うちナビ(オンライン不動産賃貸仲介業者)が経営破綻。負債総額8億円

  • 15 October 2016
  • webplatform

不動産の仲介業などを業務とする『うちナビ』が2016年10月12日に役員の代理人が東京地裁へ準自己破産(役員が申請したため)を申請して、破産手続き開始の決定を受けたという事です。負債総額は推定8億円と報じられています。負債総額が8億円という事は、

直営店などを20店舗も運営していましたが、売り上げがそれほど上がらずに苦労していたようで、2015年3月期の売上約10億円、2016年3月期の売上高は約9億6500万円が報告されていました。この売り上げ高というのは、公表されている従業員数70人(最盛期140人だったようですが経営状況の悪化から従業員を減らしたようです)に対して小さすぎるので、従業員を雇いすぎて費用がかさみ、身動きが取れなくなったものと考えられます。

1995年から若者ターゲットに販路拡大

1995年(平成7年)11月に設立された不動産賃貸仲介業者として、都内の主要駅近辺を中心に直営店「うちナビ」約20店舗を展開して、従業員140人を抱える中規模企業となっていました。特に20~30代の学生・社会人を主要ターゲットとして大企業、大学生協などとの法人契約が多かったという事です。2013年秋に大阪梅田と福岡、2015年春には横浜へ直営店を出店して営業エリアを拡大しましたが、そのエリア拡大費用がかさんだ可能性があります。

帝国データバンクの発表によると、負債は2016年3月期末で約7億1300万円とされています。また、会社概要に『資本金5億7800万』と書かれているので、上場を見越してベンチャーキャピタルなどから投資を受けていたと見られています。結局、資本金と借入金で規模拡大を図りましたが、それが売り上げに繋がらずに破綻となったようです。会社が使った金額は、単純に負債71300+57800=129100万ほどです。店舗、従業員給与などが滞納されている場合は、その支払いが更に膨らむ可能性があります。

不動産の営業で目立って勝負

うちナビは、調達した資金で渋谷道玄坂の一等地に本社を構えたり、CMを打ちまくったりしていたようです。それ自体は、不動産を販売する上の広告費として考えると悪くなかったのかもしれませんが、さらに出店店舗数を増やして20店舗まで拡大した拡大路線がヤバかったようです。

広告費は一時的なものですが、社員100名ほどの人件費、20店舗の費用を考えると、すぐに資金繰りが行き詰まってしまうのも理解できます。投資家から資金調達したり、借り入れを行った事で調子に乗ってしまって、『足りなくなったら、また資金調達すればいいか』ぐらいに考えていたのかもしれません。いずれにしても、経済成長しない日本において、人を増やしたり、店舗を増やす事が売り上げに繋がりづらい状況であり、その点を慎重にやっていかなければいかないという教訓を残しています。

優秀な人材が来るはずない

もともと不動産の販売業・仲介業というのは、『誰にでもできる業務』と言われている事もあって、体育会系のノリが多い事で知られていて、大卒も少ない業界であるとされています。逆に言えば、高卒などにとってみると、ホワイトカラーで悪くない職業と言えるかもしれませんが、いずれにしても、優秀な人材を確保するのが大変に難しい業界でもあります。『株屋』と馬鹿にされる証券営業は、ほぼ全て大卒であることを考えると、不動産営業に必要な知識、経験などがそれほど必要ない『誰でも出来る業界』と言われる理由も理解できます。

優秀とされて売り上げをバンバンあげてくるような人材が来ないからこそ、社長本人がテレビCMに出演したり、タレントを起用して目立った広告を打たなければいけないのだなと思います。中小企業で、営業力を高めるには、営業力が非常に強い人材を採用するか、世間から注目されて売り上げをあげるしかないという事になります。

ワイキューブ負債40億円より小さい

ワイキューブは、バブルの時に派手にお金を使って、オフィスに「ワインセラー」を設置した事も話題になりました。そのワイキューブの負債が40億円で派手に散ってしまった事を考えると、今回の8億円という負債総額というのは、ワイキューブほど派手でもありません。ワイキューブは、『採用コンサルティング会社』として、優秀とされる社員を切望していましたが、PR会社からメディア対応のアドバイスを受けてまで、人材採用に熱を入れるようになります。オフィス、高額報酬だけではなくて、2年目以降は新幹線グリーン車など、若い社員から見ると破格の好待遇を用意していました。

ワイキューブの売上高が最大で40億円、最も利益が出た時ですら1億円だったという事です。このぐらいの利益しか出ない状況だと、いつまでたっても借金を返済する事ができません。オフィスの費用であったり、人材採用の費用が大きくなりすぎていて、利益が出づらい体質になっていたという事です。

特に資産と言えるものはない

資産と言えるものは、賃貸情報サイト『うちナビ』ぐらいのものであり、その『うちナビ』も不動産の登録などが必要な手間のかかる流動的なものなので、資産価値の予想として0~3000万円ぐらいに考えるのが普通でしょう。売るべき資産がない場合には、社長などが連帯保証を付けていれば、社長が返済しなければなりませんが、金額が非常に大きくて個人で返済できる金額とは一般的に考えて思えないので、自己破産が必要になる可能性もあると思われます。


https://twitter.com/keysket/status/786067654247350272

カテゴリ: 

関連記事


税金の無駄使い3兆円東京五輪は中止