低賃金労働者だらけの日本が没落する!価値を生み出すものを作れなくなった日本人が中流階級から没落して貧困化
日本では、高等教育である大学を卒業したにもかかわらず、派遣労働者・アルバイトで働く人が多くなっています。大学では、主にホワイトカラー労働者となる知識を教わりますが、その知識は実際にお金を稼ぐ時に役に立たない事も多いです。その為に派遣労働者・アルバイトに就職して、企業に正社員として技能を保有して入社する高卒以下の賃金しか受け取れない場合も増えています。
そもそも、大学で授業を教えている講師たちも、その多くが非正規雇用で貧困化している現実があります。簡単に言ってしまえば、彼らのような技能を習得しても、大したお金を得られないという事になります。研究して本を書いても売れなければお金にならず、大学の授業は少しずつビデオ授業に置き換わっていくでしょう。1コマ4000円という状況です。
誰でもできる仕事に価値なし
日本の少子高齢化で労働者不足と言われているにも関わらず、労働者の賃金が上昇していきません。この理由として、経営者側が外国に工場を移転したり、外国人労働者を雇ったりする事を考えています。労働者の賃金をいちど上昇させると、元に戻すのは難しい状況になってしまうので、外国人労働者の受け入れを検討する企業が増加しています。
アメリカ化する日本の労働者
アメリカでは、北米自由貿易協定(NAFTA)が1994年に発効した事によって、工場が次々とメキシコに移転しました。イリノイ、インディアナ、ミシガン、オハイオ、ペ ンシルバニア諸州を含むアメリカの地域は 「ラストベルト(さびついた工業地帯)」と呼ばれるまでさびついた状態になりました。工場の海外移転によって140万人の雇用が失われたといいます。工場労働者の賃金は移民の労働者と競う事になってどんどん低賃金になりました。
アメリカの工場経営者たちは、『工場を海外に移転する』と従業員を脅して、人件費を抑え込んでいるので、アメリカの工場で働く人の賃金は上昇しません。
会社が抱える労働者の限界
会社が抱える労働者は、限定された必要な情報しか与えられません。つまり、軍隊の戦略を立てるのが上層部で、下級兵士に対して作戦の意味を理解する必要性は要求されません。これが顕著であるのはコンビニのオーナーで、コンビニのオーナー兼店長の権限というのは、その店舗の発注などを行いますが、店舗の形態そのもの自体について何も権限をもっておらず、いわゆるコンビニにおける契約社員のような形になっています。コンビニのオーナー兼店長の仕事まで、誰でもできるようにマニュアル化されています。
このような状況でコンビニチェーン店のオーナーを始めるのは、ほとんど自殺行為のような状況になっている事は、以前のブログ記事でも紹介しています。コンビニのオーナーというのは、コンビニを運営する会社の契約社員で、24時間営業という『非常に条件の悪い』仕事の内容で契約して酷使されています。
産業革命から情報革命の時代
2000年代からインターネットの情報革命が起こって、産業構造が大きく変化しました。産業革命によって、工場資本を使って労働者が単純作業に従事して仕事を得たのと同様に、現在では情報を生み出すという事が単純作業になってきました。例えば、誰でも書けるような文章のライター単価というのは、1文字1円となっていて、翻訳業務ですら1文字3円という激安化しています。このような状況の中で、情報産業でも利益を出す事が難しくなっています。
当初は、ブログを少し書くだけで数万円にもなった情報産業ですが、最近では競争が激化して、普通にコストをかけて情報を発信していたのでは、ほとんど儲からなくなってきています。ライターの価格を安く外注するばかりではなくて、サーバー代金のコストを安くして利益を上げる事が求められ、レンタルサーバー会社の競争も激化しています。また、コピーする技術を活用したり、動画にして情報量を多くする事が求められています。
アマゾンが儲かるのは、1つ1つの利益率を見れば決して多くありませんが、膨大な数の商品を扱う事で利益を得ているからです。アマゾンは、更なる効率化を目指して、工場でもロボット化を進めたり、サーバービジネスで稼ぎ始めるように事業を多角化するなど、更に便利なサービスを扱ってユーザーの囲い込みを進めています。
今後も進んでいく賃金下落
派遣社員・アルバイトを抜け出す事は大切ですが、正社員になったとしても賃金が下落していけば、安泰と言う事はできません。正社員労働者は減少傾向にあり、正社員にかかるプレッシャーは、大きなものになっています。新卒で入社して、昇進したところで給料がそれほど上がらないので、昇進を嫌がる若手も出てきました。
大学を卒業したからと言って、単に正社員で入社して、与えられた仕事をダラダラやっているだけでは、大した技能が身に付きません。何故なら、社員の仕事自体が『その人が辞めても会社が回るように』作られているからです。会社としては、更なるコスト削減の為にオートメーション化を進めて、どんどん国内の人員を削減していく事になります。職業における技能レベルが低い人たちは、もはや『誰でも出来る仕事』であるスーパーのレジのような仕事しか残されていない状況になります。
会社を辞めたら資産ゼロ
多くの労働者が生活を会社に依存している近代のシステムにおいては、労働者が会社の所得を減らすことは、労働者が何も持たない身分に大きく転落して貧困化する事を意味しています。実際、正社員がようやく失業保険、ボーナスなどを受給する権利でギリギリである一方で、派遣社員・アルバイトなどの身分になると、もはやそれすら失われ、貧困と隣り合わせの生活となります。正社員であったとしても、会社を辞めたら食っていけない人は沢山います。
このような状況において、会社だけに収入を依存する事は非常に危険な状態であると言えるでしょう。
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