雇い止め

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東北大学の雇い止め問題に見る労働者のあり方

  • 25 November 2017
  • のぶやん

東北大学は、2018年4月から非正規雇用の教職員約1140人を雇い止めにすると発表しています。東北大学は、2015年で1万457人の教職員が在籍しており、そのうち非正規職員は5771人で約55%を占めるとされています。つまり、約半数が非正規雇用で大学が運営されているのです。

高学歴とされる人たちは、ようやく非正規雇用で採用されたとしても不安定な雇用体系にあって、2,3校の掛け持ちを当たり前にしながら生活しています。非常勤講師が大変な状況にあるからと言って、30代、40代になってくると、大学の授業しか持った事がないという人は、社会人として就職口を探すのが大変になってきます。

奴隷が必要となる社会

大学で教授などがその地位を維持するには、奴隷として働く労働者が不可欠になっているのでしょう。最前線で戦う兵士がいないと、士官が前線に出て戦わないといけないという事と同じです。大学というシステムで教授たちの『権威』を保つためには、日頃の授業で学生たちに簡単な事を教える人が必要で、その役割を非常勤講師の先生と言われる人たちが担っています。

大学生からは、『先生』と言われて尊敬されていながらも、実情としては給料が低くて貧困の生活を過ごしているというローマ時代の奴隷のようなものでしょう。高学歴であるにも関わらず、年収100万円ほどの人も珍しくないとされている業界です。しかも、雇い止めをされたら、行き場がなくなる人もいます。

実際に教員は余っている

高校を出たばかりの大学生に教えるのは、それほど難易度の高い事ではありません。一般教養のようなレベルのものを教える事ができる人は世の中に沢山いて、実際に海外の大学では大学院の人がアルバイトとして授業を受け持つことが珍しくありません。日本では、大学院生に授業を持たせる事はほとんどなくて、講師という形で採用して授業を持たせるだけマシと言えるかもしれません。

大学生に教えるのは、大学院生のアルバイトレベルで良いので、時給が低くても当たり前なのです。しかも、ビデオ学習などを行わせた方が効率的と言えるでしょう。この時代には、大学の存在価値それ自体が問われている事になります。1990年頃から全国の大学では、専任を減らして非常勤を増やしてきました。この結果、40代になっても、50代になっても講師という人も増えています。そして、年齢を重ねると優秀な後輩たちが入ってくるので、ますます状況が厳しくなるのです。

ビデオ学習の方が効率がいい

大学では、実際に講師から授業を受けるべきだという事が定説になっていますが、本当にそうでしょうか?大人数の教室で、1日に3時間、4時間の為に通学するのは非常に効率が悪い事で、ビデオ学習にすれば、もっと効率良く多くの事を学習する事ができます。つまり、授業を行うという事は、誰でもできる仕事どころか、ビデオが行った方が安くて効果的という時代になってしまっているのです。

高校受験で塾に通うより学習アプリを使った方が効率が良いとされるようになってきているのと同じです。将棋教室に通うより、コンピューターと対戦していた方が強くなれるのです。大学で求められている役割が変化してきており、授業で教えるという行為自体を行う役割より、単なるテストの採点機関と、研究機関になってきている事は間違いありません。学生は、テストを受ける為に勉強して、教授たちは授業などを全くせずに研究に没頭すればいいのです。

今後AIに置き換わっていく

日本には、証券会社の営業マンのように本当は必要がない非効率なものだけど、まだまだ需要があるものが存在しています。大学の講師という存在も、本当はビデオ学習の方が効率がいいけど存在しているものの1つでしょう。そうしたものは、今後に衰退していく事は間違いありません。最強のホワイトカラーであったはずの銀行員は、AI化されてリストラが進むと言われています。

結局、廃れていく業界である証券マン、銀行員、大学の講師などを今後の何十年にもわたって続けていくのは難しくなるという事です。ある程度の型にはまったような決められた範囲の中でやる業務と言うのは、コンピューターが行う業務に置き換わっていくでしょう。

強制的に生み出された需要が衰退

大学というものは、本当は行かなくてもいいものになっています。それは役に立たないからです。世界の大金持ちを見ても、大学を中退していたり、大学に行ってない人も沢山います。企業が使う側としては、大学を出ていた方が言う事を聞くのでいいと言う事になりますが、実務能力がある事は別問題です。

求められる実践の解決能力というのは、現場の経験が必要になり、それがないと使いものにならないからです。シャープのように国際競争で負ける企業は、堺工場のように間違えた巨額の投資を行って、一瞬にして自滅の道を歩んでいます。

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