イギリスの産業革命から労働者階級の成立
イギリスの産業革命(1760年~1830年頃にかけて)は、イギリスにおいて軽工業・重工業が発達した時期でもありました。
生産手段を持たない労働者階級の成立
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産業革命以前の『生産手段』と言えば、資本である土地から食料を生み出す事が主流でした。それは、産業革命以後になると、工場から様々な製品を生み出す事が出来るようになっていきます。人類は、食料を生産するだけではなくて、工業製品を生産するように移り変わっていく事になるのです。
工場というのは、それまでの手作業の一部を工場を使う事によって大量に生産する事が可能となり、安価で量産化された製品が可能になりました。この事によって、従来行われていた農村部の作業は工場の作業員が大量に行うスタイルに変化していく事になります。
世界の工場となるイギリス
産業革命がイギリスで起こったことによって、イギリスでは工場が沢山出来る事になり、輸入して加工してから輸出するという『加工貿易』が盛んに行われるようになってきます。特に綿を加工して洋服に仕上げて輸出するというビジネスが活発に行われるようになって、それに伴って綿花供給元となるアメリカなどで奴隷の労働力を使った大規模農園が発達する事になります。
アメリカでは、1863年1月1日に『奴隷解放宣言』が行われますが、それ以降も奴隷から解放された黒人に対する差別がずっと残っていく事になります。黒人に対する差別が少なくなったのは、第二次世界大戦を終えてからの市民運動によるものでした。
現代における自作農・小作農
日本において巨大資本が全国に店舗を張り巡らすようになってくると、地域の特色であった食堂・レストランなどが減少するに伴って、『自営業者』というのは減少しました。その多くが『会社員』として巨大資本、中小企業などに就職する訳ですが、現在では正社員・派遣社員・アルバイトなど企業の中でも労働者に格差を付けたような働き方が一般化しています。
正社員というのは、休んでも給料が支払われるという点においては、それが会社の資本との結びつきが強いと言えますし、逆に派遣社員・アルバイトなどになると、時給制の賃金という事で完全に小作農と言えるでしょう。