米国債が暴落する可能性!米国債を誰も買わなくなるかもしれない
日本がこれだけの規模で金融緩和を行っても、大幅な円安が起きないという事は、米国の方も結構ヤバいと考える事もできます。日本では、日銀がバランスシートを500兆円にも膨張させる国債買い入れを行っていて、アメリカのFRBもバランスシートを2009年から膨張させて、MBS・不動産担保証券&政府機関債を約250兆円、国債を250兆円ほど保有しています。
米国債を保有しているのは、日本100兆円、中国100兆円ほどで米国債保有のトップ2となっています。
誰が米国債を買うのか?
FRBが国債の買い入れを縮小して、バランスシートを縮小させたとしても、では誰が米国債を買うのかと言う問題点が浮上してきます。アメリカは、金利を引き上げる事で米ドル高・米国債を海外の投資家に購入して貰おうとしています。その為に『段階的に金利を引きあげる』と大宣伝しています。
米国債のイールドカーブ(国債ごとの金利を繋げたもの)は、フラットになっています。基本的に長期金利ほど金利が高いのが普通なのにおかしな事になっているのです。
米金利上昇でも下落するUSDJPY、
— 竹内典弘 (@yen20pls) January 10, 2018
ここにきて何と逆相関。
USDJPYが昨年年初来安値を記録した9/8以降の相関はこんな感じ。 pic.twitter.com/HemFApywwZ
*金利を少し上げたぐらいでドルが買われなくなってきているのかもしれません。
もう金融緩和できない限界点
米国FRBは、基本的に2017年からバランスシートを縮小する方向に入ると何度も発言しています。アメリカは、2009年1月から2015年まで金利が0.25%で抑えられてきましたが、2015年12月にようやく金利を引き上げて、0.5%にして以降は段階的に金利を引き上げて、2017年12月の金利が1.5%となっています。日本は、0.10%を維持しているので、日米の金利差は拡大しています。
アメリカの金融政策が大きく転換したのは、2009年のリーマンショック以降でした。FRBが金利を0.1%に引き下げると同時に、MBS・不動産担保証券を買い取ったり、国債を買い入れを急増させて、今までにない金融緩和を行いました。これを模倣したのがアベノミクスです。
世界の先進国が軒並み低金利
世界の先進国がいずれも低金利政策を取っているので、各国の金利差がほとんどない状況で、金利差を利用して稼ぐ『キャリートレード』のようなものが難しくなってきます。
日本の銀行が日本国債を手放す中で、日本の銀行は『ヘッジ付き米国債』というものを使って、為替の影響を受けにくい形の米国債を買ってきました。しかし、2017年後半になって、日本の銀行がこのヘッジ付き米国債で損失を題しているという話が出てきました。
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ドルの力が弱くなってる?
アメリカが日本・EUに先駆けて金利を上げなくてはいけない背景には、アメリカの資金調達力が弱まっているからという説もあります。金利が高くないと、米国債の買い手がいないという問題です。指摘されている1つの考え方は、『中国の自民弦決済が増加』した事で、ドルが基軸通貨を保てなくなっている可能性です。
アメリカは、2009年以降に銀行券ドルを乱発した事によって、アメリカの不動産価格・株価などが釣り上げられてきました。しかし、生産力を伴わずにこのような事を行ったので、それが限界に来ようとしています。
投資先がない日本の銀行
日本の銀行がアメリカに投資をしたくても、利上げにより債権価格が下落すると損失を出すので利上げしづらい状況にあります。そこで日本が中国が提唱する『一帯一路』計画に参加して、アジアインフラ投資銀行(AIIB)に参加する可能性も出てきました。