有利子負債

有利子負債は、会社が利子をつけて返済しなければならない負債である。これには、会社が金融機関からの借り入れで資金調達した借入金や、債券市場から資金調達した社債、転換社債、コマーシャル・ペーパー(CP)などが含まれる。 負債の中でも、買掛金、支払手形、未払金などは、利子がかからないため有利子負債には含まれない。 かつては手形の割引も実質的に手形を担保とした借入とみなされ、手形割引料は利子と同様のものとみなされていたが、平成12年の「金融商品に係る会計基準」の適用により、手形の割引(または裏書譲渡)は手形の消滅を認識すると規定され実質的に手形の売却とみなされることに改められた。

手形割引料は「手形売却損」とする処理に改正され、会計上利子として扱うことは認められなくなった。(金融商品会計に関する実務指針34) それを受けて、上場会社の会計・決算発表や監査法人等による監査の実務では、割引手形は有利子負債に含めないことが本則となっているが、逆に株式非公開の中小零細企業の実務においては「手形割引料」は勘定科目上区分経理していても、実質的に中小企業会計指針により「支払利息割引料」という形で以前からの会計基準通り、割引料は利息扱いされることから、割引手形は有利子負債と扱われる。 また、企業の財務諸表の欄外に注記される「保証債務」は、利子が発生しないため有利子負債には通常含めない。

すぐに換金できる資産である現預金や預入期間が3ヵ月未満の定期預金、有価証券などの分を差し引いて純有利子負債を表す場合もある。 有利子負債残高は、企業の財務状態の安全性分析において重要な指標の一つとして位置付けられている。 上場会社の会計・決算発表および監査法人等による監査における有利子負債の定義は、貸借対照表の「負債の部」に計上された勘定科目のうち、利子の支払いを伴う勘定科目の残高の合計を指す。 具体的には、短期借入金、一年以内返済長期借入金、社債、コマーシャル・ペーパー、長期借入金などの勘定科目が該当し、貸借対照表の欄外等に付記される「注記」の項目は有利子負債には含まれない。  (なお、金融商品会計基準および法人税法の規定では、手形割引料(「手形売却損」)を利子として処理することは許されていない。) 上場会社の会計・決算発表および監査法人等による監査が上記の定義によって行なわれているため、上場会社の株式を投資の対象としている証券会社、投資機関、アナリスト等が発表する上場会社の財務分析、企業分析、調査レポート、格付け、投資判断、アナリストレポートなども、有利子負債の範囲について上記の定義を前提にしていることが多い。

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低金利で借金まみれになる日本の大企業。海外投資の競争激化で高値掴み

  • 15 July 2018
  • のぶやん

日本の大企業は、バブル崩壊後に日本の資産を担保にして低金利で資金を調達、利回りが高い海外に投資する事で巨大化してきました。バランスシートがどんどん拡大して、株式などの資産が急増している一方で、多額の負債を抱える上場企業も沢山あります。

ソフトバンクの借金15兆円

ソフトバンクは、借金総額が2018年1月の時点で15兆円にも達しています。15兆円も負債を抱えると、利息が2%だとしても、利息の支払いだけで1年3000億円にも達してしまいます。ソフトバンクは、1年3000億円の利息支払いを行った上で、さらに新しい投資まで行わなくてはいけないのです。実際には、年間の有利子は4600億円に達していおり、国内状況企業の利子払いの2割にも達しています。

ソフトバンクの2017年度の年間営業利益が1.5兆円ほどありますが、巨額の利子払いが経営を圧迫しており、純利益は1000億円しかありません。純利益から投資を行わなければいけないので、実際には新規投資をする資金がないような状況にあります。非常に危険な状況にあると言えるでしょう。2013年まで1000億円以下だったソフトバンクの有利子の支払いは、2014年以降に急増、5000億円近い金額に達しています。利益が出なくなったら終わりです。

低金利でバランスシート膨張

ソフトバンクは、アリババ投資が大成功したり、パズドラを大ヒットさせたガンホー株が大当たりしたことにより、株価が上がって資産が増えたので、それだけ借金できるようになりました。みずほ銀行などは、ソフトバンクに多額の融資を行っており、既にソフトバンクとグループ化している(ソフトバンクが危なくなるとみずほ銀行も危なくなる)ような状況になっています。

これほど膨大な借金を抱えたソフトバンクが破たんしないのは、日本が低金利であるからです。日本の金利が跳ね上がれば、ソフトバンクは、みずほ銀行を巻き込んで破たんしかねません。借金してレバレッジをかけた経営は、利益を増大させますが、失敗した時の経営リスクは付き物です。そして、株価が暴落すると、借金の担保がなくなって返済ができなくなる企業が沢山でてきます。

アメリカ企業はソフトバンク型

このように低金利で借金をして、海外の高収益企業に投資するというスタイルは、ソフトバンクに限ったことではありません。多くのアメリカ企業・日本企業が低金利の中で膨大な借り入れを行って、レバレッジをかけた海外投資で収益をあげてきました。特に2000年からの中国の経済成長は、市場規模が大きいので、多くの企業に恩恵をもたらしました。

世界的に金融緩和が競われる結果となり、大企業の評価額だけがどんどん上がっています。その担保は、中国などの成長であり、その成長が鈍ると世界経済が混乱する可能性を秘めています。もちろん、ソフトバンクなど一瞬で吹き飛んでしまうかもしれません。

投資会社となってるソフトバンク

ソフトバンクが2016年9月に英国のARMを3.3兆円で買収しました。将来、あらゆるものにARMのチップが搭載されることを見通してのことですが、多額の買収費用は、ソフトバンクの経営をさらに圧迫する事になっています。今まで急速に伸びてきた世界市場におけるスマートフォンの販売自体は、既に頭打ちになりつつある事が不安材料にもなります。

このような投資会社化する経営スタイルに対して、ユニクロの柳井社長も英国のARM買収に反対しましたが、孫社長は聞く耳を持ちませんでした。ソフトバンクは、スプリント買収したあたりから、何を目指して経営するのか分からず、規模だけを追い求める会社に変貌していきました。

日銀が買い支えて株価だけが高い

日本では、日銀が株をどんどん買い支えている事によって、業績が良くない企業まで株価が高い水準にあります。上場企業に有利な状況を作り出すことは、市場を大きく歪める事に繋がってしまいます。簡単に言ってしまえば、大した将来性も見込めないような企業において、株価が高い価格で維持されることなどあり得ないのです。

競争による収益力に低下

低金利時代に多額のお金を調達して投資する問題は何か?と言えば、最も脅威なのは競争による収益力の大幅低下です。非常に分かりやすい例として、レオパレスがあります。新築の物件は、比較的すぐに埋まり、築浅の物件も人気があります。しかし、5年ぐらい経って入居率が悪くなり、10年もすると入居率が下がって収益性が悪化します。

世界的な低金利に伴って、低金利で資金を調達して株式を購入したり、不動産を購入する流れは加速しました。しかし、株式・不動産の価値というのは、供給過多になると価値が大幅に下落するものでもあります。実際、日本でも東京以外の地域で住宅は完全に供給過剰であり、東京でさえ供給過剰が起こりつつあります。ここで金利が上昇すれば、不動産の価格はさらに下落する事になるでしょう。

小売業の商店もよくあるパターンですが、稼働させた当初はうまくいっても、それが永続的に続く保証はありません。特に周囲に競合する建物ができると、お客を奪われて収益率が大幅に低下するという事が起こりえます。そうしたリスクを誰が背負っているのか考える事が重要です。

自分の収益力・技術を高める事が大切

日本の多くの会社は、デジタル化に遅れており、新しい収益のビジネスモデルを保有していません。その典型的な例が新聞社であり、非常に高い価格で大した価値がない情報を高値で高齢者に売りつけるビジネスを行っています。多くの人がインターネット・スマートフォンを利用するようになっていくと、新聞社の価値は大きく下落する事になります。

従来の高収益に代替する競争力のあるイノベーションを起こす事は、個人にとっても企業にとっても非常に重要になります。例えば、ツィッターのタイムラインは、動画に対応したことでレシピ動画が躍進、女性向けのマガジンが雑誌からオンライン動画の傾向がさらに加速しています。

大規模化しないと勝てない時代

競争の激化でインターネット企業ですら成長したり、利益を出すのが至難になってきています。同業者との競争が激化して薄利化してくると、さらに規模を大きくしないと儲からなくなります。商品数1点当たりで利益がでないので、商品数を増やして大規模化していかないと儲からないのです。ユニクロなどは、全国どこでも店舗を出店しており、飽和状態になってオンラインでの売り上げを加速させています。

インターネット上で、2000年代であれば個人サイトでもアフィリエイトで勝負できたかもしれませんが、今では大規模サイトか、ユニークサイトしか稼げなくなっています。そして、大規模サイトにはそれなりのスキルが必要になるので、スキルがないと稼げない状況になっています。小規模の個人サイトなどでブログを運用しても、ほぼ全く稼げない現実があります。

Wordpressをインストールしてブログを書くのは簡単ですが、サーバー代すら稼げない場合がほとんどです。格安レンタルサーバーでは、小規模のブログサイトぐらいしか運用で来ません。2010年頃から主流になった格安VPSの方が費用対効果が高いので、格安VPSを使う人たちと勝負する事が難しい状況になっています。ちなみに、このブログは、バリュードメインを使っていますが、1年前払いで1800円/月のビジネスプランを使っています。

世界的に激化する競争

日本では、コンビニでコーヒーを買えたり、ドーナッツの販売が行われたりしています。これにより、コーヒー店の利用に影響が出たり、ミスドの売り上げが落ち込んだりしています。アマゾンのオンラインビジネスの売り上げが上昇する一方で、百貨店の売り上げがどんどん下落して、閉鎖が相次いでいます。旧ビジネスモデルでは、人件費がどんどん下げられています。

効率に対応するためには、非効率であったとしても、真似しづらいビジネスモデルを演出する必要があります。求められているのは、チェーン店が乱立する場所ではなくて、ユニークな場所として人々が集まるところです。

どんな「もの」に価値があるのか

テレビの視聴率を下げているのは、若者のテレビ離れでユーチューブなどを視聴する人が増えた事です。ユーチュバーは、1人で制作するので製作費が激安で、1つの動画で100万再生されます。それに対してテレビは、複数人で制作して製作費が高額で、視聴率が10%を切る(1%で100万人と言われる)事が頻発するようになってきています。ユーチューバーが芸能人に匹敵する人気になってきています。

ユーチューブに加えて、Facebook、ツィッターでも動画が出るようになってきました。Facebook、ツィッターでは、強力なシェアのシステムでタイムラインに拡散されるという特徴があります。今後は、ユーチューブ、Facebook、ツィッターなどで膨大な動画が再生されるようになっていくでしょう。SNSで大量に出される動画は、テレビの価値を棄損して、インターネットSNSの価値がさらに高まる可能性があります。

会社を利用した収益の強奪

トランプ大統領は、カジノが赤字だったのに個人としては儲かり続けて、大統領にまで就任しています。会社に対して投資家からのお金をかき集めて、自身は会社から『凄腕経営者』としてお金を受け取り続けました。会社が倒産したとしても、損害を被るのは投資家でした。

トランプほどではないにせよ、本当に価値のないものを高く売りつける天才というものが世の中に沢山存在しています。その1つが「オンラインサロン」と呼ばれるものです。月額5000円、月額1万円という高額サロンを『受講』する人は沢山いて、ファンクラブのような状態になっていますが、実際に長期間活動した人ほどむしり取られるシステムになっています。1人の人を信じ込んで学ぼうとしても、学べることが限られていることは明らかです。


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