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米国サブプライムローンと仮想通貨バブルがあまり変わらない構造

  • 28 December 2017
  • のぶやん
ビットコイン

アメリカでは、最初に白人などに多いプライム層に住宅を購入させるだけでは、住宅価格が上がらなくなってしまいました。そこで、所得が低い層にもお金を貸し出すサブプライムローンというシステムで、低所得者に住宅ローンを組ませました。この住宅ローンで住宅価格が更に上がりましたが、実際には返済できない人が急増したのでした。

作りだされた不動産の需要

米国で金融会社などは、不動産価格が下落する事で自分たちが損をする事を警戒していました。そこで、住宅価格を引き上げる為に需要を作りだす事にしたのです。まだ、家を持たない社会的な信用度が低い人たちに対して、低金利で住宅を持てるようにするシステムを強引に生み出したのです。最初1%の金利で住宅ローンを貸しだして、後から5%以上の金利に跳ね上がるという詐欺的な手法でした。

大金持ちが何軒の家を保有しても、住宅価格というのは値上がりしません。多くの人が住宅価格を釣り上げる為には、サブプライム層の需要が必要だったのです。住宅を持ちたいという社会的な信用度の低い人たちからの需要で、『サブプライムローン』を多くの人が利用して住宅価格が値上がりしましたが、その人たちが持ち終えた頃に、リーマンショックが起こって住宅市場が大きく下落しました。

利用出来ないビットコイン

仮想通貨のポイントは、それが通貨として実際に利用できる範囲が極めて小さいという事です。ビットコインでさえ、日本の99.99%の店舗でビットコインを利用する事ができません。つまり、日本国内で出回っている法定通貨である日本円と異なって、ビットコインに日本での利用価値はほとんど皆無と言えるでしょう。今の日本においては、ビットコインよりは、楽天ポイントの方が支払いとして使える機会が多いのです。ビットコインは、日本だけでなく世界の99.99%の店舗で利用出来ません。

確かにビットコインは、取引所で法定通貨に換金する事が出来る『換金性』を持ち合わせています。ただ、ビットコインそれ自体をダイレクトに使う事が出来ないと、通貨としての信用があるとは言えません。ほとんど信用がないジンバブエドルをドルに変換して使うのと同じ事になってしまいます。

ビットコイン

使えないものは買われない

オンラインで革命と言われるビットコインですが、今のところオンラインの支払いでさえ使える場所は限られています。ビットコインが話題になりますが、現実的にビットコイン決済を受け付ける店舗は限られています。インターネットの大手アマゾン・楽天でもビットコイン支払いを受け付けていません。このまま『利用されない』状態が続けば、ビットコインの価格が高値を維持する事は難しいでしょう。

ビットコインを実際の店舗が利用せず、他の仮想通貨を利用するのであれば、そちらの方が価値を持つ事になるでしょう。どの仮想通貨が価値を持つかは、今の段階では分かりません。物の価格の本質というのは、利用価値の需要があるかどうかという事を見る必要があります。

日本の不動産価格の暴落

日本の不動産価格が下落しているのは、利用者が全く見当たらないからです。少子高齢化によって、特に地方都市などに住宅需要が全くありません。場所によっては、『無料でも良いので引き取ってほしい』という住宅すらあります。このような状況では、国がいくら金融緩和などをしたり、住宅の支援制度などを充実させようとも、住宅需要が生まれないので住宅価格は上がりません。

日本において住宅需要があるのは、東京都市部など僅かな地域に限られています。そして、住宅価格が上昇しない事は、物価が大幅に下落してデフレが加速する1つの要因ともなっています。

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