金利が上昇すると住宅ローンで購入した人は破綻する
不動産は、基本的にインフレに強い資産とされています。インフレというのは、貨幣価値が下落する事なので、貨幣以外の『ものの価値』が上昇するからです。しかし、現在の日本においては、インフレが起こったとしても不動産の上昇に懐疑的な見方が広がっています。それは、不動産の買い手がないので、どんどん不動産価格が下落しているからです。
常に価値があるという不動産は、多くの人が欲しがる不動産で、都心部にあったり、高級住宅地にあったりと、条件が良い不動産になるでしょう。現在でも、都心部の賃貸価格が落ちていないのに対して、郊外にアパートなどが供給過剰で賃貸価格を維持できずに下落しています。アメリカでは、治安が良い街の不動産に人気があつまり、逆にデトロイトのダウンタウンのように価格すら付かない場所もあり激しい二極化が起こっています。
日本が空き家だらけの事実
日本では、野村総研の試算によると『2033年時点における空き家数は約2,150万戸、空き家率は30.2%』という恐るべき数値が出されています。空き家の数が2017年の2倍以上になって、全国で空き家だらけの状況という事になります。このような状況になると、中古物件の価格が供給過剰で大幅に安くなるので、明らかに新規で住宅を建てるよりも、中古物件を安く買い叩いて住んだ方が良いという事になります。ただ、中古物件は転売できなくなる可能性があるので、購入するとしても、転売可能な都心部が良いでしょう。
http://www.stat.go.jp/data/jyutaku/2013/10_1.htm
金利の急上昇で住宅ローン払えない
3000万円の住宅ローンを組んだとして、金利1%で30年返済にしていれば、金利を含めて1ヶ月96000円ぐらいの返済になります。それがインフレになって5%になっただけで、毎月の返済額が160000円に上がってしまいます。10%のインフレになると26万円まで上がります。金利1%だと総返済額が3470万円でいいのですが、金利5%まで上がると総返済額が5790万円に跳ね上がり、金利の怖さが分かります。
インフレで金利が上昇したとしても、それに応じて所得が上がるとは限らないので、所得が上がらないままにインフレが起こると、本当に住宅ローン返済ができない苦しい事態に陥る人が沢山でると予想されています。日本国債が今のままの低金利で推移する事は、誰も保証していません。こう考えると、固定金利・変動金利であれば、確実に固定金利の方を選んでおいた方が良いという事になります。変動金利を選んで、金利20%などという事になれば、大変な事になってしまいます。
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