場」「社交の場」であると考える事ができるでしょう。歴史的にそれが「人間の質」と見られたりするからです。

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