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三菱重工のMRJは、6000億円かかって泥沼化。撤退したくても出来ない状況へ。ブラジルのエンブラエルを買収すればよかった。

  • 22 July 2018
  • のぶやん
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三菱重工が手掛けるMRJプロジェクトは、2009年頃に発表されて、2013年に完成する予定でした。それが5回も延期されて、今では2020年に完成するとされています。実際には、2020年に完成したとしても、1000機ほど販売しないと赤字になるという事で、ビジネスモデルとして成立する可能性が非常に低い状況になっています。

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凋落していく三菱重工

三菱重工がMRJに手を出した背景には、子会社である三菱自動車の度重なる不祥事による凋落があり、それを補おうと豪華客船を無理して受注するも大赤字を抱えて撤退、そこでMRJに手を出してこの有様です。そもそも、日本国内に航空機を必要とする授業がなく、人口5億人を抱えるEU市場、人口3億人を超える米国、人口10億人を超える中国などとは、市場の状況が異なっています。

造船分野においても、EU圏のクルーズ需要、アメリカのクルーズ需要と、豪華客船の需要が今までほとんどなかった日本市場では事情が全く異なっています。三菱重工の凋落は、まさに日本の凋落を象徴しているかのようで、それを取り戻すことがもはや不可能である事を印象付けています。

ブラジルのエンブラエルを買収すべきだった

ボーイング社が買収したブラジルのエンブラエルは、ボーイング社が38億ドル(約4000億円)を出資する事になっているので、三菱重工も6000億円もMRJにかけるより、買収した方が早かったといわれています。ただ、買収で日本国内の工場などで技術力を養うことはできないので、強引に国産にこだわったのでしょう。結局、ほとんど米国の技能経験がある技術者を雇用して製造しているという事で、それでも完成しないのです。

そもそも最近の日本企業は技術力が極端に落ちて、技術評価すらできない状況にあると指摘する専門家もいます。技術評価ができないので、製造にどれぐらいの時間・コストがかかるのか読めないのです。願望ばかり専攻して、無知な経営陣がその難しさを全く理解せず、製造業が弱体化しているのを無視して金を突っ込んでいくという状態です。ソフトバンクによる海外企業の買収が巨額になっているのは、技術力を手に入れるために海外企業が多額の資産を投じているために簡単に安値で売らないからでもあります。

ソフトバンクの場合、モノづくりをやめて、技術を購入する投資会社化してしまいました。しかも、いずれも恐ろしいほどに高値で買っています。個人でも何かにチャレンジして、失敗するのは悪いことではないでしょう。何かにチャレンジしなければ、技術評価など出来ないので、何も生み出す事ができないからです。それでも、三菱重工のように6000億円も赤字を生み出すような航空事業に参入するのは、無謀としか言いようがありません。

未完成のまま撤退と言われる

三菱重工が社運をかけて挑んでいるとされるMRJですが、未完成のままで撤退する可能性も指摘され始めています。2018年1月末現在の受注実績は正式契約が213機、オプション174機の計387機となっていますが、このままでは採算割れは確実です。もっと受注しなければいけませんが、機体の完成を何度も延長しているので、完成する前から信頼性が揺らいでいます。それ以上に厳しいのは、導入する予定だった最新技術の陳腐化で競争力を失っている事です。

三菱自動車を購入した日産が34%の株式を保有して筆頭株主で、MRJで損失がでれば、日産も損失計上しなければいけない状態になるでしょう。6000億円もかけるなら、最新の航空機を何機も変えて、航空会社すら設立できたのでした。

新規ビジネスがない

三菱重工がMRJに乗り込んだ背景には、新しビジネスモデルがないという焦りがありますが、米ボーイング社などは、ブラジルの航空会社を買収するなど、三菱重工の姿勢に警戒感を強めています。そもそも米軍が駐留しているような日本において、米国と競合するようなビジネスを行っていくことなど、非常に難しいでしょう。

社長が何度も交代して、日本のお決まりの『誰も責任を取らない』というパターンに陥りつつあります。東芝も、子会社であるウェスチングハウスが2015年に買収したS&W社という会社が7000億円という巨額損失を計上したことにより、倒産しかけています。損失が際限なく膨らむオプション契約によって、東芝が損失を背負わされた形になりました。



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三菱重工の航空機MRJが大失敗!完成品ばかりを狙うと大失敗する

  • 4 December 2017
  • のぶやん
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三菱重工の重役たちは、やりたい事と、やれる事の区別がついていなかったと言われても仕方ないでしょう。巨大な豪華客船を無理やり受注して大失敗して撤退。2013年に納入開始とされていた国産航空機のMRJは、2020年になっても納入されない見通しで、既に時代遅れのものが出来上がって売れないどころか、販売が決まったものまでキャンセルされる可能性が出てきました。

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当初は、2008年から開発を開始して、5年後の2013年頃には製品として納入する予定でした。しかし、5年で航空機の開発などとてもできない事は、作り始めてから判明していく事になり、三菱MRJは泥沼にはまりこんでいきます。

1997年に正式に開発が開始された本田ジェットは、2012年に発売されるまで15年もの時間を要しています。しかも、本田ジェットは1993年に他社製のエンジンで既に初飛行に成功していました。三菱重工が開発しようとしている大型飛行機は、ビジネスジェットより更に難易度が高い物になります。

完成品を作りだせない

日本の空母であったり、航空機などは、防衛能力が弱いとされていました。結局のところは、防衛能力を高めるほどの余裕がなかったものと考えられています。空母の数でアメリカ軍と同じと考えていても、実際に戦ってみると何故か負けるというのは、空母の防空能力、航空機の防衛能力などの差が現れる事が多かったからでしょう。

MRJも既に試験飛行は行われていますが、細かい所の調整に時間がかかっています。三菱重工の場合には、今までの実績がないのでゼロからの開発となり、あらゆる所に時間がかかっています。航空機開発のノウハウの蓄積が全くない中で、航空機を飛ばすだけでも大変なのに、他社に勝って市場でトップを目指すなど夢物語です。

競合他社に勝てない

三菱重工は、最初から競合他社に市場で勝とうと挑んでいますが、今のところその見込みはほとんどありません。100席未満の小型旅客機では、エンブラエル(ブラジル)、ボンバルディア(カナダ)の2社が1000機以上の出荷がありますが、特に売れているブラジルのエンブラエル社に性能で勝つことができそうもないのです。

飛行させるだけで精一杯であり、2013年に納入するはずだった商品が2020年にまで遅れて、それで世界一の性能を出せる訳がありません。それどころか、エンブラエル社が性能を改善してきた「175-E2」(80〜88席)は、2020年に発売して、それが三菱重工が開発する機体よりも優れている可能性が高いというのです。

今まで開発しなかったツケ

造船業などが傾くまで、新しい産業に参入しなかったツケが航空機MRJに現れています。航空機の部品の数は半端ないもので、その全てが完璧に仕上がっていないといけないという難易度が高い物です。日本には、その技術力を支える若者は不足しており、10年後、20年後が見通せないほど少子高齢化となっています。その一方で、ブラジルは2億人の人口を誇っており、若者で溢れて今後も伸びが期待できます。

世界の航空会社が『今後のお付き合い』を考えるのであれば、日本の状況とブラジルの状況を比較して、ブラジルの航空会社であるエンブラエルの航空機を採用したくなるというのも当然でしょう。確かに日本市場は、世界を代表する大きな航空業界の市場ですが、それがずっと続くとは限らないからです。

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