ハード

ハードからソフトの時代に転換するスピード

  • 29 March 2013
  • のぶやん

以前から言われている事ですが、最近になってますます「ハードからソフトの時代」が加速していると感じます。イギリスで1800年代前半頃に産業革命が起こって、工業製品の大量生産が可能になりました。日本などの先進国では、工業製品を主力にして大きな発展をしてきました。しかし、工業製品の価格は大幅下落を起こしています。中国などで安価な部品、労働力を大量供給して、安い工業製品が出回るようになってハードの価格は総崩れしました。

電話


複合端末が加速

従来のハードは、パソコン、テレビ、電話、CDプレーヤーなど、それぞれの家電製品というのは全て独立していました。それがPC1台でパソコン、テレビ、電話、CDプレーヤー全ての役割が果たせるようになっています。携帯用の複合端末としては、スマートフォンがあって、テレビ、電話、CDプレーヤーまでこなせます。1台が複合的に活躍するので、ハードよりもソフトの方が重要になりました。

多くのハード機器が不要になってしまったので、ハードを作っていたのでは採算が全くあわなくなって、ソフトを作らないといけなくなってきてしまったのです。しかし、困った事に多くのハード企業は、ソフトの分野で標準となるような開発を行ってきてはいませんでした。例えば、携帯のOSにしても、多くの企業が各自がそれまで独自開発したものを搭載して販売を行ってくるなど、独自路線が非常に強かったので、ソフト開発が遅れました。

TVゲーム機は消滅する?

TVゲーム機は、あと10年以内に確実に消滅する可能性は高いと言えるでしょう。Wii Uにしても、ゲーム機がなくてもPCゲームであれば、もっと便利なはずです。単に優れたコントローラーがあった方が安価で多くの人に普及するでしょう。任天堂は従来のやり方のようにTVゲームにこだわっていますが、パソコンやスマホ上でゲームできるようにした方が市場がはるかに大きいような気がします。

任天堂は、3Dであったり、Wii Uなどで失敗していますが、問題となっているのはゲーム機自体というよりは、今まで行ってきたビジネスモデル自体が通用しなくなってきた事を認識して、新しいモデルを作り上げる必要性が出てきたのでしょう。それがどんなモデルかは、分からないですけど。

電子書籍はもっと安くなる?

今までは、アマゾンなどで購入すると、何と書籍1冊1500円とか2000円とかで購入しなければいけなかったのです。インターネットで無料で情報が閲覧できる現代において、これほど高いお金を支払って文字を購入する理由は薄れてきています。電子書籍は、今は出版された書籍と同じぐらいの価格で売られていて、1割-3割安い程度になっています。

現在の電子書籍の詐欺のような高い価格が長く続くはずはなくて、あと10年以内に1冊100円ほどになる事が予想できます。印刷費用、流通費用などが全くかかっていないので、100円で売れるはずなのです。バックパッカーが5カ国移動するのに地球の歩き方を何冊も持ち歩くのではなくて、スマホにダウンロードした電子書籍を持ち歩くだけになるでしょう。

新聞を購読すれば、1ヶ月に3000円以上の購読料がかかりますが、今では多くの若者が新聞購読を行わずにインターネットで無料で情報を仕入れるようにしています。NAVERまとめのような無料でまとめられた情報が充実してくるにしたがって、500円も1000円も支払って雑誌を購入する人は誰もいなくなり、結果として神媒体の雑誌は消滅していく事でしょう。出版社は、電子書籍などソフトの分野でビジネスモデルを確立していく必要性に迫られています。

収入を得る方法が変化する

今までは、出版社などで「編集者」として懸命に働いていた人であったり、工場でハード機器を生産していた人は、失業のリスクにさらされる事になるでしょう。電子書籍になっても出版社自体はなくなりませんし、ハード機器も医療機器などの分野もあるので全て消える事はないでしょうが、少なくとも多くの職場で人員が必要なくなる可能性があります。

これから必要になってくるのは、ハードの中に入れているソフトを動かす側の人間になってくるでしょう。そして、そうした人材というのは、グローバルな競争にさらされるので、厳しい競争社会になると予想できます。今までのように地元のハードを作る工場に就職したからといって、その工場でずっと働けるという事はなさそうです。

もっと簡単に言えば、1日中コンビニでバイトしても1万円しか稼げない人と、1日1時間だけ株取引をして10万円稼ぎ出す人の格差という事になるでしょうかね。
 

カテゴリ: 

アドセンス広告

関連記事