DeNAのWELQは、自分たちだけ儲けようとした。コピペされた側に1円のメリットも与えずに自分だけ儲けようとして大炎上

  • 4 December 2016
  • のぶやん

WELQがビジネスに失敗したのは、非常に低賃金(1文字1円以下)という報酬で外部ライターを使おうとした事にもともと無理があり、2000円という激安の価格で外部ライターを使ったらコピペが氾濫するのを分かっていながら、『それはお前らの責任だ』とライターに責任を押し付けて、ぼろ儲けしようとたくらんでいたのが大問題でした。

簡単に言ってしまえば、全ての責任を外部のせいにして、『DeNAが自分たちだけ儲けようとしていた』という事です。それが、本当の炎上原因。

儲けるのがDeNAだけという問題

WELQで外部ライターが稼げるかと言えば、全く稼げる訳がないでしょう。記事の中身がなんでも良いから書けばいいという訳ではなくて、DeNAの要求したタイトルで、要求通りに書いてほしいという事で、それでようやく報酬が出るという超ブラックな内容のライターです。普通に考えれば、この仕事がブラックだと直ぐに分かるので、相当に金に困らないと引き受けないような仕事だと思った方が良いでしょう。それぐらい悪質性の高いブラックな仕事でした。

DeNAもこの仕事が最悪のブラック給与の仕事だと認識していたのか、ランサーズ、クラウドワークスなどに仕事として投げる時に会社名を伏せて投稿していたというのだからあきれ果てます。会社名は、仕事に応募してから初めて明かされるという年の入れようだったというのです。仕事を始めたら秘守義務などもありますので、簡単に外部に情報を漏らせないという事を計算しての事でしょう。とんでもないブラック企業だと思います。

外注にブラックすぎる作業をさせる

時給2000円だと1時間以内に仕上げないと割に合わず、最悪でも2時間以内に何としても書ききらないといけない訳です。この内容のライティングでは、いかに優秀な人が集中して書いたとしても、全く割に合わない作業です。そうするとどうなるかと言えば、非常にコピペで訴えられる可能性が強い『リライトツール』などを活用して、他人のものを勝手にコピペして少し内容を変えてリライトするという事になります。実質的には、リライトというのは、コピペに当たる訳で、引用した事を分からないようにするのは完全な盗作行為に当たります。

そこまでしてライターで金を稼ぐ必要がある人がいるのか?どうか知らないですけど、リライトツールで効率的にガンガン記事を作成する事が出来る人であれば、もしかしたら2000円で引き受ける人もあるかもしれません。クラウドワークスの中には、時給が600円というものまで存在しており、完全にリライトツールなどのかなりブラックすぎるツールを使わないと割に合わない訳です。それでいて、責任はDeNAにないから、ライターに責任があるというのは、本当に無責任な話で、DeNAが簡単に責任逃れはできないでしょう。

リライトされた人は完全に損をする

例えば、NAVERまとめであれば、パクリだと批判されながらも、引用された記事は引用だと明記されます。引用だと明記されれば、そこからリンク先に飛ぶ人はいる訳です。更に言えば、NAVERまとめに大量に引用された事によって検索エンジンで上位表示される可能性も期待できるわけです。少なくとも、引用されないよりは、どこかに引用された方が良いに決まっています。引用が全くないような論文は評価されないのと同じで、どこからもリンクされない文章というのは、この世の中に存在しないのと同じです。つまり、NAVERまとめは、『是非とも引用してほしい』という人は沢山いて、引用される側にメリットを与えているのです。

その引用されるNAVERまとめに比較すると、WELQの行っていたリライトというのは、引用先を全く明示せずに書き換えだけを行ってオリジナルのように見せかける行為で、そういう行為を行われると、リライトされた側は得する事は何もないばかりか、自分の記事よりもそのパクリ記事が上位表示された事によって逆に損失を被る事になる訳です。こんなリライトを行われたら、リライトされた側は誰だって怒るに決まっています。『俺の記事をパクった上に、何で嘘ばかりにリライトして公開してるんだ、ふざけるな』と思うことでしょう。

ビジネスは得する人が多くないと成功しない

ビジネスというのは、多くの人が得するから世の中から支持されて流行するのです。それをDeNAは、ライターが大損して書いて、リライトされた人が大損して、ユーザーは嘘の内容に損をするという状況になっていました。誰が得しているかと言えば、DeNAが広告主から貰ったお金でDeNAだけがぼろ儲けしようとしていた訳です。こんな卑怯なビジネスが成立する訳がないじゃないですか。DeNAは、『自分さえよければいい』と考えて、ライターさんを軽視したり、今まで記事を書いてきた人々を無視してリライトしたのです。こうした事が批判されて炎上するのは当然です。

NAVERまとめのように『ライターさんにも継続的に報酬を配りますよ』という事を表明して、自分たちが痛みを伴いながらもライターを大事にする姿勢を見せたり、文章をしっかり引用の形に明示して、文章を書いた人の場所にも飛べるようにしたりと、そういった配慮をすれば炎上しなかったんだと思います。『他人の物を出来るだけ利用して自分たちだけ儲けたい』と思うのは、大企業がやる事じゃないですよ。多くの人の支持を受けて今まで成長してきた企業が、まるで成長してきたのが自分たちの実力だけのようにはき違えた結果でしょう。

協力者をいかに増やすかが大切

あの大手物流企業のアマゾンでさえ、自分たちばかり儲けようとしないで、赤字を出しながらもプレミアム会員を4000円に押さえるなどユーザーに支持されるように懸命に頑張ってやっているのです。楽天は、さんざん出店企業などに批判されながらも、アフィリエイターへの1%報酬を廃止せず、楽天APIなどアフィリエイトを強化しています。楽天アフィリエイトに関わる人は、楽天ポイントが大量に貯まるので、楽天を更に利用する事は間違いなくなり、楽天の味方として活動する事になる訳です。大きな企業になればなるほど、関わる人は増えて、多くの人の支持を受けなければいけなくなります。『自分たちだけ儲ければいい』というのでは、誰からの支持も受けられなくなって炎上するのは当然です。

Yahoo!ショッピングの場合には、店舗を味方につける為に出店手数料を無料にしました。この結果、多くの店舗を味方につける事に大成功して、出店店舗数を大幅に増やす事に成功しています。しかしながら、Yahoo!ショッピングが楽天に勝てないのは、アフィリエイターが少ないという点です。アフィリエイトなど『販売する装置』がなければ、いかに店舗が増えたところで売れる事がありません。Yahoo!ショッピングは、今までもアフィリエイターの存在を無視して自分たちの販売力で何とかしようとして失敗してきたのに、今度はアフィリエイターを完全に切り捨てる事にしました。これではなかなか成功しない訳です。

個人が会社と離れて力を発揮する時代

今の時代は、個人が会社と離れて力を発揮する時代であり、多くの個人(特に個人事業主など)を味方に付けた会社が力を発揮する時代でもあります。例えば、楽天アフィリエイトの例を見ると、楽天アフィリエイトが楽天の売り上げの3割にも達しているというのですが、その売り上げる金額は、年間3000億円にも達する訳です。楽天にもたらす利益は、その5%だと計算しても150億円に達します。全く馬鹿に出来ない数字を多くの個人が集合して叩き出すのです。楽天が今までさんざん炎上しても耐えてこられたのは、『楽天がなくてはいけない』と思う店舗、ホテルだけではなくて、アフィリエイターというインターネットで大きなパワーを持つ人たちを味方に付けてこられたからにほかなりません。今では、楽天モーションウェジェットなどは、Google Adsenseの代替広告などで利用される事もあるほど良く利用されています。

更に言えば、ソーシャルネットワーク(SNS)などで評判が良くなることは、企業ブランド価値の向上に役立ちます。DeNAが行っていた事は、誰も味方に付けなかったので、ソーシャルネットワーク(SNS)で影響力が強い人たちに簡単に叩かれてバンバン炎上しました。ライターに対してもっと報酬を高くする(例えば1万5000円~2万円)事であったり、写真家にお金を渡して味方に付けておくような工作をしっかりと行っておけば、こんなに炎上しないんですよ。インターネットで炎上したt沖に『私はDeNAの味方』という人が多ければ多いほど、DeNAには有利に働くことになります。しかし、DeNAには今回は誰も味方しなかった。だって、誰もDeNAからお金を貰ったわけでもないし、低賃金で働かされていた労働者は、むしろDeNAに恨みさえ持っていたのか、簡単に内情を暴露しはじめた。

東証一部上場企業がブラック価格で外注するな

お金がないベンチャー企業が『どうしてもお金がないから2000円で何とか許して下さい』と言ってライターを雇うのと、内部留保をゲームでたんまりと蓄えてきた1部上場企業が2000円でライターに外注するのは、全く意味が違うでしょう。DeNAがランサーズなどに外注していた『1文字0.5円~1円』とか『2000円で8000文字』というのは、明らかにライターを馬鹿にした金額で、しかも自社の会社名をを伏せて行うという完全にブラックすぎる報酬形態になっていた。こういった事は、東証一部に上場して公になっている企業がやっていい事ではないという事は、誰の目にも明らかでした。

ベンチャー企業の経営者でも『さすがにこの価格でライターを集めるというのは難しいからもう少し高くしようか』という事になるでしょう。実際に私が知っている大学生のライターは、800文字の調査記事で4000円で、自分で周囲にしっかりとアンケートして、その結果を記事にしていて感心しました。そういった企業努力をせず、ブラック価格でコピペのリライト記事を量産させて、『責任はライターにあります』というような態度では、明らかに社会のモラルに反した行為を行っている訳で、炎上したのは仕方ない結果だったと言えるでしょう。

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