ワンルームのマンション投資は本当に儲からないのだろうか

  • 1 February 2016
  • のぶやん

ワンルームマンションを大手企業に勤務する友人が売却したという話を聞きました。買ってから2年ほどで売却する事になったので、利益が出たか言えば、もちろん利益になりませんでした。

 


入居率を上げるためにあらゆる努力

最新の投資情報を沢山持っているような大家さんでさえ、入居率を上げるためにあらゆる努力を講じて、それでも入居率を高くするのは至難の技です。入居率をずっと高く維持するためには、入居者の満足度を高める為に努力をしたり、周辺の土地を調査しながら、客観的に自分の物件を見て価格を決めたり、日頃から物件の住みやすさなどをチェックしたりする事を欠かす事ができません。

このように入居率を上げるためには、かなりの労力を必要とするのですが、ワンルームの場合に出る利益というのは、良くて数万円、場合によっては1万円という事もあるので、費用対効果に疑問を持つ人が多いようです。特にサラリーマンの場合には、月収20万円をあげるサラリーマンが、膨大な労力をかけて1、2万円稼ぐワンルームに時間・お金を投資するのを非効率だと考えるのは普通の事です。しかしながら、サラリーマンが副業でできるビジネスなどというのは、それぐらいのものなのかもしれません。

 

サラリーマン大家では難しい

サラリーマンをやりながら大家さんをやるというのは、成長が全くないような日本の市場においては、もはや難易度が高すぎると考えた方が良いでしょう。現金一括で購入してローンがなければ、空室が出たところでそれほど焦らなくてもいいのですが、サラリーマン大家さんのほとんどがローンを組んで購入しているので、空室が出た瞬間から『持ち出し』が増えてしまいます。そうした『持ち出し』というのは、サラリーマンにとって生活を悪化させる要因にもなって、物件売却に繋がる事も多いです。

特にまとまった貯金がないにも関わらず、頭金だけで物件を購入したりする場合には、ローンの返済金額が大きければ大きいほど苦しいやりくりに迫られる事になります。だからと言って、ローンの返済額を下げたりすると、期間が長くなって支払い金利も膨大なものになってしまいます。最初から現金・時間を持たない人が勝負をしかけるのは、あまりに無謀すぎると言わざる得ない状況なのです。

資産・時間を持っている富裕層にサラリーマンが副業でどうやって対抗していくというのか、その答えを出すのは簡単ではありません。

儲からなければ単なるサービス

投資の業界においては、1つの物件において『誰も儲かっていない状況』というのは確実に存在します。ワンルームの大家さんは『持ち出し』の状況で、管理会社も管理の手間ばかりでほとんど利益が出ていない、それなのに入居者の満足度は低いのですぐに退去したいと思っているというような状況というのは、良く発生しています。言い換えれば、1つの物件の運用にあたって『誰も儲かっていないような状況』です。

本格的ビジネスではなくて、副業としてぐらいの思いでサラリーマンが手を出した場合には、単に『リスクを負ったボランティア』になっても仕方ないのかもしれません。本業で本気でやっている人にサラリーマンでは時間的に勝てないので、それだけ知識を身に付けたり、物件に足を運ぶ時間がないとビジネスとして展開するのは難しいでしょう。

自分だったらその物件を選ぶか

ワンルームなどであれば、自分で投資用物件に数ヶ月ぐらい住んでみるのも良いかもしれません。どういった所にスーパーやコンビニがあって、生活に便利、不便などというのは、実際に住んでみないと分からない事も多かったりします。しばらく住んでみると、『思っていた以上に不便だった』という事もあって、すぐに退去する人が多い理由なども分かって来たりします。また、周辺よりも家賃の相場が高いという場合においても、退去率が上昇する要因になるでしょう。

『自分だったらこの物件を選ばない』と思うのであれば、家賃を下げるなどの対策を考えないといけないでしょう。入居者が『いずれ出たい』と思っていたら、それは危険信号なので、家賃を下げてでも退去を食い止めなければいけません。また、入居の時に大家さんの事ばかりを考慮した『敷金・礼金』などというものであったり、『更新料』というものを支払いたいと思うだろうか。自分でそういった事を良く考えて物件を選ぶ事が大切になります。

切り口を
逆転させないと儲からない

コストコは、量販店として『1200円の時給』を従業員に保証してやる気を出させています。地方だと時給が500円も乖離する例もあって、1200円の時給だと1日9600円になり、20日ほど働くと19万2000円という数字で、地方だと正社員以上の給与になる店舗もあるでしょう。普通に考えて欲しいのは、この1200円の時給が量販店でどうやって実現できるのか?ということです。先ずは、正社員の数が少ないことで、現場の賃金を上げることが考えられます。他には、『売っているものが激安であり、利益率がそこそこ高い』という事もあるでしょう。つまり、添加物が大量に入っていたり、遺伝子組み換え食品を使っていてもお構いなしという事です。安いから良いという訳ではないことが分かりますが、コストコの勢いは止まりません。

最近の
シェアハウスなどは、狭く部屋を区切る代わりとして、『基本的に誰でも入居させる』というスタイルをとっています。この手法では、審査とは名ばかりで誰でも入居できる反面で、入居率を上げることができるので、空室を避ける事ができるという発想です。従来であれば1人住む場所に2人が入居する事でリスク分散になるという事があります。空室であるよりは、どんな人であってもとりあえず入居していた方がいいという考え方に基づいています。

利益率が極めて低くなっている

流通業者の利益率というのは、1%−2%というぐらい利益が出づらい状況になっているようですが、不動産業者でも似たような利益率になろうとしています。家賃が極限まで下げられた結果として、利益率が数%という所が増えてきているのです。こういった利益率というのは、少し間違えばすぐに赤字になってしまいます。10万円で貸したとしても、利益率が10%で1万円、利益率が5%になると5000円しか利益が出ないことになります。それでいて、特にローンを組んで不動産を購入した場合には、不動産のリスクが大きなものになってしまいます。

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