NAVERまとめは、1000億PVを稼ぎ出せるか?

  • 23 March 2013
  • のぶやん

NHN JAPANウェブサービス本部サービス企画1室室長の島村武志氏は、インタビューで「目指すのは1000億PVです」と答えています。これは、Yahoo Japanの500億PVを目標として、NAVERまとめにおいて、それ以上のアクセスを稼ぎ出したいという目標が読み取れます。1日平均して20億のPVを稼ぎ出す必要があるので、達成するのはかなり大変と思う反面で、今の速度でNAVERまとめのアクセス数が伸び続ければ、500億PV、1000億PVを稼ぎ出すのも「夢のような話」ではないと言えます。

日本のウェブサイトは、「Yahoo Japan」と「その他のサイト」に分類されます。それほどまでにYahoo Japanのポータルサイトとしての影響力が強くて、Googleの検索を凌いでおり、世界最大で最強のサービスと言われています。Yahoo Japanは、日本のウェブサービスの半分以上を保有していると言っても過言ではありません。インターネット先進国の日本において、2007年時点でインターネットユーザーの約9割が月に1度はYahoo! JAPANが運営するいずれかのWebサイトを利用しています。

年間1000億円の利益を叩き出すYahoo Japanの利益を利用して、孫社長がソフトバンク購入を行えた理由もわかります。こういった状況は、歪んだウェブの情報を生み出していると言えるので、早急に解決される必要があるでしょう。そのYahoo Japanに対抗できるサービスとして、NAVERまとめが注目されます。

存在しないものを存在するものへ

Google検索のランキングでは、サイトごとにランキングされるので、1ページ目にないサイトは「存在しないサイト」として扱われます。どんなに歪んだ情報であっても、Googleの1ページ目に表示されれば「社会に注目される情報」となる訳です。NAVERまとめでは、少なくとも引用形式で少しずつ情報を拾ってくるので、多数のウェブサイトの「良い所をつまんでくる」という事で、情報にかかる歪みはGoogle検索よりも少なくなります。Google検索で「存在しません」とされた優良なサイトは、NAVERまとめでは、目立つ優良サイトとして掲載する事が可能になるのです。

2013年はNAVERまとめ勝負の年

2013年1月時点におけるNAVERまとめのPV数は、10億PVほどですので、Yahoo Japanの20分の1、下手をすれば50分の1ぐらいしかありません。これをYahoo Japan並に高めていくには、物凄いスピードでPV数を増やしていく必要性に迫られます。Googleの上位表示をとったり、TwitterやFacebookで拡散したり、Wikipadiaの地位を奪うなど、ありとあらゆる考えられる策を全て打って、PV数を伸ばす必要性が出てくるでしょう。2013年にアクセスをどれだけ伸ばせるかという事は、NAVERまとめにとって非常に重要になりそうです。

1つのコンテンツで100万PV以上のコンテンツ量産

普通にまとめを作っても、10万PVも集まれば「優秀なまとめ」と言う事ができるでしょう。100万PV以上のアクセスを集めるコンテンツというのは、NAVERまとめ内部においても、それほど多くありません。現段階で数百といったところでしょう。1つのコンテンツで100万PVを集めるには、毎日数万PVを集め続ける必要があり、そうしたコンテンツを生産するのは簡単な事ではありません。今後は、数百万PVのコンテンツをいかに沢山NAVER内部に抱え込むかというのが1つの重要な課題となってきます。

億単位のキュレーターの育成

アイドルまとめを量産した卍郎さんを奨励者にしていたようにNAVERまとめでは、PVを稼いでくるキュレーターの育成に力を入れていました。商売でやっているので、PV数が必要な事は理解できますが、サービスの質の低下を招きすぎると、今度はサービスとしての存続が危うくなってしまいます。何故なら、アイドルまとめを量産したところで、広告単価をあげる事は不可能だからです。PVばかり集まって広告単価が落ちたのでは、商売になりません。広告の単価をあげようと思えば、金を持ったビジネスマン・高学歴者をウェブサイト内部に抱え込む必要があります。つまり、金融などの情報が金を運んでくるには良い情報なのです。

卍朗さんなどは、NAVERの計測で1500万PVほどでしたが、NAVER全体でNAVERまとめが目標とする1000億PVを達成する為には、トップキュレーターに億単位のアクセスをとってきて貰う必要があります。何故なら、現在数千名のキュレーターがいるなかで、ほとんどのアクセスをトップ100人ほどが稼ぎ出している可能性が高いからです。NAVERまとめのアクセスの多くは、トップ100人ほどのキュレータによって稼ぎ出されているでしょう。このキュレータの1人あたりのPV数を10倍ずつに伸ばされば、100億PVを超えてくる見込みが出てきます。

キュレーター側としても、現在の状況で月額数千円ー数万円のインセンティブの人が多い仲で、PV数が増えて、月額数万円ー数十万円になってくると、NAVERまとめに対する意欲や方法も大きく変化してくる事でしょう。何故なら、月額数十万円の収入といえば、NAVERまとめだけで生活できるレベルになってくるからです。

専門性の高いまとめも重視する姿勢

NAVERまとめの過去のインセンティブ制度では、PVだけが評価されていたので、広告単価が低い「おもしろ系まとめ」などPVだけが集まってお金にならないまとめに対して、沢山のお金が配分されるという問題点がありました。そこで、NAVERまとめの運営者である島村室長さんも、インタビューの中で「ユーザーが楽しく使える場にしたいというのは前提にありますが、それとは別に、専門知識を世の中に役立ててもらう場、知見を交換できる場としたいですね。」と答えています。専門知識、知見を交換できる場とした方が、様々な広告に対応できる可能性が高まるでしょう。

NAVERまとめは、特に10代、20代が多い訳ですが、巨大サービスにしていく為には、そういった層を限定せずに、日本のどの層にも利用者層を広げていく必要があります。特にお金をたっぷり持っていて、高額の単価を落としてくれる高齢者層にNAVERまとめのユーザーが広がっていけば、NAVERまとめも1000億PVに近づく事ができるでしょう。その為には、高齢者にも対応できる専門知識や知見の交換の場となっていく必要もあります。

ALL ABOUT JAPAN並みの情報量に

現在のNAVERまとめでは、ALL ABOUT JAPANの専門性に太刀打ちできていません。専門分野においては、ライターが執筆したとされるALL ABOUT JAPANがまだ優勢です。しかし、NAVERまとめでは、少しずつ専門的なまとめも作られてきていますので、これからはALL ABOUT JAPANの専門分野も脅かすほどの潜在的な成長力を持っている事は確かです。現段階においては、まだNAVERまとめの情報力は不足しており、まとまっていない情報が散在しているように見受けられます。

今後、NAVERまとめがALL ABOUT JAPANのように専門的な情報を重視して、情報が充実してくる事が期待されます。数千人が活動しているまとめ作成者に対して、「NAVERまとめで欲している情報は、専門知識なども欲していますよ」というメッセージを積極的に発信していく事で、NAVERまとめにおいて専門知識が少しずつ充実していくのかもしれません。卍朗さんのようにアイドルまとめ量産したところで、大きなお金を動かせない上にALL ABOUT Japanに勝てるようなサイトには仕上がりませんからね。

ALL AOBUT JAPANの特徴としては、フリーランスの「ガイド」と呼ばれている人を用いていて、非常に強力な専門知識を繰り出して、独自の有益な情報を提供しています。NAVERまとめでは、そこまで専門的な情報を提供している人は多くありません。しかしながら、ALL ABOUT JAPANにない「誰でもまとめができる」という強みもあるので、フリーランスで情報をもて余している人、もしくは「書籍も出版したけど、NAVERまとめにも情報を出しておくか」という積極的な情報提屋さんをいかに取り込むかというのは、課題になってきそうですね。

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