国家は信用を活用すれば『低金利でいくらでも』お金を借りる事ができるが、返済金額は膨れ上がる

  • 21 June 2017
  • のぶやん

先進国はいずれも低金利の状況にあり、そのような状況においては、国家はいくらでもお金を借りる事ができます。アメリカが良い例で、国債を償還しながら、それを借り換えという形で再投資する事によって、国債残高を平然と増やし続けています。

アメリカの金利引き上げ

アメリカは金利をジワジワとあげてきていて、現在の金利が1.00~1.25%となっています。EUが金利0%で、日本が金利0.25%であるのに対して、先進国の中でアメリカの金利が特に高い事が分かります。この理由として『金融緩和で景気が上向いているから』と考える事もできますが、実態は株価がリーマンショック後に8年も上昇し続けている中で、金利をあげておかないと、株価が下落した時に対応策がなくなってしまうというのもあるでしょう。

アメリカでは、更に金利の引き上げが見込まれていて、前回の2017年6月14日に金利が予定通り0.25%引き上げられてからは、ドル円で米ドルが買われる展開となっています。2015年12月に金利が0.25%から0.5%に引き上げられて以降、日米、そして米国とEUの金利差は拡大しています。

FRBのバランスシート

FRBは、バランスシートを縮小するかどうかは、経済の状況を見極めてからとしています。その前に金利で調整しています。バランスシートの縮小というのは、かつてない規模のものなので、その影響がどのようになるか分かりません。一般的に考えれば、金利が上がればドルにお金が流れ込むのですが、それと同時に米国の株式市場に影響を与えるので、米国の株式市場が崩れる可能性があります。

FRBによる金利の上昇に伴って、住宅ローン・自動車ローンなどの負債を返済できない人が出てきて、悪循環に陥る可能性もあります。これだけアメリカの株価が上昇し続けているにも関わらず、米国の金利は1%~1.25%で推移させる事になっており、金融政策で取れる政策は限られています。それよりも問題なのは、日本の金融政策で

次に打つ手がなくなる危険性

米国がバランスシートの拡大によって株価を押し上げてきましたが、それが金利上昇などによって株価が上昇しなくなった時には、バランスシートの縮小どころか拡大に動かなければいけなくなってしまいます。仮に株価が急激に下落していくと、そこでバランスシートを拡大して景気に効果があるのかどうか分かりません。それは、株価が上がっても労働者の賃金が伸び悩んでいるからです。

米国よりも深刻になるかもしれないのは日本の方で、日本の場合には、日銀バランスシートが500兆円を超えていて、更に0.10%という調整の効かない低金利となっています。このような状況において、世界恐慌のような事になると、金融政策・財政政策ともに限定的になってしまうので、非常にヤバい事になる可能性があります。具体的に言えば、そこまで来て日本円の暴落を招く事態になるかもしれないという事です。

日本円が信用を失う時

日本には対外資産があり、その中で特に大きいのが米国債100兆円です。日本円が暴落する前には、この米国債で日本円を守る事になるので、米国債も暴落しかねない状況です。そうならない為には、国債の持ち合いを進める為にアメリカ政府が日本国債を買い支えるなどの措置に出る可能性もあるでしょう。もしくは、中国政府が日本国債を買いに入るかもしれません。いずれにしても、金利をあげて海外投資家が買うような状況にしなければいけなくなってしまいます。

日本の根本的な問題は、内需の減少によってGDPが下落していく事です。実際、日本は高度経済成長と言われる成長をとげた後は、企業が海外に工場を移転(特に中国)したりして就職氷河期などを経て、労働者の賃金は全く上昇せず(むしろ下落)してきました。日本は、失われた20年はとっくの昔に過ぎて、もう日本の国力が落ちている事は明らかになっているのです。特に問題を大きくしているのは少子高齢化です。

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