会社員とフリーランスの違いは?優秀な人ほど会社に属さずに自分で独立してプレーする

  • 7 October 2014
  • のぶやん

どこかで読んだのですが、「多くの人は誰もが良い大学に入って、大企業に入りたがる。そして、入った時から誰もが脱出したいと言い始める」という事です。

様々な立場のチームメート

現在の日本の会社内部において、チームメンバーのほとんど全てが正社員採用であるという事は、ほとんどなくなっています。公務員ですら、正社員、臨時採用などがある時代になっているので、チームというのは、立場の違いが出てくるようになっており、昔より結束力を高めるのが更に難しい事になっています。そもそも、チームとしての結束力が必要かどうかという問題もあるでしょう。

・正社員(多くの企業は少数)
・派遣社員(正社員と似た仕事だが、派遣会社が給与を支払う)
・アルバイト
・フリーランス(個人で個別に契約するなど、証券外務員など)
・インターン生

こうした多くの立場の人が一緒に仕事をするとなると、そこで多くの問題が出てきます。例えば、チームで飲み会をやろうとした時には、誰が参加者になるのでしょうか?そして、支払いを誰が行う事になるのでしょうか?この辺のところは、チームリーダーのマネジメント力が非常に大きな意味を持つようになります。

それぞれ立場が違うだけならまだしも、外部の人(例えばフリーランス・個人事業主)がチームの中に入ってくると、仕事内容が細分化されてくるので、チーム全体としてまとめるのが大変になります。フリーランスが会社の内部に入るというのは、私の知り合いなどでは良くある事なんですけど、3分の1ぐらいは途中でトラブルになってしまうんですよね。

個人の力はどこまで必要か

会社員であっても、個人で伸びていくような人材が必要である事は言うまでもありません。最近の会社員に求めらる事は、チームの中においても「自主性を重んじる」とする会社が増えているので、どんどん自分から仕事をやっていく人間が歓迎されます。まあ、そうなんですけど、実際に会社員として自分からどんどん仕事をやっていって、大型案件を決めても、会社員の給与に反映されないという事が多いのも事実です。

フリーランスなどで会社に出向いていったとすれば、両者の納得した形で契約した上で仕事に取り掛かる事ができます。例えば、成功報酬型の契約を結んでおいて、プロジェクトの成功が得られたら多額の報酬を受け取るような契約も可能になるでしょう。単独でプロジェクトを良いところまで持ち込んだり出来る人材という事で会社にフリーの人材に来てもらうことが多いですが、実力によって会社員では得られないほどの報酬を得る事ができます。

会社に帰属する資産

青色発光ダイオード(LED)の開発者としてノーベル賞を得た中村修二さんですが、かつての勤務先である日亜化学工業と発明対価を巡って訴訟の争いになった過去があります。1審では日亜側に200億円の支払いが命じられて、それを不利に見た日亜側が和解に応じて、2005年に高裁判決で和解した事によって、中村氏には約8億円が支払われています。

本来であれば、従来帰属していた会社と争うという事は、中村氏としても避けて通りたいはずなのですが、日本の会社の社員が多額の成果を出してもほとんど給与が変わらないというのが現状です。訴訟で中村氏の功績が認められていたのは、青色LEDの製品化において、中村氏個人の開発技術に依存していた部分が大きかったという事でしょう。1人の「天才社員」が生み出した技術をどう評価するかという問題に直面しました。

日本で会社員を続けるリスク

会社内部では青色LEDの開発中止を求める声すらあり、偉業を成したはずの中村氏は、退職金を受け取らずに退職を余儀なくされています。そういった日本の姿に失望した中村氏は、日本を捨てて米国籍を取るに至っています。日本の会社においては、会社にいかなる貢献を行ったとしても、会社は個人の貢献を全く認めていかないと言う姿が明らかになっているわけです。

現在の日本において、数千万円から億円のプレーヤーになるには、会社員でいるという選択肢をとるのは効率が悪すぎるので、早めにフリーになるか、会社を起業するなどの選択肢をとった方が良い事になるでしょう。何か自分がやりたい事というのは、会社の内部で実現するものではなくて、ベンチャーキャピタルであったり、資本を持った人からお金を出資してもらった形で実現した方がスムーズです。まあ、残念ながら日本においてそうした制度もまだ整っていない現状もありますが、少なくとも会社員でいたら数百万円止まりが良い所になってしまいます。

優秀な人は独立する

日本の制度を良く理解していれば、優秀な人は早々と独立するはずでしょう。例えば、中村氏に関して言えば、中村氏がしっかりと日本の制度を理解していたならば、会社を早めに退職して自分で青色LEDの開発を進める環境を整えた可能性があります。それが出来なかったのは、結局のところは、中村氏がお金が無い状態で、会社を辞めるという選択肢が取れなかったところがトラブルになった要因です。それを良い事に日亜は中村氏を上手に利用して多額の利益を得ました。

中村氏が独立して開発を行った場合においても、後日に日亜とトラブルを抱えたであろう事は容易に想像できます。しかしながら、日亜から僅か8億円の和解金を受け取るだけという結末にはならなかったでしょう。中村氏は、技術者としては非常に優秀だったところがあるかもしれませんが、事業家としては全くのド素人だったということです。事業家として素人であれば、技術者は単に搾取されるという事でしょう。

中村さんの「全ての原動力が怒り」というのは、何か間違っている。私は、有森裕子さんの言う「よろこびを力に」という方がずっと良いと思っています。怒りから生まれたものというのは、人との摩擦を生んでしまいます。

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