リッツカールトン

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企業の社員・従業員の生産意識を高める為のマネジメント手法

  • 28 June 2015
  • のぶやん

企業のマネジメントで最も重要になるのは、意識を高める事だという管理者も多い事でしょう。意識を高めるというのは、どういう事なのでしょうか?

意識を高めるというのは、旧日本軍のように「気合を入れる」というのとは全然違います。従業員が企業の存在意義を認識して、それを最大限に発揮して自分の力と相乗効果を出していくという事なんですけど、そういう点が分からないと、従業員というのは、「この企業で自分の力を発揮するのは不可能だ」と感じて、やる気がなくなって意識も低下、そして言われた事しかやらなくなって、評価を気にしなくなり、転職を考え始めます。

企業によって間違えている意識

企業の多くが失敗する要因として、従業員の仕事に対する意識がそれほど高くないという事であったり、従業員がお客様の方向ではなくて社内の方向を向いているという事があります。そりゃあ、口では「お客様の為に最大の努力を」と言うのは何とも簡単なんですけど、実態として社内の上司の方に意識が集中しているという事が良くあります。

旧日本軍の失敗の多くもこうした実情から起こっている事で、「どうやって戦争に勝つか」という事よりも、「どうやって自分の地位を守るか」に意識が集中している人ばかりでした。上層部も勝つ方法を真面目に考えず、「根性が足りないから負けるんだ」という意味不明の事を言い始めたりする訳です。実際には、無いのは根性ではなくて食料・戦う武器だったりする訳で、そういうのを揃えないで戦に勝つのは無理な訳です。


補給を軽視しすぎる日本軍と今の企業

日本軍は、補給を軽視しすぎて負けたとも言われていますが、日本軍の兵士の半数以上(60%140万人とされる資料がある)が病気・餓死で死んだりしている所を見ても、日本軍は戦う以前の問題として兵士に対する補給がなってなかった訳です。今の企業でも実は同じ事が起こっており、「新卒が3割辞める」事を企業側が嘆いたりしていますが、実際に辞めたくなるぐらいの給与しか支払っていないので、仕方ないのです。

新卒者の給料が上昇したというニュースなどもありますが、実態として消費税の上昇、そして医療保険金の掛け率の上昇、大企業における寮の廃止、住宅手当の廃止などが起こって、若者の実質的な負担が増えて、可処分所得が低下しています。そういった状況の中で企業で「全力で働き続ける」なんて無理でしょう?だって、満足に生活を過ごせないような給料しか貰えないのだったら、将来が不安になるのも当然です。

旧日本軍でこんな話をしたら、「貴様、一平卒で何もできないくせに、食料を要求するのか!」と言われるかもしれませんね。あの、何もできないとか、何かできるとか言う事は、全く関係のない話です。簡単に言えば、誰だって食料(一定以上の可処分所得)が無ければ、働き続ける事なんて不可能という事です。「そんな弱音を吐く奴は、企業に不要だ」などと言うものだから、若者が皆さん辞めちゃうんですよ。本当は、少し可処分所得を増やしたり、労働形態を変えるだけで良かったりするのに、高齢の頭ガチガチ馬鹿たちにはそれが分からない。

若者の可処分所得をできる限り増やす必要があり、その方法を社会全体で考える必要があるということ。

従業員の不安を解消するのが企業の役割

従業員の生活不安まで切り込むのはプライバシーだと考える企業も多いですが、実際に成功している高級ホテルリッツ・カールトンの経営では、社員と家族を大事にするという経営方針をとっています。それは、社員の満足度がお客様に伝わってしまうからなのです。自分の企業に満足していれば、誰が言わずともお客様に親切・丁寧に接したくなるでしょうし、自分の企業に満足していなければ、客にも横暴に当たるというのは当然の事でしょう。自分のところの社員を「言われたことだけやっていればいい作業員」として扱うならば、社員としてではなくて、アルバイトか何かに雇用形態を変更した方がいい。アルバイトなら作業員として大学生を採用すればいいのです。そうすれば、企業側としても多くの事を要求できない事が分かるでしょう。

時給1000円とか1500円とか出してもアルバイトがなかなか集まらない飲食産業などですが、奴隷のようにお金の為に働く働き方を選択する人は少ないと言う事です。よほどお金に困らない限りは、1000円とか1500円でも飲食店で働きたいとは誰も思わないでしょう。大学生だって企業内部の仕事というのが結構あります。

社員が育児に悩んでいると知れば、育児休暇をあげたりして、社員の不安を取り除いてあげる。社員が住む場所に困っているなら、住む場所の提供を会社全体のシステムとして考え直す。そういった「社員の為の努力」という文化が企業の中に存在しないと、企業の内部で社員が元気に働く事はできないでしょう。


スターバックスにおける経営姿勢

スターバックスは、高級コーヒーチェーン店として知られており、そのコーヒーの価格は高いです。私自身は、スターバックスの添加物の量が他の企業に比べると異常なほど高い事から、滅多に利用しない(家の近くのスタバを利用したのは1回限り、友人がスターバックスが好きな場合に利用する程度)で、年間1、2回しかスターバックスに入りません。私自身はスターバックスが心地いいともサービスが良いとも感じた事はありませんが、日本でも大人気のチェーン店としていつも混雑しています。

そのスターバックスの経営は、コーヒーを売る事ではなくてサービスを売る事だ(リクナビリンク)と書かれてありますが、内部の従業員同士のコミュニケーションがしっかりしていて、お互いに尊重しあっているという事です。確かにスターバックスの店舗は、どこに行っても従業員が声を掛け合って連携している感じがお客さんから見て取れます。そういう雰囲気を見たお客さんが、「従業員が楽しそうだから、コーヒーも美味しいに違いない」というイメージを抱くのかもしれません。

従業員・客の前で怒ってはいけない

マネジメントの本にも良く書いてあって、実践されている事ですけど、従業員・お客様の前で上司が部下をしかりつけては絶対にいけないという事です。それはスターバックスの従業員とは逆の事が起こってしまっており、「従業員同士が日頃から連携を取れていない」という事が従業員全体に伝わってしまって、従業員同士がギスギスしてしまう原因になるのです。何か問題があれば、1対1で話し合いを付けるというのが基本です。間違えても、全体の前で、特にお客さんの前で従業員をしかりつけるなんてやってはいけないです。部下が問題を起こしたとすれば、上司が「私が指導が行き届かなかった」と詫びて、部下とは後で話し合いを持つのが基本です。

企業においては、良く課長・部長が自分の席に呼んでしかりつける場面などが見られますけど、それは最も良くないマネジメントの方法です。チーム全体の雰囲気が落ち込んでマイナスになり、それがお客さんに伝わる事になってしまうのです。しかも、しかりつけられた側というのは、その多くが改善策を考える前にストレスだけを溜め込んで、何もいい事がありません。しかりつけるのではなくて、話し合いを持ち続けるというのが優秀な上司のすることです。

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