ソフトバンクの失敗は、技術力を高めようとしなかった事
ソフトバンクは、孫さんがYahoo!Japanを成功させて、アリババの株式を購入して中国経済が成長した事でそれが大化けして、ボーダフォンの買収でソフトバンクという携帯会社を保有した事で、日本でも有数の大型企業に成長していました。しかし、2012年まで4兆円ほどだった有利子負債は、2013年の米スプリント買収(2兆円の買収資金+3兆円の有利子負債)で急激に増えて、ソフトバンクの経営を圧迫するまでになりました。
ソフトバンクに欠ける技術力
Googleが高い利益率を保持できるのは、その高い技術力によってソフトウェア分野で優位性を保っているからです。アマゾンに関しても、ショッピングからデータセンターに手を伸ばしています。また、アップルは、コンピューターの会社からソフトの会社になり、ハード・ソフトともに強みを持っています。このように技術力を背景にして高めてきた会社は、買収先を技術力で選択していく傾向があります。
ソフトバンクの場合には、経営者として2014年にニケシュ・アローラ氏を招聘しましたが、100億円も給与を払って招聘して『次期社長』と押していたにも関わらず、すぐに解任してしまう事になりました。アローラ氏から見ると、孫社長は『感覚に任せた買収を行っていて、それは良い事ではない』と考えていたようで、対立を生んだというのです。
欠点を克服する技術力
買収先が株式を売る場合には、その買収先の企業にとってもメリットが大きい事が重要になります。技術を与えたり、技術を吸収したりすることが重要になるので、単なる金が目的の買収というのは、長期的に見ると失敗しやすい傾向にあるでしょう。実際、ソフトバンクは買収で巨大化してきましたが、新しい何かを生み出す事はできていません。ソフトバンクは、実に沢山のベンチャー企業に投資しているにも関わらず、多くが大化けしていません。LINEも生み出せず、NAVERまとめも生み出せませんでした。
Yahoo!は、EC事業でも順調であるとは言えず、Yahoo!ショッピングの手数料無料化で楽天に対抗しようとしましたが、楽天の牙城は今でも崩れていません。楽天の時価総額が1.7兆円である事を考えると、スプリントを買収するより楽天に買収を仕掛けた方が良かったのではないかと思うほどです。
投資を続けた失敗
ソフトバンクは、投資によって大きくなった会社であり、スプリントを買うまでは、孫社長は天才的な投資手腕を見せていました。しかし、スプリントの失敗で欲を見せてしまった事がソフトバンクを窮地に陥らせる事になります。2016年末の時点でソフトバンクの借金総額が14兆円にも達していて、返済する事が困難であるばかりではなくて、会社自体が非常に不安定な状況に陥るほどの借金になってしまったのです。
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