不動産のランニングコスト・管理費に見る投資のあり方

  • 12 November 2015
  • のぶやん
不動産のランニングコスト・管理費に見る投資のあり方

国内の不動産会社に勤めている友人が多いので、不動産物件を見たりすることも多いのですが、最近の売れない物件の傾向として「ランニングコストが高い」という事があります。お金持ちは、特に高齢者を中心に沢山いて、誰がみたって場所も、外観、内装まで魅力的な物件であったとしても、買い手が付かないのです。その理由が維持・管理費がかかりすぎるという事にあります。

神戸で売れ残るある物件などは、毎月の維持・管理費が何と8万円もかかるというのです。それを住宅ローンを組んで買ったとすれば、毎月の返済額が20万円とかになってしまうので、一般的なサラリーマンでは買う事ができません。また、住宅ローンを組まないで現金で購入したとしても、毎月8万円の出費をするぐらいであれば、買わないで賃貸していた方がいいという判断になるのは当然でしょう。

「築古/交通便悪/戸数小/面積大」となるマンションは、どんどん売れにくくなるとこちらの記事にも書いてあるし、地方の物件から売れなくなっていくでしょう。簡単に行ってしまえば、都心・駅などから離れたリゾート物件が最も売れなくなるという事です。温泉・プールなどを付けたリゾート物件というのは、その維持費が驚くほど高くて、その理由として水道水を使っている温泉の場合には、水道費が個人計算ではなくて一定以上の法人向け価格になってしまうからだという事です。水道費が高すぎて、収益が吹き飛んでしまうという事でした。

不動産のランニングコスト・管理費に見る投資のあり方

日本国内の不動産リスクが高すぎる

日本の不動産をローンを組んで買うのは、あまりにリスクが高すぎると言えるでしょう。固定金利ならまだしも、変動金利で借りてしまうと、日本政府がこれだけ国債残高を増大させる中で、金利がいつ跳ね上がるとも分かりません。変動金利で金利が跳ね上がる事になると、たちまちのうちに返済が難しくなってしまうでしょう。このリスクというのは、人生を破壊するほどの破壊力があるので、現在の低金利をあてにして不動産を「変動金利ローン」で購入するのは絶対に避けた方が良いでしょう。自分の家を手に入れたいという気持ちがあったとしても、それをぐっとこらえて、賃貸住宅で我慢していればいいのだと思います。

日本国内に不動産を買うぐらいであれば、出来れば海外不動産に目を向けた方が良いと思います。海外不動産を購入するのは、国内の不動産よりも難易度が高くなるのですけど、その分だけリスク分散としては強力な武器とすることができます。ただし、海外不動産を購入する場合には、私であれば10年以上前から知り合っている絶対に信用できる「不動産関係に詳しい」友人がいた方がいいと思います。こいつなら、学生時代から付き合いがあるからOKと思うような場所であれば、その人に運用を任せて海外不動産に投資する事を考えます。もしくは、友人が海外不動産の仲介業をやっているとか。いずれにしても、全く縁もゆかりもない海外不動産に投資するのは、それもよほどお金持ちでもなければ、リスクが高すぎると言えるでしょう。

バブル時代の遺産が売れない

湯沢町などのスキー場の近くにあるリゾート物件であったり、熱海の温泉街の近くにあるリゾート物件がランニングコストが高すぎて売れないと言う場所が沢山ありますが、既に10万円を割っている物件といものもあり、無料タダでも要らないと思う人が多いのです。とりあえず価格が10万円の物件で、毎月の維持・管理費が安い物件であったとしても、1万5千円ずつ支払わないといけないのです。すぐに買った価格を超えてしまいます。そこまで通う交通費を考えると、年に数回利用できればいいほうで、ホテルにでも宿泊した方が明らかに安くて快適に宿泊する事ができます。

湯沢町のスキー場の近くにあるリゾート物件などを取得している人は、管理費の支払いに頭を悩ましている人が多いので、大量に売り出しが出ており、それが更に価格を引き下げるという悪循環になってしまっています。もはや、リゾート物件と言えば、資産要素が皆無の大きな負債と言った方が正しいでしょう。そんな負債を喜んで買う人などほとんどおらず、勘違いで買ってくれる人がいるような場所です。

住宅ローンで買うのは避けた方が良い

多額の住宅ローンを組んで買うのは避けるべきで、購入するとしたら半分以上を現金で用意できる場合にのみ購入に踏み切るべきだと思います。間違っても、頭金が100万円しか用意できないのに住宅ローンを数千万円で組むような真似は辞めた方が良いでしょう。「自分の身の程を知れ」というのは本当で、不動産が売却できなければ、頭金が僅か100万円しか準備できないのに多額の借金を抱えてしまう可能性があるからです。毎月の返済額ばかりに目をやらず、住宅価格が下落している時に住宅を手放す事を視野に入れるべきでしょう。特に自分が住まないで投資用という事であれば、頭金を半分以上は準備するべきです。

現金で購入すれば5000万円の物件は、35年ローンで2.2%の金利だとすれば総支払額が7000万円まで膨らみます。つまり、2000万円分だけ余計に働かないといけない状況になって、それが人生設計を圧迫する事になるのです。多額の借金で長期のローン返済というのは、人生に大きな負の悪影響を及ぼすことは間違いありません。返済の為のお金を逆に投資に回していたら増えていたかもしれないからです。100万円の借金をするのと、3000万円の借金をするのでは全く別物です。100万円の借金であれば1年働けば返せてしまいますけど、3000万円の借金を返すのに何年働けば良いかは未知数です。

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